物理

単振動 — ばね振り子・単振り子・エネルギー

単振動の変位・速度・加速度、復元力、水平・鉛直ばね振り子、単振り子、単振動のエネルギー、円運動との対応を扱います。

全 48 問(★基礎 12・★★標準 12・★★★応用 8・★★★★難関 8・最難関編 8)

問1 単振動の基本量(振幅・周期・振動数) ★ 基礎単振動

ある物体が、振幅 、周期 秒の単振動をしている。(1) 振動数 (2) 角振動数 をそれぞれ求めよ。円周率を とする。

t [s]x [m]OA=0.20T=0.50 s0.501.0
振幅 0.20 m・周期 0.50 s の単振動の x-t グラフ
問2 円運動の正射影としての単振動 ★ 基礎単振動円運動との対応

半径 の円周上を角速度 で等速円運動する物体に、真横から光を当てて壁にできる影の運動を考える。(1) 影の運動の振幅と角振動数 (2) 影の速さの最大値 をそれぞれ答えよ。

Oω=5.0 rad/sr=0.10 m
円運動する物体に真横から光を当て、壁にできる影の動きを見る
問3 最大速度と最大加速度 ★ 基礎単振動

振幅 、角振動数 の単振動をする物体について、(1) 速さの最大値と、それはどの位置で実現するか (2) 加速度の大きさの最大値と、それはどの位置で実現するか を答えよ。

問4 加速度と変位の関係(a=−ω²x) ★ 基礎単振動

角振動数 の単振動をする物体が、振動の中心から の位置にあるとき、加速度の大きさと向きを求めよ。

問5 復元力 ★ 基礎復元力

ある物体(質量 )にはたらく力が、振動の中心からの変位 に対して ()と表される。(1) のときの力の大きさと向き (2) この物体の運動はどんな運動になるか を答えよ。

問6 水平ばね振り子の周期 ★ 基礎ばね振り子

ばね定数 の軽いばねの一端を壁に固定し、他端に質量 の物体をつけて、なめらかな水平面上で振動させた。振動の周期を求めよ。 とする。

0.20 kgk=20 N/m
壁につないだばねに物体をつけ、なめらかな水平面で振動させる
問7 等時性(周期は振幅によらない) ★ 基礎ばね振り子等時性

ばね定数 の軽いばねに質量 の物体をつけた水平ばね振り子(周期 秒)について、引いて放す長さ(振幅)を から に変えた。(1) 周期はどうなるか。 (2) 最大の速さはどうなるか。それぞれ理由とともに答えよ。

問8 鉛直ばねのつり合いの伸び ★ 基礎ばね振り子鉛直ばね

ばね定数 の軽いばねを天井からつるし、下端に質量 のおもりを付けて静止させた。ばねの自然長からの伸びを求めよ。重力加速度の大きさを とする。

0.40 kg伸び x₀k=19.6 N/m
天井からつるしたばねの下端におもりを付けて静止させる
問9 鉛直ばね振り子の周期 ★ 基礎ばね振り子鉛直ばね

ばね定数 の軽いばねを天井からつるし、下端に質量 のおもりを付けた。つり合いの位置から少し引き下げて放すと、おもりは鉛直方向に単振動した。振動の周期を求めよ。 とする。

つり合いの位置上下に単振動
つり合いの位置から少し引き下げて放すと、おもりは上下に振動する
問10 単振り子の周期 ★ 基礎単振り子

長さ の軽い糸の先に小球をつけた単振り子を、小さく振らせた。振動の周期を求めよ。重力加速度の大きさを とする。

L=2.45 m
長さ 2.45 m の糸の先に小球をつけ、小さく振らせる
問11 月面での単振り子 ★ 基礎単振り子

地球上で周期 秒の単振り子を、重力加速度が地球の の月面に持っていくと、周期は約何秒になるか。 とする。

問12 単振動のエネルギー ★ 基礎単振動のエネルギー

ばね定数 のばねに質量 の物体をつけた水平ばね振り子を、振幅 で振動させている。(1) この振動の力学的エネルギー (2) 振動の中心を通過するときの速さ をそれぞれ求めよ。

