光の解説
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日
光は、屈折と全反射、レンズと鏡による像、そして光の干渉(ヤングの実験・回折格子・薄膜・くさび・ニュートンリング)を扱う単元です。前半は幾何光学(光を直線として扱う)、後半は波動光学(光を波として扱う)で、考え方が切り替わります。この記事では、それぞれの要点と、干渉の問題で必ず確認すべき「位相の反転」の数え方を説明します。
屈折率は「速さと波長を割る数」
屈折率 の媒質中では、光の速さは 、波長は になり、振動数は変わりません(色は変わらない、ということです)。屈折率と光の速さ・波長と標準のガラス中の光の3点セットで、この3つの関係を確認してください。
スネルの法則は の形で覚えると、何層あっても が一定、と使えます。屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進むとき、屈折角が になる入射角が臨界角で、それを超えると全反射します。光の屈折、全反射と臨界角、標準の光ファイバーの原理で、 の使い方を固めてください。見かけの深さが になること(見かけの深さ、応用の式の導出)も、屈折の法則の帰結です。
レンズは「写像公式と倍率の符号運用」
レンズの公式 と倍率 で、像の位置と大きさが決まります。 なら実像(倒立)、 なら虚像(正立)、凹レンズは です。この符号の運用ができれば、凸・凹・実像・虚像を1本の式で扱えます。凸レンズの実像、虚像(虫めがね)、凹レンズの像、3本の光線の作図で、公式と作図の両方を確認してください。
物体を動かしたときに像がどう動くか(標準の同名の問題)、レンズの半分を覆うと像はどうなるか(標準の同名の問題。欠けずに暗くなります)、2枚のレンズ(応用の同名の問題。1枚目の像が2枚目の物体になります)、凹面鏡(標準の同名の問題。)と、設定を広げていきます。
干渉は「経路差」と「反転の数」
ヤングの実験では、2つのスリットからの経路差が で、これが波長の整数倍のところが明線です。明線の間隔は で、ヤングの実験と応用の公式の導出で、遠方近似と小角近似の2つの近似を追ってください。水中で行うと間隔が になり(標準の同名の問題)、スリットの前にガラス板を入れると縞が移動します(応用の同名の問題。光路長 の差が原因です)。
回折格子は で、明線が鋭くなります。 から次数の上限が決まり、明線の本数が数えられます(回折格子、標準の明線の本数)。
薄膜・くさび・ニュートンリングでは、「反射のときに位相が反転する回数」を数えることが手順の要です。屈折率の小さい媒質から大きい媒質へ向かう境界での反射は、固定端反射と同じで位相が反転します。2つの反射光で反転の回数の差が奇数なら、条件が「明暗入れ替わり」になります。シャボン玉の膜が薄いところが黒く見えるのは、反転が1回だけで逆位相になるからです。薄膜干渉(シャボン玉の黒)、標準の反射防止膜、くさび形空気層、ニュートンリング、応用のくさびに液体を満たす、ニュートンリングの式の導出の順に進み、毎回「反転は何回か」を最初に書く儀式を身につけてください。
つまずきやすいところ
最も多い失点は、レンズの符号です。虚像の は負、凹レンズの は負、と決めて公式に入れれば、場合分けは要りません。「像が虚像かどうか」を絵から判断しようとして混乱する人が多いので、まず公式に入れて符号で判定してください。
干渉では、上の「反転の数」を飛ばして経路差だけで条件を書く誤りが多いです。薄膜では光路差 が波長の整数倍なら「反転の差が偶数のとき明線、奇数のとき暗線」というふうに、反転の数によって条件が入れ替わります。
学習の順序と次の単元へ
基礎12問で屈折率、スネル、全反射、レンズ、作図、ヤング、回折格子、薄膜、見かけの深さ、分散と散乱を確認し、標準12問で光ファイバー、像の移動、レンズを覆う、水中のヤング、波長の測定、明線の本数、反射防止膜、くさび、ニュートンリング、全身鏡、凹面鏡を扱い、応用8問でヤングの導出、ガラス板の挿入、白色光の回折、液体を満たしたくさび、ニュートンリングの導出、2枚のレンズ、見かけの深さの導出、水中の光源の明円へ進みます。
最難関編には、ロイドの鏡、マイケルソン干渉計、ベッセル法、虹の角度、斜め入射の回折格子、フェルマーの原理、虫めがねで太陽の像、平行平面ガラスの横ずれなど、光学の名作を集めました。「原子」の単元では、光を「波」として扱ってきたこの単元の見方が、光電効果によって「粒」の見方と対比されます。