物理 / 単振動
鉛直ばね振り子の中心の証明
問題
ばね定数 の軽いばねを天井からつるし、質量 のおもりを付ける。つり合いの位置でのばねの伸びを とし、つり合いの位置から下向きに だけ変位したときのおもりにはたらく合力を考える。(1) を で表せ。 (2) 変位 のときの合力(下向きを正)が となることを示せ。 (3) この結果から、振動の中心と周期について言えることを述べよ。
ヒントを見る
変位 X の位置でのばねの伸びは x₀+X。合力=重力−ばねの力 を書いたら、つり合いの式を代入してみる。何かがきれいに消えるはず——その消え方こそが、この問題で示すべき核心である。
解答・解説
方針
つり合い kx₀=mg を先に確保し、変位 X での合力 mg−k(x₀+X) に代入すると mg が相殺して −kX だけが残る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 b09 で使った「重力は中心をずらすだけで周期を変えない」を、今度は式で証明する。鍵は、合力の式につり合いの式を代入すると が丸ごと消えることである。
① つり合いの伸び。 つり合いでは ばねの力 =重力 :
② 変位 での合力。 このときばねの伸びは 。下向きを正として
ここで①より だから 。よって
③ 結論。 合力は「つり合いの位置からの変位 」に比例する復元力そのもの。したがって
- 振動の中心はつり合いの位置( で合力 0)
- で周期は水平ばねと同一 ——重力 は式に残らない
まとめ 一定の力(重力)は、振動の中心を平行移動させるだけで、復元力の「傾き 」を変えない——これが証明の中身である。斜面(s10)でも電場中の荷電粒子でも、一定力が加わるだけなら周期不変。この 3 行の計算は、単振動の応用問題すべての土台になる。
(1) (2) 合力 (3) 中心はつり合いの位置で、周期は水平ばねと同じ (重力は周期に影響しない)
別解
グラフ(力の直線)で見るルート。 力 を伸び のグラフにすると、ばねの力 に重力 を足した直線 になる。重力を足しても直線の傾き は不変で、ゼロ点(中心)が に平行移動するだけ。
周期は傾きだけで決まる()から不変——代数の相殺を、直線の平行移動として目で理解する見方である。
ポイント
- つり合いの式を代入すると mg が消える
- 合力=−kX(中心=つり合いの位置)
- 一定力は中心を平行移動、周期は不変
よくある間違い
- 伸びを X だけとして x₀ を忘れる
- 符号の基準(下向き正)を途中で変えて混乱する
- 周期に g が入ると考える