中心端 A=0.30v=?
振幅 0.30 m で振動する水平ばね振り子。中心を通るときの速さを考える
問13 単振動の式の読み取り ★★ 標準単振動式の読み取り

ある物体の位置が、時刻 [s] を用いて [m] と表される。(1) 振幅 (2) 周期 (3) 速さの最大値 をそれぞれ求めよ。 とする。

問14 位置・速度・加速度の位相関係 ★★ 標準単振動グラフ

振幅 、周期 秒の単振動が、時刻 に振動の中心を正の向きに通過した。(1) 秒(周期の )での位置と速さ (2) このときの加速度の大きさは最大か 0 か を答えよ。 とする。

問15 質量を変えたときの周期 ★★ 標準ばね振り子

ばね定数 のばねに質量 の物体をつけたばね振り子の周期は 秒である。物体を質量 のものに取り替えると、周期は何秒になるか。

問16 鉛直ばね振り子の振動の範囲 ★★ 標準ばね振り子鉛直ばね

ばね定数 の軽いばねを天井からつるし、質量 のおもりを付ける(つり合いの伸びは )。おもりを、ばねの伸びが になる位置まで引き下げ、静かに放した。(1) 振動の中心はどこか(自然長からの伸びで答えよ) (2) 振幅 (3) おもりが最も高く上がったときの、ばねの自然長からの伸び を求めよ。

問17 秒振り子の長さ ★★ 標準単振り子

周期がちょうど 秒になる単振り子(秒振り子)の糸の長さを求めよ。重力加速度の大きさを とする。

問18 エネルギー保存で途中の速さを求める ★★ 標準単振動のエネルギー

ばね定数 のばねに質量 の物体をつけた水平ばね振り子が、振幅 で振動している。変位が のときの物体の速さを求めよ。

中心x=0.18端 0.30v=?
振幅 0.30 の振動の、x=0.18 での速さを求める
問19 x-t・v-t・a-t グラフの対応 ★★ 標準単振動グラフ

単振動する物体の x-t グラフが の形で与えられている。(1) v-t グラフと a-t グラフはそれぞれどんな関数の形になるか。 (2) 「速さが最大になる時刻」と「加速度の大きさが最大になる時刻」は、x-t グラフのどんな時刻に対応するか。

txO零点
x=A sin ωt で与えられた x-t グラフ
問20 ばねの並列接続 ★★ 標準ばね振り子合成ばね定数

ばね定数 の同じばね 2 本を並列に(横に並べて)つなぎ、質量 の物体を付けて、なめらかな水平面上で振動させた。(1) 合成ばね定数 (2) 振動の周期 をそれぞれ求めよ。 とする。

0.20 kgk=10 N/m ×2(並列)
同じばね 2 本を並列に(横に並べて)つなぎ、物体を付ける
問21 ばねの直列接続 ★★ 標準ばね振り子合成ばね定数

ばね定数 の同じばね 2 本を直列に(縦に一列に)つなぎ、質量 の物体を付けて、なめらかな水平面上で振動させた。(1) 合成ばね定数 (2) 振動の周期 をそれぞれ求めよ。 とする。

0.20 kgk=10 N/m ×2(直列)
同じばね 2 本を直列に(縦に一列に)つなぎ、物体を付ける
問22 斜面上のばね振り子 ★★ 標準ばね振り子斜面

傾きの角 のなめらかな斜面上で、斜面下方に固定したばね(ばね定数 )の上端に質量 の物体をつけた。(1) つり合いの位置での、ばねの自然長からの縮み (2) つり合いの位置から少しずらして放したときの振動の周期 をそれぞれ求めよ。重力加速度の大きさを とする。

