物理 / 電場と電位

静電誘導と箔検電器

★ 基礎静電誘導

問題

帯電していない箔検電器の金属板に、負に帯電した棒を(触れずに)近づけると、箔が開いた。(1) このとき金属板と箔には、それぞれどんな符号の電荷が現れているか。 (2) この現象(静電誘導)を、金属中の自由電子の動きで説明せよ。

負の棒箔が開く
負の棒を近づけると(触れずに)箔が開く
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金属の中で動けるのは自由電子(負)だけ——正の電荷(原子核)は動けない。負の棒が近づくと電子はどちらへ動くか。電荷の総量は 0 のまま、分布だけが偏る。

解答・解説

方針

動けるのは自由電子だけ。負の棒→電子が遠い側(箔)へ逃げる→近い側が正・遠い側が負。同符号の箔が反発。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 金属の性質はただ 1 つ——「自由電子だけが動ける」。外から電荷を近づけたとき電子がどちらへ動くかを追えば、静電誘導のすべてが説明できる。

① 電荷の分布。 負の棒に反発された自由電子は、できるだけ遠くへ——金属板から箔の側へ移動する。

  • 金属板(棒に近い側): 電子が去って
  • 箔(遠い側): 電子が集まって

② 箔が開く理由。 2 枚の箔がどちらも負に帯電し、同符号どうしの反発で開く。全体の電荷の和は 0 のまま(帯電したのではなく、分布が偏っただけ)である。

−−−++電子
電子が箔へ逃げ、近い側は正・箔は負。同符号の箔が反発

まとめ 棒を遠ざければ電子が戻り、箔は閉じる——触れていないので電荷は移っていないことの証拠である。もし棒を触れさせれば電子が実際に移って帯電が残る(接触帯電)。「近づける=誘導(一時的)、触れる=移動(永続)」の区別が、検電器の全問題を貫く軸になる。

(1) 金属板: 正、箔: 負 (2) 棒の負電荷に反発された自由電子が金属板から箔へ移動する。電子が去った金属板は正に、電子が集まった箔は負に帯電し、箔どうしが反発して開く

別解

正の棒ならどうなるかを対で確かめるルート。 正に帯電した棒なら、自由電子は引き寄せられて金属板側へ集まり、箔は電子不足で正に帯電——やはり同符号で開く。箔が開くこと自体は棒の符号を教えてくれない(どちらでも開く)。

符号を知るには、あらかじめ検電器を既知の符号で帯電させておき、開きが増すか減るかを見る——標準・応用の検電器問題の伏線である。

ポイント

  • 動くのは自由電子だけ
  • 近い側が棒と異符号、遠い側が同符号
  • 開くだけでは棒の符号は分からない

よくある間違い

  • 正電荷が動くと説明する
  • 全体が帯電したと考える(分布の偏り)
  • 箔が開く=正に帯電と決めつける