物理

— レンズ・鏡・光の干渉

光の反射・屈折と全反射、レンズの式と作図、鏡、光の分散・偏光、ヤングの実験、回折格子、薄膜干渉、くさび形干渉、ニュートンリングを扱います。

全 40 問(★基礎 12・★★標準 12・★★★応用 8・最難関編 8)

問1 屈折率と光の速さ・波長 ★ 基礎屈折率

真空中の光の速さを とする。屈折率 のガラスの中では、(1) 光の速さ (2) 真空中で波長 の光の波長 はそれぞれいくらになるか。

問2 光の屈折(スネルの法則) ★ 基礎屈折

光が空気中から水(屈折率 )へ、入射角 ()で入射した。屈折角 の正弦 を求めよ。

入射光θ₁空気(n=1)水(n=4/3)
空気から水へ入射する光。破線は法線
問3 全反射と臨界角 ★ 基礎全反射

屈折率 の媒質から空気へ光が出ていくとき、(1) 臨界角 を求めよ()。 (2) 入射角が臨界角より大きいとき、光はどうなるか。

問4 凸レンズの実像 ★ 基礎レンズ写像公式

焦点距離 の凸レンズの前方 に物体を置いた。(1) 像の位置 (2) 倍率 (3) 像の種類(実像か虚像か、正立か倒立か)を答えよ。

問5 凸レンズの虚像(虫めがね) ★ 基礎レンズ虚像

焦点距離 の凸レンズの前方 に物体を置いた。(1) 像の位置 (2) 倍率 (3) 像の種類 を答えよ。

問6 凹レンズの像 ★ 基礎レンズ凹レンズ

焦点距離 の凹レンズの前方 に物体を置いた。凹レンズでは焦点距離を として写像公式が使える。(1) 像の位置 (2) 倍率 (3) 像の種類 を答えよ。

問7 レンズの作図(3 本の光線) ★ 基礎レンズ作図

焦点距離 の凸レンズの前方 に物体を置いた。作図に使える 3 本の基本光線(平行光線・中心光線・焦点光線)を説明し、この配置の像を作図で求めよ。写像公式でも確かめよ。

問8 ヤングの実験(明線間隔) ★ 基礎干渉ヤングの実験

間隔 の 2 つのスリットに波長 の単色光を当て、 離れたスクリーンに干渉縞を作った。明線の間隔 を求めよ。

dスクリーン明線l=1.0 m(d≪l)単色光
2 つのスリットからの光が重なり、スクリーンに縞を作る
問9 回折格子 ★ 基礎回折格子

1 mm あたり 500 本の筋が刻まれた回折格子に、波長 の光を垂直に当てた。(1) 格子定数(筋の間隔) (2) 1 次の明線()の方向の を求めよ。

問10 薄膜干渉(シャボン玉の黒) ★ 基礎薄膜干渉

シャボン玉の膜(屈折率 )で反射する光の干渉を考える。膜の表面(空気→膜)での反射と、裏面(膜→空気)での反射のうち、位相が反転する(山谷が入れ替わる)のはどちらか。また、割れる直前のごく薄いシャボン膜が黒く見える理由を説明せよ。

問11 見かけの深さ ★ 基礎屈折見かけの深さ

水深 のプールの底を真上から見ると、底は実際より浅く見える。見かけの深さ を求めよ。水の屈折率を とする。

問12 光の分散と散乱 ★ 基礎分散散乱

(1) 白色光をプリズムに通すと虹色の帯(スペクトル)に分かれる。この現象の名前と、赤と紫のどちらが大きく曲げられるかを答えよ。 (2) 昼の空が青く、夕焼けが赤いのはなぜか。「散乱」という言葉を使って説明せよ。

問13 ガラス中の光の 3 点セット ★★ 標準屈折率

真空中で波長 の光がある。真空中の光速を とする。(1) この光の振動数 (2) 屈折率 のガラスに入ったときの波長 (3) ガラス中でも振動数が変わらないことを、ガラス中の速さと波長から確かめよ。

問14 光ファイバーの原理 ★★ 標準全反射光ファイバー

光ファイバーは、屈折率 の芯(コア)を屈折率 の被覆(クラッド)で包んだ構造をもつ。(1) コアとクラッドの境界での臨界角 の正弦 を求めよ。 (2) 光がファイバーの中を遠くまで伝わる仕組みを説明せよ。

クラッド n₂=1.2コア n₁=1.5(芯)
光ファイバーの構造。芯を屈折率の小さい層で包む
問15 物体を動かすと像はどう動くか ★★ 標準レンズ写像公式

焦点距離 の凸レンズで実像を作る。物体をレンズの前方 から まで遠ざけたとき、(1) 像の位置はどこからどこへ移るか (2) 倍率はどう変わるか を求め、「物体を遠ざけると像はどうなるか」を一般的に述べよ。

