物理

電場と電位 — クーロンの法則・電位・コンデンサー

クーロンの法則、電場と電気力線、電位と電位差、ガウスの法則の考え方、コンデンサーの容量・接続・エネルギー、誘電体を扱います。

全 40 問(★基礎 12・★★標準 12・★★★応用 8・最難関編 8)

問1 クーロンの法則 ★ 基礎クーロンの法則

の正の点電荷が 2 つ、 離れて置かれている。電荷間にはたらく静電気力の大きさと向きを求めよ。クーロンの法則の比例定数を とする。

問2 電場の定義 E=F/q ★ 基礎電場

ある点に の正の電荷を置いたところ、右向きに の静電気力を受けた。(1) この点の電場の大きさと向きを求めよ。 (2) 同じ点に の負電荷を置くと、受ける力の大きさと向きはどうなるか。

問3 点電荷のまわりの電場 ★ 基礎電場点電荷

の正の点電荷から 離れた点の電場の大きさと向きを求めよ。 とする。

問4 電気力線の性質 ★ 基礎電気力線

電気力線について、次の各文の正誤を判定し、誤りは訂正せよ。(ア) 電気力線は負電荷から出て正電荷に入る。 (イ) 2 本の電気力線が交わることがある。 (ウ) 電気力線が密なところほど電場が強い。 (エ) 電気力線の接線の向きが、その点の電場の向きを表す。

問5 一様な電場と電位差 V=Ed ★ 基礎電位一様電場

間隔 の平行な 2 枚の金属板の間に、強さ の一様な電場がある。2 枚の板の間の電位差を求めよ。

問6 点電荷のまわりの電位 ★ 基礎電位点電荷

の正の点電荷から 離れた点の電位を求めよ(無限遠を基準とする)。 とする。

問7 電場がする仕事 W=qV ★ 基礎電位仕事

の正電荷を、電位 の点から電位 の点まで動かした。この間に静電気力(電場)がした仕事を求めよ。

問8 電子の加速(eV とエネルギー) ★ 基礎電位エネルギー保存電子

静止していた電子(電荷の大きさ 、質量 )を、 の電位差で加速した。(1) 電子が得る運動エネルギー (2) 加速後の速さ を求めよ。 とする。

問9 コンデンサーの基本式 Q=CV ★ 基礎コンデンサー

電気容量 のコンデンサーを の電池で充電した。(1) 蓄えられる電気量を求めよ。 (2) 電気容量とは何を表す量か、「1 V あたり」という言葉を使って説明せよ。

問10 平行板コンデンサーの容量 ★ 基礎コンデンサー平行板

面積 の金属板 2 枚を間隔 で向かい合わせた平行板コンデンサーの電気容量を求めよ。真空の誘電率を とする。また、間隔を半分にすると容量はどうなるか。

面積 S=1.0×10⁻² m²d
平行板コンデンサー。容量は S に比例し d に反比例
問11 コンデンサーのエネルギー ★ 基礎コンデンサーエネルギー

電気容量 のコンデンサーを で充電した。蓄えられている静電エネルギーを、(1) で (2) で、それぞれ計算して一致を確かめよ。

問12 静電誘導と箔検電器 ★ 基礎静電誘導

帯電していない箔検電器の金属板に、負に帯電した棒を(触れずに)近づけると、箔が開いた。(1) このとき金属板と箔には、それぞれどんな符号の電荷が現れているか。 (2) この現象(静電誘導)を、金属中の自由電子の動きで説明せよ。

負の棒箔が開く
負の棒を近づけると(触れずに)箔が開く
問13 電場が 0 になる点 ★★ 標準電場重ね合わせ

軸上の原点に の点に の正の点電荷を置いた。2 つの電荷の間で、電場が 0 になる点の位置を求めよ。

Q₁=4.0 μCQ₂=1.0 μC0.30 mE=0 の点はどこか
同符号の 2 電荷。電場が打ち消し合う点を探す
問14 電場の重ね合わせ(±Q の中点) ★★ 標準電場重ね合わせ

の点電荷が 離れて置かれている。両電荷を結ぶ線分の中点での電場の大きさと向きを求めよ。 とする。

問15 電位の重ね合わせ(±Q の中点) ★★ 標準電位重ね合わせ

前問と同じ配置(、間隔 )で、中点の電位を求めよ。また「電場は 0 でないのに電位が 0」という状況の意味を、坂の絵で説明せよ。

問16 電位差による加速(エネルギー保存) ★★ 標準電位エネルギー保存

質量 、電荷 の小球を、電位 の点に静かに置いたところ、電場から力を受けて動き出した。電位 の点を通過するときの速さを求めよ(重力は無視する)。

問17 等電位線の読み取り ★★ 標準等電位面電位

図は、ある電場の等電位線(5 V ごと)である。(1) 点 A(20 V)から点 B(5 V)まで の正電荷を運ぶとき、電場がする仕事を求めよ。 (2) 電場の向きは等電位線とどんな関係にあるか。また A と B のどちらの付近が電場が強いか。

