物理 / 単振動
地球を貫くトンネル
問題
地球の中心を通るまっすぐなトンネルを掘り、物体を静かに落とす(摩擦・空気抵抗は無視する)。地球内部では、中心からの距離 の位置の物体にはたらく重力が (: 地球半径、: 地表の重力加速度)と表せることが知られている。(1) この物体の運動が単振動になる理由を述べ、周期 を で表せ。 (2) 、、 として周期を分単位で求めよ。 (3) 反対側の地表に到達するまでの時間は何分か。
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与えられた力の式は、まさに −(定数)×x の形をしている——単振動の認定に必要なものはもう揃っている。反対側の地表は、振動でいうとどの位置か(端から端まで、時間にして周期の何分の何か)。
解答・解説
方針
K=mg/R の復元力→T=2π√(m/K)=2π√(R/g)=5078 s≈85 分。反対側到達は T/2≈42 分。低軌道衛星の周期と同じ値になる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 SF のような設定だが、与えられた力 はそのまま復元力の形である。a01 の認定手続きに流し込むだけで解ける。
① 単振動の認定と周期。 ()の形だから、地表(端 )を振幅とする単振動である。
質量 は消える(等時性)。
② 数値。
③ 反対側まで。 出発点(端)から反対の端までは半周期:
まとめ は、地表すれすれを回る人工衛星の周期と同じ式である(円運動: から導ける)。トンネル落下は「衛星の円運動の影」そのもの——どこ行きのトンネルでも(中心を通らない弦のトンネルでも)片道約 42 分になることが知られている。復元力の形さえ与えられれば、地球規模の問題も b05 と同じ 3 行で解ける。
(1) の復元力なので単振動。 (2) 約 分( 秒) (3) 半周期の約 分
別解
衛星の影として理解するルート。 地表すれすれの円軌道の衛星は、向心加速度 で半径 を回る: より 。この円運動をトンネルの方向へ正射影すると、振幅 ・同じ の単振動になる——これがトンネル内の運動と一致する。
「単振動=等速円運動の影」(b02)を地球サイズで使う、最も鮮やかな実例である。周期が同じ 85 分になるのは偶然ではなく、同じ を共有しているからである。
ポイント
- F=−(mg/R)x は復元力そのもの
- T=2π√(R/g)≈85 分・片道 42 分
- 低軌道衛星と同じ周期(影の関係)
よくある間違い
- 反対側到達を 1 周期分とする
- √ の中の R/g を g/R とする
- 地球内部でも距離の 2 乗に反比例させる