30°0.20 kgk=9.8 N/m
傾きの角 30° のなめらかな斜面上のばね振り子
問23 水に浮かぶ物体の振動 ★★ 標準浮力単振動

断面積 の一様な円柱形の浮きが、水面に鉛直に浮かんでいる(質量 )。この浮きを少し押し沈めて放すと、鉛直方向に単振動した。振動の周期を求めよ。水の密度を 、重力加速度の大きさを とする。

水面浮き 0.98 kg・S=1.0×10⁻² m²上下に振動
水面に鉛直に浮かぶ円柱形の浮き。少し押し沈めて放す
問24 加速する電車内の単振り子 ★★ 標準単振り子慣性力

長さ の単振り子を、水平に一定の加速度 で走る電車の中で小さく振らせた。振動の周期を求めよ。重力加速度の大きさを とする。

問25 ばね振り子の周期の導出 ★★★ 応用ばね振り子導出

なめらかな水平面上で、ばね定数 のばねに質量 の物体をつけて振動させる。(1) 自然長からの変位が のときの物体の運動方程式を書け。 (2) 単振動の加速度の式 と比較して、角振動数 と周期 で表せ。 (3) のときの を求めよ。

問26 鉛直ばね振り子の中心の証明 ★★★ 応用鉛直ばね導出

ばね定数 の軽いばねを天井からつるし、質量 のおもりを付ける。つり合いの位置でのばねの伸びを とし、つり合いの位置から下向きに だけ変位したときのおもりにはたらく合力を考える。(1) で表せ。 (2) 変位 のときの合力(下向きを正)が となることを示せ。 (3) この結果から、振動の中心と周期について言えることを述べよ。

問27 単振り子の周期の導出 ★★★ 応用単振り子導出近似

長さ の糸に質量 のおもりをつけた単振り子が、鉛直から小さい角 だけ振れている。最下点からの弧に沿った変位を ()とする。(1) おもりにはたらく重力の、運動方向(接線方向)の成分の大きさを書け。 (2) が十分小さいとき とみなせることを使い、復元力が と書けることを示せ。 (3) 周期 を求め、 のときの値を計算せよ。

θLmg
長さ L の単振り子。鉛直から θ 振れた状態(弧に沿った変位 x=Lθ)
問28 v=ω√(A²−x²) の導出 ★★★ 応用単振動のエネルギー導出

角振動数 、振幅 で単振動する質量 の物体(ばね定数 のばね振り子とみなす)について、エネルギー保存則を用いて、変位が のときの速さ

と表せることを導け。また、この式から速さが最大・最小になる位置を読み取れ。

問29 浮体の振動の文字式 ★★★ 応用浮力導出

断面積 の一様な柱状の物体(質量 )が、密度 の液体に鉛直に浮かんでつり合っている。これを少し押し沈めて放すと単振動する。(1) つり合いの位置から 沈めたときの合力(下向きを正)を書け。 (2) 周期 で表せ。 (3) として値を確かめよ。

問30 U字管内の液体の振動 ★★★ 応用単振動液体

断面積が一様な U 字管に、全長 の液体(密度 、断面積 )が入っている。片方の液面を少し押し下げて放すと、液体全体が管に沿って振動した。液面が中央(つり合い)から ずれたときの復元力を考えて、振動の周期を求めよ。重力加速度の大きさを とする。

液面全長 L=4.9 m の液体
U 字管の液体。片側を押し下げて放すと全体が振動する
問31 地球を貫くトンネル ★★★ 応用単振動万有引力

地球の中心を通るまっすぐなトンネルを掘り、物体を静かに落とす(摩擦・空気抵抗は無視する)。地球内部では、中心からの距離 の位置の物体にはたらく重力が (: 地球半径、: 地表の重力加速度)と表せることが知られている。(1) この物体の運動が単振動になる理由を述べ、周期 で表せ。 (2) として周期を分単位で求めよ。 (3) 反対側の地表に到達するまでの時間は何分か。