問16 レンズの半分を覆うと像はどうなるか ★★ 標準レンズ実像

凸レンズでスクリーンに実像を結ばせた状態で、レンズの上半分を不透明な紙で覆った。スクリーンの像はどうなるか。次から選び、理由を説明せよ。(ア) 像の上半分が消える (イ) 像の下半分が消える (ウ) 像は欠けずに全体が暗くなる

問17 ヤングの実験を水中で行うと ★★ 標準干渉ヤングの実験

空気中で明線間隔が のヤングの実験装置全体を、屈折率 の水の中に沈めた。明線間隔はいくらになるか。

問18 干渉縞から波長を測る ★★ 標準干渉ヤングの実験

ヤングの実験で、スリット間隔 、スリットからスクリーンまで のとき、明線の間隔が と測定された。この光の波長を求めよ。また、この実験がなぜ「波長の測定法」として優れているかを、測る量の大きさに注目して述べよ。

問19 回折格子の明線の本数 ★★ 標準回折格子

格子定数 の回折格子に波長 の光を垂直に当てる。(1) 明線は何次まで現れるか。 (2) スクリーン上に現れる明線は全部で何本か。

問20 反射防止膜 ★★ 標準薄膜干渉反射防止膜

屈折率 のガラスレンズの表面に、屈折率 の薄膜をコーティングして、波長 (空気中)の光の反射を防ぎたい。垂直入射のとき、(1) 膜の表面・裏面での反射で、位相が反転するのはどちらか。 (2) 反射光どうしが弱め合うための膜の厚さの条件を書き、最小の厚さを求めよ。

問21 くさび形空気層の干渉 ★★ 標準薄膜干渉くさび形

2 枚の平らなガラス板を重ね、一端に厚さ の薄い紙をはさんで、長さ のくさび形の空気層を作った。真上から波長 の光を当てると、等間隔の干渉縞が見えた。縞(暗線)の間隔を求めよ。

紙 DL=0.10 m空気層(くさび)
一端に紙をはさんだ 2 枚のガラス。空気層の厚さが場所で変わる
問22 ニュートンリング ★★ 標準薄膜干渉ニュートンリング

曲率半径 の平凸レンズを平面ガラスの上に置き、真上から波長 の光を当てると、接点を中心とする同心円状の縞(ニュートンリング)が見えた。中心から数えて 3 番目の暗環()の半径を求めよ。中心からの距離 での空気層の厚さは としてよい。

接点平凸レンズ(R=5.0 m)
レンズと平面ガラスの間の薄い空気層が干渉を起こす
問23 全身を映す鏡の長さ ★★ 標準反射平面鏡

身長 の人が、壁の平面鏡で自分の全身を見たい。(1) 必要な鏡の縦の長さの最小値を求めよ。 (2) その答えは、人と鏡の距離によって変わるか。反射の法則を使って説明せよ。

つま先最小の長さ=?
全身を映すのに必要な鏡の縦の長さは?
問24 凹面鏡の実像 ★★ 標準凹面鏡写像公式

焦点距離 の凹面鏡の前方 に物体を置いた。凹面鏡でもレンズと同じ写像公式 が使える( は鏡の前方の実像)。(1) 像の位置 (2) 倍率 (3) 像の種類 を答えよ。

問25 ヤングの実験の公式の導出 ★★★ 応用干渉ヤングの実験導出

間隔 の 2 スリット から距離 のスクリーン上、中央 O から の点 P での干渉を考える()。(1) 経路差 が近似的に と書ける理由を、図を使って説明せよ。 (2) 明線の位置 と明線間隔 を求めよ。

S₁S₂POl(d, x ≪ l)x
2 スリットからスクリーン上の点 P への 2 つの経路
問26 スリットの前にガラス板を入れる ★★★ 応用干渉光路長

ヤングの実験装置の片方のスリット の直前に、厚さ 、屈折率 の薄いガラス板を差し込んだ。光の波長は である。(1) ガラス板を通ることで、 側の光路長はいくら増えるか。 (2) 干渉縞は何本分移動するか。また、どちら側(ガラスを入れた側か反対側か)へ動くか。

問27 回折格子と白色光(スペクトルの重なり) ★★★ 応用回折格子分散

格子定数 の回折格子に白色光(波長 の紫〜 の赤)を垂直に当てた。(1) 1 次のスペクトルで、紫と赤の をそれぞれ求めよ。スペクトルの内側(中央寄り)はどちらの色か。 (2) 2 次の赤()と 3 次の紫()を計算し、2 次と 3 次のスペクトルが重なることを示せ。

