物理 / 光
光ファイバーの原理
問題
光ファイバーは、屈折率 の芯(コア)を屈折率 の被覆(クラッド)で包んだ構造をもつ。(1) コアとクラッドの境界での臨界角 の正弦 を求めよ。 (2) 光がファイバーの中を遠くまで伝わる仕組みを説明せよ。
ヒントを見る
臨界角の式を「対空気」の 1/n で覚えていると詰まる——スネルの法則に戻って、屈折角 90° を代入し直そう。相手が空気でなく屈折率 n₂ の媒質になるだけである。
解答・解説
方針
媒質間の臨界角は sinθc=n2/n1=1.2/1.5=0.80。全反射の繰り返しで光を閉じ込める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 臨界角は暗記の ではなく、スネルの法則+屈折角 90° から毎回作る。相手が空気()でなくクラッド()になっても、同じ手続きで出せる。
① 臨界角。 より
② 仕組み。 芯の中を進む光のうち、境界への入射角が を超えるものは全反射する——屈折で漏れ出す光がなく、反射のたびのエネルギー損失がゼロである。光はジグザグに全反射を繰り返しながら、芯の中に閉じ込められたまま何 km でも進む。
まとめ 通常の鏡は反射のたびに数 % 吸収するが、全反射は原理的に 100 %——これが光ファイバーが海底ケーブルとして地球を横断できる理由である。クラッドで包む(裸の芯にしない)のは、表面の傷や接触で全反射の条件が壊れるのを防ぐため—— の存在にも設計の意味がある。
(1) より (2) 境界に臨界角より大きい角で当たる光が全反射を繰り返し、エネルギーを失わずに芯の中を進む
別解
なぜ入口から入れた光が条件を満たすかを見るルート(発展)。 ファイバーの端面から入る光は、屈折して軸寄りに曲がってから境界に当たる。端面への入射が多少斜めでも、境界への入射角は 90° 近い浅い角になりやすい——入口の屈折が「全反射しやすい角度」へ整えてくれる構造である。
どこまで斜めの入射まで許されるか(開口数)は光ファイバー設計の中心量で、この問題の から計算できる——大学の光学・通信工学への入口である。
ポイント
- 媒質間の臨界角 sinθc=n2/n1
- 全反射は損失ゼロの反射
- クラッドは条件を守る鎧
よくある間違い
- sinθc=1/n1 とする
- n1/n2(>1)として解なしにする
- 全反射でも少し漏れると考える