物理基礎

仕事と力学的エネルギー — 仕事・エネルギー保存

仕事と仕事率、運動エネルギー、重力・弾性力による位置エネルギー、力学的エネルギー保存の法則、摩擦があるときのエネルギー収支を扱います。

全 32 問(★基礎 12・★★標準 12・★★★応用 8)

問1 仕事の定義 ★ 基礎仕事

水平な床の上の物体に、水平方向に の一定の力を加え続け、力の向きに 動かした。この力がした仕事を求めよ。

問2 斜め方向の力がする仕事 ★ 基礎仕事力の分解

水平な床の上の物体に、水平から 上向きの方向に の力を加えながら、水平に 動かした。この力がした仕事を求めよ。

問3 重力がする仕事 ★ 基礎仕事重力

質量 の物体を、床からゆっくりと高さ まで持ち上げた。重力加速度の大きさを とする。

手の力重力3.0 m
持ち上げる間、手の力(上向き)は正の仕事、重力(下向き)は負の仕事をする

(1) 手が物体にした仕事を求めよ。

(2) この間に重力が物体にした仕事を求めよ。

問4 仕事率(時間あたりの仕事) ★ 基礎仕事率

あるモーターが 間に の仕事をした。このモーターの仕事率を求めよ。

問5 力と速さから仕事率を求める ★ 基礎仕事率

一定の速さ で動く物体に、その運動の向きに の力を加え続けている。この力の仕事率を求めよ。

問6 運動エネルギー ★ 基礎運動エネルギー

質量 の物体が速さ で運動している。この物体の運動エネルギーを求めよ。

問7 重力による位置エネルギー ★ 基礎位置エネルギー重力

質量 の物体が、地面から高さ の位置にある。地面を基準面とし、重力加速度の大きさを とする。この物体がもつ重力による位置エネルギーを求めよ。

問8 弾性力による位置エネルギー ★ 基礎弾性エネルギーばね

ばね定数 のばねを、自然の長さから 縮めた。このばねに蓄えられた弾性力による位置エネルギーを求めよ。

問9 力学的エネルギー保存(自由落下) ★ 基礎力学的エネルギー保存自由落下

小球を高さ の点から静かに放して自由落下させた。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。地面に達する直前の速さを、力学的エネルギー保存の法則を用いて求めよ。

問10 仕事と運動エネルギーの関係 ★ 基礎エネルギーの原理運動エネルギー

なめらかな水平面上で静止していた質量 の物体に、運動の向きに の一定の力を加え、 動かした。

(1) この力がした仕事を求めよ。

(2) 動かした後の物体の速さを求めよ。

問11 摩擦がする仕事 ★ 基礎摩擦仕事

粗い水平面上で物体を滑らせたところ、物体には運動と逆向きに一定の動摩擦力 がはたらいた。物体が 滑る間に、動摩擦力がした仕事を求めよ。

問12 仕事の原理(動滑車) ★ 基礎仕事の原理滑車

1 つの動滑車を使って、質量 の荷物を高さ までゆっくり引き上げる。滑車と糸の質量、摩擦は無視できる。重力加速度の大きさを とする。

F10 kg
動滑車で荷物を引き上げる。引く力は重さの半分、引く距離は 2 倍

(1) 荷物を持ち上げるのに必要な仕事を求めよ。

(2) 糸を引く力の大きさと、糸を引く距離を求めよ。

問13 斜面を押し上げる仕事(仕事の原理) ★★ 標準仕事斜面仕事の原理

傾きが のなめらかな斜面に沿って、質量 の物体を斜面の下端から斜面に沿って 押し上げた(高さは 上がる)。重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体を押す力(斜面に平行)がした仕事を求めよ。

(2) この仕事が mgh(=直接持ち上げる仕事)に等しいことを確かめよ。

問14 摩擦のある水平面で引く(エネルギーの原理) ★★ 標準エネルギーの原理摩擦運動エネルギー

粗い水平面上で静止していた質量 の物体に、運動の向きに の力を加えて 動かした。この間、物体には一定の動摩擦力 がはたらいた。

(1) 引く力がした仕事と、摩擦力がした仕事をそれぞれ求めよ。

(2) 動かした後の物体の速さを求めよ。

問15 振り子の最下点の速さ ★★ 標準力学的エネルギー保存振り子

軽くて伸びない糸の先におもりをつけた振り子がある。おもりを、最下点より 高い位置まで持ち上げて静かに放した。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。

はじめ最下点0.20 m
最下点より 0.20 m 高い点から放す。張力は仕事をせず、高さの差だけで速さが決まる

おもりが最下点を通過するときの速さを求めよ。

問16 ばねで打ち出す物体 ★★ 標準力学的エネルギー保存弾性エネルギー

なめらかな水平面上で、ばね定数 のばねを自然の長さから 縮め、質量 の物体を押し当てて静かに放した。物体はばねに押されて動き出し、ばねが自然の長さになったところで物体はばねから離れた。