中心落とす反対側R
地球を貫くトンネル。内部の重力は中心からの距離に比例する
問32 弾丸の衝突とばね振動(融合) ★★★ 応用単振動運動量保存融合

なめらかな水平面上に、ばね定数 のばねの先に付けた質量 の木片が静止している(ばねは自然長)。質量 の弾丸が速さ で木片に撃ち込まれ、一体となってばねを押し縮めながら振動を始めた。(1) 一体となった直後の速さ (2) ばねの最大の縮み(=振幅) (3) 振動の周期 をそれぞれ求めよ。 とする。

0.30 kg8.0 m/s0.10 kgk=40 N/m
弾丸が木片に撃ち込まれ、一体でばね振動を始める
問33 振動する台の上の物体が滑り出すとき ★★★★ 難関単振動摩擦最大加速度

水平な台が、水平方向に振幅 、角振動数 の単振動をしている。その上に物体を置くと、はじめは台と一緒に振動した。重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体が台と一緒に振動しているとき、物体を振動させている力は何か。またその大きさの最大値を、物体の質量 を使って表せ。

(2) 物体が滑り出さないために必要な、物体と台のあいだの静止摩擦係数の最小値を求めよ。

(3) 振幅だけを2倍にすると、(2) の値はどうなるか。

(4) 振幅はそのままで振動数だけを2倍にすると、(2) の値はどうなるか。

物体振幅 A で左右に振動角振動数 ω
水平な台が左右に単振動している。その上に物体を置く
問34 途中から放したときの振幅と位相 ★★★★ 難関単振動初期条件エネルギー

なめらかな水平面上で、ばね定数 のばねの一端を壁に固定し、他端に質量 の物体をつないだ。

物体をつり合いの位置から だけ引き、そこで手を放すと同時に、さらに壁から遠ざかる向きに速さ を与えた。

(1) この振動の角振動数と周期を求めよ。

(2) 振幅を求めよ。

(3) 振動中の最大の速さと最大の加速度を求めよ。

(4) つり合いの位置を原点、遠ざかる向きを正として と書くとき、 を求めよ。

つり合いの位置x0 = 0.30 mv0 = 1.6 m/s
つり合いの位置から x0 だけ引き、手を放すと同時に外向きに v0 を与える
問35 エレベーターの中のばね振り子と単振り子 ★★★★ 難関単振動慣性力見かけの重力

エレベーターの天井から、ばね定数 のばねで質量 のおもりを吊るしたもの(ばね振り子)と、長さ の糸に小さなおもりを吊るしたもの(単振り子)を並べて置く。重力加速度の大きさを 、円周率を とする。

(1) エレベーターが静止しているとき、それぞれの周期を求めよ。

(2) エレベーターが上向きに一定の加速度 で動いているとき、それぞれの周期はどうなるか。

(3) エレベーターのロープが切れて自由落下したとき、それぞれの運動はどうなるか。

(4) ばね振り子の周期がエレベーターの加速度によらない理由を述べよ。

ばね振り子単振り子加速度 a
エレベーターの天井に、ばね振り子と単振り子を並べて吊るす
問36 振り子時計はどれだけ狂うか ★★★★ 難関単振り子周期相対誤差

周期 の振り子(長さ約 )を使った振り子時計がある。1日を 、地球の半径を とする。

周期が だけ長くなると、時計は1日あたり だけ遅れる。

(1) 気温が上がって振り子の棒が 伸びた。時計は1日にどれだけ遅れるか。

(2) この時計を高度 の山へ持っていくと、重力加速度は地表の何倍になるか。ただし高度 での重力加速度は、地表の値の 倍である。

(3) (2) の場所では1日にどれだけ遅れるか。

(4) 山の上で正しく動くようにするには、振り子の長さを何 mm 変えればよいか。

L ≈ 0.99 m調整ねじ周期 2.0 s
周期 2.0 s の振り子時計。おもりの下のねじで長さを微調整できる
問37 2つの振り子が再びそろうまで ★★★★ 難関単振り子周期位相

