物理 / 光
全身を映す鏡の長さ
問題
身長 の人が、壁の平面鏡で自分の全身を見たい。(1) 必要な鏡の縦の長さの最小値を求めよ。 (2) その答えは、人と鏡の距離によって変わるか。反射の法則を使って説明せよ。
ヒントを見る
鏡の向こうの「自分の像」は、鏡について対称の位置にいる。目から像のつま先へ直線を引くと、鏡の面を横切る高さはどこか——相似(中点)に気づけば、距離が消える理由まで見える。
解答・解説
方針
鏡の中の像は等距離の対称位置。目→像のつま先を結ぶ光線が鏡を横切る高さ=目とつま先の中点。頭側も同様に中点。必要範囲=身長の半分。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 鏡の問題は「鏡の中の像(対称の位置)へ直線を引く」と一気に見通せる。目に届く光は、実物→鏡→目だが、作図では像→目の直線が鏡を横切る点がそのまま反射点になる。
① 必要な鏡の範囲。 像は鏡の向こう側、同じ距離の位置に立つ。
- つま先を見る光: 目(高さ )と像のつま先(高さ 0)を結ぶ直線が鏡を横切るのは、ちょうど中点の高さ
- 頭頂(高さ )を見る光: 同様に目と頭頂の中間の高さ
鏡に必要なのはこの 2 点の間だけ——その長さは
② 距離によるか。 変わらない。像までの距離は常に「自分までの距離の 2 倍」で、中点の高さという比の関係は距離に無関係だからである(相似の縮尺が変わるだけで、鏡面上の高さは同じ)。
まとめ 「全身鏡は身長の半分でよく、離れても近づいても変わらない」——直感(離れれば小さい鏡で足りそう)を裏切る名作である。「像への直線で考える」という平面鏡の作図技は、複数の鏡・鏡越しの視野の問題すべてで主役になる。
(1) 身長の半分の (2) 変わらない。つま先からの光は「つま先と目の中点の高さ」で反射して目に届く——中点の位置は距離によらないから
別解
反射の法則で直接考えるルート。 つま先から出て目に入る光は、鏡で入射角=反射角で折り返す。つま先(高さ 0)から目(高さ )へ届くには、等角の折れ線の対称性から、反射点はちょうど中間の高さ でなければならない。
像を使う方法と反射の法則で直接折る方法——同じ答えに 2 方向から到達する。像の方法は「等角」を自動処理してくれる分だけ速い、と比較して理解しておく。
ポイント
- 像への直線で反射点が決まる
- 反射点は中点の高さ→半分で足りる
- 距離によらない(比の関係)
よくある間違い
- 身長と同じ長さが必要とする
- 離れれば小さい鏡で足りるとする
- 鏡の設置高さ(下端=つま先と目の中点)を考えない