問28 くさび形空気層に液体を満たす ★★★ 応用薄膜干渉くさび形

くさび形空気層の干渉縞の間隔が であった。このすき間を屈折率 の水で満たすと、縞の間隔はいくらになるか。また、明暗の条件(位相反転の数)は変わるか。ガラスの屈折率は とする。

問29 ニュートンリングの式の導出 ★★★ 応用ニュートンリング導出近似

曲率半径 の平凸レンズを平面ガラスに置いたとき、接点から距離 の位置の空気層の厚さ について、(1) 三平方の定理から が成り立つことを示せ。 (2) を用いて と近似できることを示し、暗環の半径が となることを導け。

C(球面の中心)RRrd
球面の中心 C を頂点とする直角三角形に三平方を使う
問30 2 枚のレンズの組み合わせ ★★★ 応用レンズ組み合わせ

焦点距離 の凸レンズ の前方 に物体を置き、 の後方 に焦点距離 の凸レンズ を置いた。(1) が作る像の位置 (2) 最終的な像の位置と全体の倍率 (3) 最終像の向き を求めよ。

問31 見かけの深さの式の導出 ★★★ 応用屈折見かけの深さ導出

深さ の水底の点 P を、水面のほぼ真上から見る。P から出てほぼ鉛直に進む光が水面で屈折して目に届くとき、目にはP が深さ にあるように見える。屈折角・入射角が小さいときの近似 を使って、(: 水の屈折率)を導け。

水面P(深さ h)目へx見かけの P(h')
共通の水平距離 x をもつ 2 つの直角三角形を比べる
問32 水中の光源から見える明るい円 ★★★ 応用全反射融合

屈折率 の液体の、深さ の底に点光源がある。液面を上から見ると、光源の真上を中心とする明るい円が見え、その外側は暗い。(1) 液面から光が外へ出られる限界の角(臨界角)の を求めよ。 (2) 明るい円の半径を求めよ。 (3) 円の外側が暗い理由を述べよ。

液面光源(深さ 3.0 m)n=1.25
光源から液面へ。離れた点ほど入射角が大きい
問33 ロイドの鏡 — 明暗が入れかわる干渉 最難関編干渉反射の位相ヤングの実験