長さの違う2つの単振り子 P と Q がある。周期はそれぞれ である。重力加速度の大きさを 、円周率を とする。

いま、2つを同じ側へ同じ角だけ持ち上げ、同時に静かに放す。

(1) それぞれの糸の長さを求めよ。また長さの比を最も簡単な整数の比で答えよ。

(2) 放してから、2つが再び同時に「放したときとまったく同じ状態」になるのはいつか。

(3) そのあいだに、それぞれ何往復するか。

(4) もし2つの周期が だったら、(2) の時間はどれくらいになるか。

P(2.0 s)Q(1.6 s)同じ角だけ持ち上げて同時に放す
周期の違う2つの振り子を、同じ側へ同じ角だけ持ち上げて同時に放す
問38 垂直な2つの単振動を重ねると ★★★★ 難関単振動合成円運動

ある物体が、 方向と 方向に同時に単振動しているとする。振幅はどちらも 、角振動数はどちらも で、

と書ける。 は2つの振動の位相の差である。

(1) のとき、物体はどんな軌跡を描くか。

(2) のとき、軌跡を求めよ。またそのときの速さが一定であることを示し、その値を求めよ。

(3) のとき、軌跡はどうなるか。

(4) のままで、 方向の振幅だけを に変えると軌跡はどうなるか。

xyx 方向に単振動y 方向にも単振動
同じ物体が x 方向と y 方向に同時に単振動している。位相の差 δ によって軌跡が変わる
問39 ばねを切ると振動はどう変わるか ★★★★ 難関ばね定数直列と並列周期

ばね定数 の一様なつるまきばねがある。このばねに質量 のおもりをつけると、周期 の単振動をした。円周率を とする。

なお、一様なばねを引くとき、各部分が同じ力で引かれ、伸びは長さに比例して配分される。

(1) を求めよ。

(2) このばねをちょうど半分に切ると、それぞれのばね定数はいくらになるか。理由とともに答えよ。

(3) 半分に切ったばね1本に同じおもりをつけたときの周期は、 の何倍か。

(4) 元のばねを長さの比 に切った。それぞれのばね定数を求めよ。またその2本を直列につなぐと、ばね定数がもとに戻ることを確かめよ。

mk = 60 N/m
一様なばねにおもりをつけて振動させる。このばねを切ったらどうなるか
問40 振り子で重力加速度を測る — 何往復数えるか ★★★★ 難関単振り子測定相対誤差

長さ の単振り子を使って重力加速度 を測る。長さはものさしで の精度で測れ、時間はストップウォッチで測るが、押すタイミングのずれのため測定値には の誤差がつく。周期はおよそ である。円周率を とする。

なお、 で、いくつかの量の積や商で表される量の相対誤差は、各量の相対誤差を(指数の絶対値を掛けて)足し合わせたものになる。

(1) 1往復だけを測って周期とした場合、周期の相対誤差は何 % か。

(2) 10往復ぶんの時間を測って10で割った場合はどうか。

(3) (2) のとき、 の相対誤差は何 % か。長さの誤差も含めて答えよ。

(4) の相対誤差を 以内にするには、最低何往復ぶんを測ればよいか。

L = 0.99 m(±1 mm)±0.2 sストップウォッチ
単振り子の長さと振動の時間を測って g を求める。それぞれの測定に誤差がつく
問41 摩擦のあるばね振り子はどこで止まるか 最難関編単振動動摩擦エネルギー

あらい水平な床の上に質量 の物体を置き、ばね定数 の軽いばねの一端をつなぐ。ばねの他端は壁に固定されている。物体と床のあいだの静止摩擦係数と動摩擦係数は、どちらも とする。