20V15V10V5VAB
等電位線(5 V ごと)。A 付近は密、B 付近は疎
問18 コンデンサーの並列接続 ★★ 標準コンデンサー接続

のコンデンサーを並列につなぎ、 の電池に接続した。(1) 合成容量 (2) それぞれに蓄えられる電気量 を求めよ。

100 VC₁C₂
並列接続。両端が同じ 2 点につながり、電圧が共通になる
問19 コンデンサーの直列接続 ★★ 標準コンデンサー接続

のコンデンサーを直列につなぎ、 の電池に接続した(はじめ電荷はない)。(1) 合成容量 (2) 各コンデンサーの電気量と電圧 を求めよ。

100 VC₁C₂島(電荷の和 0)
直列接続。挟まれた「島」の電荷保存から Q 共通が出る
問20 誘電体を入れる(電池つなぎのまま) ★★ 標準コンデンサー誘電体

電気容量 の平行板コンデンサーを の電池につないだまま、極板間を比誘電率 の誘電体で満たした。(1) 電気容量 (2) 電気量 (3) 静電エネルギー は、それぞれ元の何倍になるか。

問21 極板間隔を広げる(電池を切って) ★★ 標準コンデンサー極板操作

電気容量 のコンデンサーを で充電した後、電池から切り離して極板の間隔を 2 倍に広げた。(1) 電気量 (2) 電気容量 (3) 極板間の電圧 (4) 静電エネルギー はそれぞれどうなるか。

問22 極板間隔を広げる(電池につないだまま) ★★ 標準コンデンサー極板操作

前問と同じコンデンサー()を、今度は電池につないだまま極板の間隔を 2 倍に広げた。(1) 電圧 (2) 電気容量 (3) 電気量 (4) 静電エネルギー はそれぞれどうなるか。前問と比べて何が逆になるか。

問23 充電で電池がする仕事と発生する熱 ★★ 標準コンデンサーエネルギー

起電力 の電池で、 のコンデンサー(はじめ電荷 0)を抵抗を通して充電した。(1) 電池がした仕事 (2) コンデンサーに蓄えられたエネルギー (3) 抵抗で発生した熱 を求めよ。

問24 V-x グラフから電場を読む ★★ 標準電位一様電場

図は、一様な電場の中の電位 を位置 の関数として表したグラフで、 の直線である。(1) 電場の強さを求めよ。 (2) 電場の向きは 向きか 向きか。

x [m]V [V]O3000.20
電位 V と位置 x の関係(直線)
問25 正三角形の頂点での合成電場 ★★★ 応用電場重ね合わせベクトル

1 辺 の正三角形の 2 つの頂点に、 の点電荷が 1 つずつ置かれている。残りの頂点 P での合成電場の大きさと向きを求めよ。 とする。

+Q+QP1 辺 0.30 m の正三角形
2 頂点に +Q。残りの頂点 P での電場は?
問26 最接近距離(電気的な位置エネルギー) ★★★ 応用電位エネルギー保存

の点電荷が固定されている。質量 、電荷 の小球を、十分遠方から速さ で固定電荷に向けて打ち出した。小球が固定電荷に最も近づいたときの距離を求めよ。 とする。

問27 一様電場中の放物運動 ★★★ 応用電場放物運動

強さ の一様な下向きの電場の中に、質量 、電荷 の小球を、水平に速さ で打ち出した(重力は無視する)。(1) 小球の加速度 (2) 水平距離 進む間の時間と、その間の落下量 (3) そのときの速度の鉛直成分 を求めよ。

3.0 m/sE(下向き)q=+2.0 μC・m=4.0×10⁻⁴ kg
一様な下向き電場の中へ、水平に打ち出す
問28 極板を引き離す仕事 ★★★ 応用コンデンサーエネルギー

のコンデンサーを で充電し、電池から切り離してから、極板の間隔をゆっくり 2 倍に広げた。(1) 広げる前と後の静電エネルギー (2) この操作で外力がした仕事 を求めよ。また、この仕事が何に使われたかを述べよ。

