物理 / 電場と電位

最接近距離(電気的な位置エネルギー)

★★★ 応用電位エネルギー保存

問題

の点電荷が固定されている。質量 、電荷 の小球を、十分遠方から速さ で固定電荷に向けて打ち出した。小球が固定電荷に最も近づいたときの距離を求めよ。 とする。

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斥力に逆らって近づく小球は、坂を登るボールと同じ——止まった瞬間が最高到達点(最接近)。遠方の運動エネルギーと、最接近での位置エネルギー kq₁q₂/r を等しいと置こう。

解答・解説

方針

遠方で U=0。運動エネルギー 9.0×10⁻³ J が全部 2 電荷系の位置エネルギー kq₁q₂/r に変わった瞬間が最接近。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 斥力の山を登るボールの絵である。最接近=速さ 0 の折り返し点——運動エネルギーが全部、2 電荷系の位置エネルギーに変わった瞬間である。

公式点電荷系の位置エネルギー: (無限遠で 0。同符号なら正=斥力の丘)

① エネルギー保存。 遠方()と最接近()を結ぶ:

② 解く。 左辺 :

r [m]U [J]OK=9.0×10⁻³最接近1.0
斥力の丘 U=kq₁q₂/r。持ち込んだ K と等しくなる r で折り返す

まとめ この「電気の丘を登って折り返す」型は、ラザフォードが原子核を発見したα粒子の散乱実験の解析そのものである——α粒子の最接近距離から原子核の大きさの上限を見積もった。 に「もう 1 つの電荷を掛けた」形()——電位と位置エネルギーの関係がここで一本につながる。

最接近点で速さ 0。エネルギー保存 より

別解

電位の言葉で言い直すルート。 固定電荷が作る電位は 。小球の位置エネルギーは ——最接近で と書けば、同じ式である。

「系の位置エネルギー 」と「電位 電荷 」は同じ量の 2 つの読み方——固定電荷がある問題では後者(場の見方)が、両方動く問題では前者(系の見方)が便利、と使い分けを整理しておく。

ポイント

  • 最接近=速さ 0 の折り返し
  • U=kq₁q₂/r(斥力の丘)
  • ラザフォード散乱の原型

よくある間違い

  • 最接近でも動いているとする
  • U の r を 2 乗する
  • 運動量保存で解こうとする(固定電荷)