ばねが自然長のときの物体の位置を原点 O とし、ばねが伸びる向きを正として位置 をとる。物体を まで引いて静かにはなす。重力加速度の大きさを とする。

mO0.42 m
あらい床の上のばね振り子。ばねが自然長のときの物体の位置を O とし、右向きを正とする。

(1) はなしてから最初に折り返すまでの運動は単振動である。その振動の中心の位置と、最初に折り返す位置を求めよ。

(2) 折り返しの位置は、半往復するごとにいくら中心に寄るか。また 1 往復に要する時間は、摩擦がないときと変わるか。

(3) 物体が最後に止まる位置と、止まるまでに折り返す回数を求めよ。

(4) 止まるまでに物体が動いた道のりの合計を求めよ。

問42 ばねの上の 2 物体はどこで離れるか 最難関編鉛直ばね振り子垂直抗力分離条件

軽いばね(ばね定数 )を鉛直に立て、その上に質量 の台を乗せる。さらにその上に質量 の小物体を乗せた。台と小物体は接しているだけで、たがいに固定されていない。

全体が静止した位置から台を鉛直下向きに だけ押し下げ、静かにはなす。以後、台と小物体は一体となって鉛直に単振動を始める。空気の抵抗とばねの質量は無視し、重力加速度の大きさを とする。

台 M小物体 mつり合いの位置押し下げた位置d
鉛直に立てたばねの上に台を乗せ、その上に小物体を乗せる。つり合いの位置から d だけ押し下げて静かにはなす。

(1) 静止しているとき、ばねは自然長から何 m 縮んでいるか。

(2) 小物体が台から離れるのは、台がどの位置にきたときか。理由をつけて答えよ。

(3) 小物体が台から離れるためには、押し下げる距離 は少なくともいくら必要か。

(4) とする。小物体が台から離れる瞬間の速さと、離れたあと小物体が離れた位置からさらに何 m 上がるかを求めよ。

問43 釘に引っかかる振り子 最難関編単振り子等時性張力

長さ の軽い糸の一端を点 P に固定し、他端に質量 の小球をつけた振り子がある。P の真下 の点 Q に細い釘が打ってあり、小球が最下点を通りすぎて糸が左側にくると、糸は釘に引っかかって、それより下の の部分だけで振れる。

糸はたるまず、伸び縮みもしないものとする。重力加速度の大きさを とする。

PQ(釘)m0.60 m0.20 m0.80 m
長さ 0.80 m の振り子。支点 P の真下 0.60 m に釘 Q があり、糸が左にくると釘から下の 0.20 m だけで振れる。

(1) 小球を右側に小さく振らせたときの、この振り子の周期を求めよ。 を用いた形と、小数第 2 位までの数値の両方で答えよ。

(2) 右側での角振幅を (十分小さい)とする。左側での角振幅 を求めよ。また左右の水平方向の振れ幅を比べよ。

(3) 小球が最下点を速さ で通過する。釘に引っかかる直前と直後で、糸の張力はそれぞれいくらか。

問44 谷の曲がり具合が周期を決める 最難関編単振動近似曲率半径

なめらかな谷の断面が、最下点を原点として ( の単位は m)で表される。この谷に質量 の小球を置き、最下点の近くで往復させる。小球は谷面から離れず、摩擦はないものとする。重力加速度の大きさを とする。

