物理 / 光

回折格子と白色光(スペクトルの重なり)

★★★ 応用回折格子分散

問題

格子定数 の回折格子に白色光(波長 の紫〜 の赤)を垂直に当てた。(1) 1 次のスペクトルで、紫と赤の をそれぞれ求めよ。スペクトルの内側(中央寄り)はどちらの色か。 (2) 2 次の赤()と 3 次の紫()を計算し、2 次と 3 次のスペクトルが重なることを示せ。

ヒントを見る

プリズムと逆で、回折格子では波長の長い赤ほど大きく曲がる(sinθ∝λ)。次数が上がるとスペクトルの幅も広がる。2 次の「終わり(赤)」と 3 次の「始まり(紫)」の位置関係を、数値で比べる。

解答・解説

方針

sinθ=mλ/d を色ごとに計算。1 次: 紫0.20/赤0.35。2 次赤 0.70 > 3 次紫 0.60 → 区間 [0.60,0.70] で 2 次と 3 次が混在。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 回折格子では なので、波長に比例して曲がる(プリズムの分散と逆で、赤が外側)。白色光では各次数が「虹の帯」になり、次数が上がるほど帯は広がる。帯どうしの重なりが起こるかを、数値で確かめる。

① 1 次のスペクトル。

内側(中央寄り)は紫である(プリズムと逆順)。

② 2 次と 3 次の重なり。

次の紫()は 次の赤()より内側にある。つまり が の範囲では、2 次の橙〜赤と 3 次の紫〜青が同じ場所に重なって見える。

sinθO1次(紫→赤)2次3次(0.60 から)重なり0.200.600.70
各次数のスペクトルの帯。0.60〜0.70 で 2 次と 3 次が重なる

まとめ高次のスペクトルは重なる。分光測定で高次を使うときは、フィルターで波長域を絞って重なりを除く必要がある。プリズム(紫が大きく曲がる・重ならない)と回折格子(赤が大きく曲がる・高次は重なる)の対比は、論述・正誤問題でよく出る。

答

(1) 紫 、赤 。内側は紫 (2) 2 次の赤 、3 次の紫 。3 次の紫の方が内側に来るので、2 次の外側(赤側)と 3 次の内側(紫側)が重なる

別解

重なりの条件を文字で一般化するルート。 次の赤と 次の紫が重なる条件は 。数値を入れると より となり、 で必ず重なる(1 次と 2 次は が不成立で重ならない)。

数値実験を 1 つの不等式にまとめると、「どの次数から重なるか」まで一般に答えられる。

ポイント

  • sinθ∝λ(赤が外・プリズムと逆)
  • 帯の幅は次数に比例して広がる
  • m≥2 で隣の次数と重なる

よくある間違い

  • 紫が外側とする(プリズムと混同)
  • 重なりを次数の食い違いと気づかない
  • sinθ>1 の次数まで比較する