問29 コンデンサーの直並列混合回路 ★★★ 応用コンデンサー接続

に、 の並列部分を直列につなぎ、全体を の電池に接続した。(1) 全体の合成容量 (2) の電気量と電圧 (3) の電気量 を求めよ。

100 VC₁C₂C₃
C₂・C₃ の並列部に C₁ を直列につないだ回路
問30 充電済みコンデンサーの並列接続(電荷の再分配) ★★★ 応用コンデンサー電荷保存

で充電し、電池から切り離した。これを、充電されていない に並列に接続した。(1) 接続後の共通の電圧 (2) 各コンデンサーの電気量 (3) 接続の前後で失われた静電エネルギー を求めよ。

C₁(充電済)C₂(空)スイッチを閉じる
充電済みの C₁ を空の C₂ に並列接続する
問31 極板間に金属板を挿入する ★★★ 応用コンデンサー金属板

極板間隔 、電気容量 の平行板コンデンサーの極板間に、厚さ の帯電していない金属板を極板と平行に挿入した。挿入後の電気容量を求めよ(金属板の位置はどこでもよいことも示せ)。

金属板 t=1.0 mmd=3.0C=2.0 μF
極板間に帯電していない金属板を平行に挿入する
問32 電子の加速と偏向(ブラウン管の原理) ★★★ 応用電子融合文字式

静止した電子(電荷 、質量 )を電位差 で加速し、速さ にする。次にこの電子を、間隔 、電圧 、長さ の平行板の間に、板と平行に入射させて偏向させる。(1) 加速後の速さ で表せ。 (2) 平行板を出るときの進行方向のずれの角 について、 で表し、 によらないことを示せ。 (3) の値を求めよ。

加速 V₀v偏向 V₁・間隔 d・長さ Lθ だけ偏向
加速してから平行板で曲げる——ブラウン管の基本構成
問33 つないだ 2 つの導体球 — 電荷はどう分かれるか 最難関編導体電位尖端放電

半径 の導体球 A と、半径 の導体球 B が、たがいに十分離して置かれている。はじめ A には の電荷があり、B は帯電していない。

この 2 つを細い導線でつなぐ。導線の電気容量と、2 つの球がたがいに及ぼす影響は無視してよい。半径 の導体球に電荷 があるとき、球の外側の電場と電位は、中心に点電荷 があるときと同じであるとしてよい。クーロンの法則の比例定数を とする。

ABR1 = 0.10 mR2 = 0.30 m細い導線
半径の違う 2 つの導体球を細い導線でつなぐ。はじめ電荷をもつのは A だけである。

(1) つなぐ前の A の電位を求めよ。

(2) つないだあと、A と B の電荷はそれぞれいくらになるか。

(3) つないだあとの共通の電位と、A・B それぞれの表面の電場の強さを求めよ。

(4) つなぐ前後で静電エネルギーはどれだけ変わるか。その差はどこへ行ったか。

問34 極板どうしが引き合う力はなぜ QE/2 か 最難関編コンデンサー電場の重ね合わせ仮想仕事

面積 の 2 枚の金属板を、間隔 で平行に向かい合わせた平行板コンデンサーがある。電池をつないで で充電したあと、電池を切りはなす。真空の誘電率を とし、極板の端の効果は無視する。

