物理 / 光
ニュートンリングの式の導出
問題
曲率半径 の平凸レンズを平面ガラスに置いたとき、接点から距離 の位置の空気層の厚さ について、(1) 三平方の定理から が成り立つことを示せ。 (2) を用いて と近似できることを示し、暗環の半径が となることを導け。
ヒントを見る
レンズの球面の中心から、厚さ d の場所までの直角三角形を描く——斜辺は R、縦は R−d、横は r。展開して出てくる 2 つの項の大きさを、実際の数値(d は μm、R は m)で比べてみよう。
解答・解説
方針
球面の中心・接点・観測点の直角三角形で三平方。d²≪2Rd の比較で近似の正当性を数値でも確認。2d=mλ と合流。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 標準問題で天下りに使った を、三平方と「小さい量の 2 乗は捨てる」近似で自力で作る。近似は「使ってよい理由」まで言えて初めて道具になる。
① 三平方の定理。 レンズ球面の中心 C から見ると、接点方向に 、観測点の真上の球面までが斜辺 、縦 、横 の直角三角形ができる:
② 近似と暗環の式。 は 級、 は m 級だから —— の項は 1000 万分の 1 の補正にすぎない。捨てて
暗環条件 に代入:
まとめ この導出の型——三平方→微小量の 2 乗を捨てる——は物理の随所に現れる(単振り子の円弧、球面鏡の近軸近似、遠方の星の視差)。「近似の誤差がどのくらい小さいか」を数値で見積もる習慣()が、近似を「ずる」でなく「制御された道具」に変える。
(1) 球の中心から: を展開 (2) を に比べて無視。暗環条件 に代入して
別解
逆に r から d を実感するルート。 、 なら ——空気層は約 1 m、髪の毛の 1/100 である。mm の環を測って μm の厚さを知る——ここでも干渉のてこ(1000 倍の拡大)が働いている。
捨てた 項の大きさは 対 ——確かに 7 桁小さい ✓。
ポイント
- 三平方 R²=(R−d)²+r²
- d²/2Rd〜10⁻⁷ だから捨てる
- 2d=mλ と合流して r=√(mλR)
よくある間違い
- 直角三角形の辺の取り方を誤る
- d を残したまま 2 次方程式を解こうとする
- 近似の正当化を書かない