xyO小球2.0−2.00.4
なめらかな谷の断面 y=0.10x²(x, y の単位は m)。小球はこの面に沿って最下点のまわりを往復する。

(1) 最下点から水平に だけずれた位置で、小球にはたらく力のうち谷面に沿う向きの成分を求めよ。 が小さく、接線の傾きが に比べて小さいとしてよい。

(2) (1) の結果から、この運動が単振動であることを示し、周期を求めよ。周期は質量によるか。振幅によるか。

(3) この谷を、最下点で同じ曲がり方をする円(半径 )で置きかえる。 を求め、長さ の糸をもつ単振り子の周期と比べよ。

(4) 振幅が のとき、最下点を通る速さを求めよ。

問45 振動する物体はどこで時間を過ごすか 最難関編単振動時間平均エネルギー

質量 の物体が、角振動数 、振幅 の単振動をしている。時刻 での位置は と表される。

txO0.20−0.20T
位置の時間変化 x=A sin ωt。振幅は 0.20 m、周期は T=2π/ω。

(1) 周期と、振動の全エネルギーを求めよ。

(2) 1 周期のうち、物体が の範囲にいる時間は全体のどれだけか。分数で答えよ。

(3) 運動エネルギーの時間平均を求めよ。位置エネルギーの時間平均と比べよ。

(4) 速さの時間平均を求めよ。またそれは、最大の速さの何倍か。

問46 ばね自身の重さは周期をどう変えるか 最難関編単振動有効質量運動エネルギー

ばね定数 、自然長 、質量 の一様なばねの一端を壁に固定し、他端に質量 のおもりをつけて、なめらかな水平面上で振動させる。

ばねは全体が一様に伸び縮みし、固定端から距離 の点の速さは、おもりの速さの 倍であるとしてよい。

mばねの質量 ms
質量のあるばねにつないだおもり。ばね自身も動くことに注意する。

(1) おもりの速さが のとき、ばね自身がもつ運動エネルギーを で表せ。

(2) 系全体の運動エネルギーを の形に書いたときの (有効質量)を求め、この振動の周期を求めよ。

(3) ばねの質量を無視して周期を計算すると、正しい周期より何 小さい値になるか。

問47 振動する台に物体を乗せる — 中心か、端か 最難関編単振動運動量保存エネルギー

なめらかな水平面上で、ばね定数 のばねにつながれた質量 の台が、振幅 の単振動をしている。

この台の上に、質量 の物体を、水平方向の速度を与えずにそっと乗せる。台と物体のあいだの摩擦は十分に大きく、乗せた物体はごく短い時間で台の上ですべらなくなり、以後は台と一体になって運動するものとする。台と水平面のあいだの摩擦は無視する。

M中心で乗せる端で乗せる
振動する台の上に物体をそっと乗せる。中心を通る瞬間に乗せる場合と、端で止まった瞬間に乗せる場合を比べる。

(1) 物体を乗せる前の、台の周期・最大の速さ・振動の全エネルギーを求めよ。

(2) 台が振動の中心を通過する瞬間に物体を乗せた。乗せた直後の速さと、その後の周期・振幅・全エネルギーを求めよ。

(3) 台が振動の端で一瞬止まった瞬間に物体を乗せた。その後の周期・振幅・全エネルギー・最大の速さを求めよ。

(4) (2) と (3) で全エネルギーに差が出る理由を述べよ。

問48 気体をばねにする 最難関編単振動気体の法則断熱変化

断面積 の水平なシリンダーに、なめらかに動く質量 のピストンで気体を閉じこめる。シリンダーの外側は大気(圧力 )に開いている。

はじめ気体の圧力は 、体積は で、ピストンは静止している。ここでピストンを外向きに だけずらして静かにはなす。 は気柱の長さ に比べて十分小さいとする。

気体 P0, V0大気 P0xピストン m
水平なシリンダーに気体を閉じこめる。ピストンを外向きに x だけずらしてはなす。

(1) 気体の温度がつねに一定に保たれるとする。ピストンが だけずれたときの気体の圧力を求め、 が小さいときの近似を使って、ピストンにはたらく力が復元力になることを示せ。ばね定数にあたる量を で表せ。

(2) (1) のばね定数の値と、ピストンの振動の周期を求めよ。

(3) 実際には振動が速いと熱の出入りが間に合わず、断熱変化 (一定)とみなすほうが正しい。 として、このときのばね定数と周期を求めよ。

単振動の解説 — つまずきやすい点と学習の順序