d面積 S の極板
平行板コンデンサー。充電したあと電池を切りはなすので、電荷が一定に保たれる。

(1) 極板間の電場の強さと、蓄えられた電荷を求めよ。

(2) 一方の極板だけがつくる電場の強さを求めよ。極板の外側で電場が になることを使って説明せよ。

(3) 一方の極板が受ける力の大きさを求めよ。これが ではなく になる理由を述べよ。

(4) 電荷を保ったまま極板の間隔をわずかに広げるとき、静電エネルギーの増え方から力を求め、(3) と一致することを確かめよ。

問35 球でつくるコンデンサー(地球の電気容量) 最難関編電気容量電位球対称

半径 の導体球を、半径 の薄い導体球殻で同心に包む。内側の球に電荷 を与え、外側の球殻には を与える。

球殻の間の電場は、中心に点電荷 があるときと同じであるとしてよい。したがって中心から距離 ()の点の電位は に等しい。 とする。

R1R2+Q−Q
同心に置いた導体球と導体球殻。内側に +Q、外側に −Q を与える。

(1) 内側の球と外側の球殻の電位差を、 で表せ。

(2) この装置の電気容量を求め、数値を pF 単位で答えよ。

(3) 外側の球殻を無限に大きくすると、孤立した導体球の電気容量が得られる。その式と、 のときの値を求めよ。

(4) 地球を半径 の導体球とみなしたときの電気容量を求めよ。

問36 コンデンサーのブリッジ回路 最難関編コンデンサー電荷保存節点の電位

図のように 5 個のコンデンサーをつなぎ、 の電池を接続した。容量は 、橋にあたる である。

はじめすべてのコンデンサーは充電されていない。電池の負極側の電位を とする。

C1C2C3C4C5PQAB12 V
コンデンサーのブリッジ回路。P と Q は外部とつながっていない節点である。

(1) 橋のコンデンサー に電荷が流れこまないための条件を、 で表せ。

(2) この回路はその条件を満たしているか。

(3) 節点 P と Q の電位を求めよ。

(4) に蓄えられる電荷と、回路全体の合成容量を求めよ。

問37 帯電した球の中を貫くトンネル 最難関編電場単振動力学との融合

半径 の球の内部に、電荷 が一様に分布して固定されている。

この球の中心を通るまっすぐな細いトンネルを開ける。球の内部で中心から距離 の点の電場の強さは

で与えられる(向きは中心から外向き)。 とする。

いま、質量 、電荷 の小球を、トンネルの入口(球の表面)に静かに置く。重力と摩擦、空気の抵抗は無視する。

中心小球(静かに置く)+Q が一様に分布トンネル
一様に帯電した球と、中心を通るトンネル。負の電荷をもつ小球を表面に静かに置く。

(1) 球の表面()でこの式が に一致することを確かめよ。また中心から の点の電場の強さを求めよ。

(2) トンネル内で小球にはたらく力を求め、この運動が単振動になることを示せ。

(3) 単振動の周期を、 で表せ。

(4) 周期の値を求めよ。また小球が中心を通過するときの速さを求めよ。

問38 2 層の誘電体 — 先に壊れるのはどちらか 最難関編誘電体直列絶縁破壊

面積 の 2 枚の極板を間隔 で向かい合わせ、その間を厚さ ずつの 2 層で満たす。下の層は比誘電率 の誘電体、上の層は空気(比誘電率 )である。

真空の誘電率を とし、空気の絶縁破壊の電場を 、誘電体の絶縁破壊の電場を とする。

空気誘電体(比誘電率 4.0)1.0 mm1.0 mm
極板間を 2 層で満たす。下の層だけが誘電体である。

(1) この装置の電気容量を求めよ。

(2) 極板間に をかけたとき、各層にかかる電圧を求めよ。

(3) 各層の電場の強さを求め、その比が何で決まるかを述べよ。

(4) 電圧を上げていくと、どちらの層が先に絶縁破壊するか。またそのときの極板間の電圧を求めよ。

問39 電場が 0 の点に置いた電荷は安定か 最難関編電場の重ね合わせつり合いの安定性静電場

軸上の原点に の点電荷を固定する。 とする。

+Q+4QL = 0.30 m
2 つの正の点電荷を固定する。この間のどこかに、電場が 0 になる点がある。

(1) 2 つの電荷の間で、電場が になる点の位置を求めよ。

(2) その点に負の点電荷 を置くと、静止したままでいられる。その理由を述べよ。

(3) 軸に沿ってわずかにずらしたとき、はたらく力はもとの位置にもどす向きか、離れる向きか。理由とともに答えよ。

(4) こんどは 軸に垂直な向きにわずかにずらしたとき、力はどちら向きか。(3) と合わせて、この点が安定なつり合いといえるかどうかを述べよ。

問40 3 つの点電荷を組み立てる仕事 最難関編静電エネルギー仕事エネルギー保存

1 辺 の正三角形の 3 つの頂点に、 の点電荷を 1 個ずつ置きたい。3 個とも、はじめは無限に遠いところにあり、静止しているものとする。

電荷を 1 個ずつゆっくり運んで所定の位置に固定していく。 とする。

a = 0.30 mqqq
正三角形の頂点に同じ電荷を 1 個ずつ置く。すべて無限に遠いところから運んでくる。

(1) 1 個目、2 個目、3 個目を運ぶのに外から加える仕事を、それぞれ求めよ。

(2) 3 個を配置し終えるまでの仕事の合計を求めよ。

(3) 運ぶ順番を変えても合計は変わらない。その理由を述べよ。

(4) 3 個の固定をいっせいに外すと、電荷はたがいに反発して飛び去る。3 個とも質量が のとき、十分に離れたあとの速さを求めよ。

電場と電位の解説 — つまずきやすい点と学習の順序