水平な平面鏡の面から だけ上に、波長 の単色光を出す細い光源 S を置く。鏡から 離れた位置に、鏡面に垂直なスクリーンを立てる。

スクリーンには、S から直接届く光と、鏡で反射して届く光が重なって干渉縞ができる。屈折率の大きい媒質(鏡)で反射するとき、光の位相は だけ変わる。

平面鏡Sスクリーンh
鏡面のすぐ上に置いた光源。直接届く光と、鏡で反射して届く光がスクリーンで重なる。

(1) 反射光は、鏡について S と対称な位置にある点 S′ から出た光と同じとみなせる。S と S′ の間隔を求めよ。

(2) 縞の間隔を求めよ。

(3) スクリーン上で、鏡面をそのまま延長した位置(S′ と S の中点の高さ)は明線になるか暗線になるか。理由とともに答えよ。

(4) その位置から数えて 本目の明線は、鏡面の延長からどれだけ離れた位置にできるか。

問34 マイケルソン干渉計で長さを測る 最難関編干渉光路長精密測定

光源からの光を半透明の鏡(ハーフミラー)で つに分け、それぞれを鏡 で反射させてもとの位置に戻し、重ね合わせて干渉させる装置をマイケルソン干渉計という。

をゆっくり動かすと、視野の中の縞が次々に移動していく。 動かしたところ、縞が 本ぶん移動した。

光源ハーフミラーM1M2検出(干渉縞)x
光を 2 つに分け、それぞれ鏡で反射させて重ね合わせる。M1 を動かすと縞が移動する。

(1) 鏡を だけ動かすと、 つの光の光路差はいくら変わるか。

(2) 光の波長を求めよ。

(3) 縞 本ぶんの移動は、鏡の移動距離でいうといくらか。この装置で測れる長さの目安を述べよ。

(4) 一方の腕に、厚さ 、屈折率 の薄いガラス板を差しこむと、縞は何本ぶん移動するか。

問35 レンズを動かして焦点距離を測る 最難関編レンズ写像公式対称性

物体とスクリーンを 離して固定し、そのあいだで凸レンズを前後に動かす。すると、レンズの つの位置ではっきりした像が結ばれた。

レンズの焦点距離を 、物体からレンズまでの距離を 、レンズからスクリーンまでの距離を とする()。

物体レンズスクリーンL = 0.90 m動かす
物体とスクリーンの距離を固定し、そのあいだでレンズを動かす。

(1) が満たす 次方程式を作り、 のときの つの位置を求めよ。

(2) つの位置の間隔 を求めよ。また で表せ。

(3) つの位置での像の倍率をそれぞれ求め、その積がいくらになるかを述べよ。

(4) 像が結ばれるためには にどんな関係が必要か。

問36 虹はなぜ決まった角度に見えるか 最難関編屈折全反射最小値

球形の水滴に太陽光が入射し、水滴の内側で 回反射してから出ていく。入射角を 、屈折角を とすると、光が向きを変える角(偏角)は

で与えられる。水の屈折率を とする。

太陽光は水滴のいろいろな場所に当たるので、 はさまざまな値をとる。虹が特定の方向に明るく見えるのは、 が最小になる付近に光が集中するからである。

太陽光出ていく光i水滴
球形の水滴に入った光は、屈折して内側で 1 回反射し、もう一度屈折して出ていく。

(1) の両辺を で微分して、 で表せ。

(2) が最小になる条件から、 を導け。

(3) のときの入射角と、そのときの偏角 を求めよ。 を用いよ。

(4) 太陽を背にして立ったとき、虹は太陽と反対の方向から何度の角度に見えるか。また紫の光は屈折率が少し大きい()。赤と紫では、どちらが虹の外側に見えるか。

問37 回折格子に斜めから当てる 最難関編回折格子行路差次数

あたり 本の筋が刻まれた回折格子に、波長 の単色光を当てる。

はじめは格子面に垂直に当て、次に、格子面の法線から 傾けて当てる。回折光の向きは法線から の角とする( は法線をはさんで反対側にとる)。

回折格子法線αθ
格子の法線から α 傾けて光を当て、反対側の θ の向きに出る回折光を観測する。

(1) 格子定数 を求めよ。

(2) 垂直に当てたとき、観測できる明線は何本か(中央を含む)。

(3) 斜めに当てたとき、強め合う条件が となることを、隣り合うすき間を通る光の行路差から説明せよ。

(4) のとき、観測できる最大の次数と、そのときの回折角を求めよ。 とする。

問38 光は最短時間の道を選ぶ 最難関編屈折の法則フェルマーの原理最小値

屈折率 の媒質中の点 A から、屈折率 の媒質中の点 B へ光が進む。境界は平面で、A は境界から 、B は境界から の距離にあり、A と B の境界に沿った距離は である。

境界上の点 P を通る経路を考え、A から境界に沿って測った P の位置を とする。真空中の光の速さを とすると、媒質中の速さは である。

ABPabxn2 の媒質n1 の媒質
境界上の点 P を通る経路。P の位置 x を変えると、かかる時間が変わる。

(1) A から B まで進むのに要する時間 を、 で表せ。

(2) が最小になる条件から、屈折の法則 を導け( は入射角、 は屈折角)。

(3) 空気()から水()へ、 で入射するときの を求めよ。

(4) 空気の屈折率が地面に近いほど小さい(暑い日の路面付近)とき、光の道すじがどうなるかを、この原理から説明せよ。

問39 虫めがねで太陽の像をつくる 最難関編レンズ視角集光

焦点距離 、直径 の凸レンズを太陽に向け、焦点の位置に紙を置く。

太陽は非常に遠いので、太陽から来る光は平行光線とみなせる。ただし太陽には大きさがあり、地上から見た太陽の視角(見かけの直径)は である。

地表で太陽光が運ぶエネルギーは、光に垂直な面 につき毎秒 とする。

レンズ(直径 D)f
太陽からの光を凸レンズで集め、焦点の位置に置いた紙に像をつくる。

(1) 焦点の位置にできる太陽の像の直径を求めよ。

(2) その像の直径は、レンズの直径を大きくすると変わるか。理由とともに答えよ。

(3) 像の位置での光の強さ(単位面積あたりの毎秒のエネルギー)は、もとの太陽光の何倍か。

(4) 焦点距離が 倍のレンズに変えると、像の大きさと光の強さはそれぞれどうなるか。

問40 厚いガラス板を通すと像がずれる 最難関編屈折幾何平行平面板

厚さ 、屈折率 の平行平面ガラス板に、光線を入射角 で当てる。

を用いよ。

n = 1.5入射it
平行平面ガラス板に斜めに入射した光線。上面と下面で 1 回ずつ屈折する。

(1) ガラス中の屈折角を求めよ。

(2) ガラス板を出た光線が、入射光線と平行になることを示せ。

(3) 出ていく光線は、入射光線の延長からどれだけ横にずれるか。ずれの大きさ で表し、値を求めよ。

(4) 入射角が小さいとき、 と近似できることを示せ( はラジアン)。

光の解説 — つまずきやすい点と学習の順序