物体がばねから離れるときの速さを求めよ。

問17 なめらかな斜面をすべり下りる ★★ 標準力学的エネルギー保存斜面

なめらかな斜面の、最下点より高さ の点に物体を置いて静かに放した。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。最下点での物体の速さを求めよ。

問18 摩擦で止まるまでの距離(エネルギー収支) ★★ 標準エネルギーの原理摩擦

粗い水平面上で、質量 の物体を初速度 で滑らせたところ、やがて摩擦で止まった。物体と面の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。止まるまでに滑る距離を、エネルギーの考え方で求めよ。

問19 鉛直投げ上げの最高点(エネルギーで) ★★ 標準力学的エネルギー保存投げ上げ

小球を地面から初速度 で真上に投げ上げた。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。最高点の高さを、力学的エネルギー保存の法則を用いて求めよ。

問20 荷物を持ち上げる仕事率 ★★ 標準仕事率位置エネルギー

質量 の荷物を、 かけて一定の速さで高さ まで持ち上げた。重力加速度の大きさを とする。

(1) 荷物にした仕事を求めよ。

(2) このときの仕事率を求めよ。

問21 斜面から水平面へ(摩擦を含むエネルギー収支) ★★ 標準エネルギーの原理摩擦斜面

傾きが の斜面の、高さ の点に物体を置いて静かに放した。物体は斜面をすべり下り、続いて水平面をしばらく滑って止まった。斜面上・水平面上とも動摩擦係数は 、重力加速度の大きさを とする。物体が水平面上を滑った距離を求めよ。

問22 ばねで打ち上げる ★★ 標準力学的エネルギー保存弾性エネルギー位置エネルギー

鉛直に立てたばね定数 のばねを 縮め、その上に質量 の小球をのせて静かに放した。小球はばねに押し上げられて飛び出した。空気抵抗とばねの質量は無視でき、重力加速度の大きさを とする。

ばねが自然の長さになった位置を基準として、小球が達する最高点の高さを求めよ(ばねから離れた後の高さで考える。ばねの縮みは小球の到達高さに比べ十分小さいとして、蓄えた弾性エネルギーがすべて位置エネルギーになるとする)。

問23 滑車でつながれた2物体の速さ ★★ 標準力学的エネルギー保存滑車

軽い定滑車に軽い糸をかけ、両端に質量 の物体 A と質量 の物体 B をつるして静かに放した。摩擦・空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。A が 下がったときの、2 物体の速さを求めよ。

問24 一定速度で動く物体を動かす仕事率 ★★ 標準仕事率力のつり合い

動く歩道が、その上の物体(人や荷物)を一定の速さ で運んでいる。物体と歩道の間には合計 の抵抗(摩擦など)がはたらいており、歩道はこれに逆らって一定の速さを保っている。歩道が物体を運ぶためにしている仕事率を求めよ。

問25 なめらかな曲面上の運動(ジェットコースター) ★★★ 応用力学的エネルギー保存曲面

なめらかな曲面上を小球が滑る。小球を高さ の点 A で静かに放した。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。

AB最下点5.02.0
なめらかな曲面。A(5.0 m)から放し、B(2.0 m)を通る。最下点で最速

(1) 高さ の点 B での速さを求めよ。

(2) 途中の最下点(高さ )での速さは、B での速さより大きいか小さいか。理由とともに答えよ。

問26 ばねと斜面を組み合わせる ★★★ 応用力学的エネルギー保存弾性エネルギー斜面

なめらかな水平面となめらかな斜面(傾き )がつながっている。水平面上でばね定数 のばねを 縮め、質量 の物体を押し当てて放した。物体はばねに押されて動き出し、斜面を上っていく。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。

物体が斜面上で最も高く達する点の、水平面からの高さを求めよ。

問27 摩擦のある斜面を駆け上がる ★★★ 応用エネルギーの原理摩擦斜面

傾きが の粗い斜面の下端で、物体に斜面に沿って上向きの初速度 を与えた。物体と斜面の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体が斜面に沿って上る距離を求めよ。

(2) そのときの高さ(斜面の下端からの)を求めよ。

問28 跳ね返りとエネルギーの損失 ★★★ 応用力学的エネルギー保存エネルギー損失反発係数

小球を高さ から静かに落とすと、床で跳ね返り、 の高さまで上がった。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。

(1) 床に当たる直前の速さと、跳ね返った直後の速さの比(はねかえり係数)を求めよ。

(2) 床との衝突で失われた力学的エネルギーは、初めの何 % か。

問29 仕事率一定で加速する(仕事とエネルギーの融合) ★★★ 応用仕事率運動エネルギーエネルギーの原理

質量 の自動車が、水平な直線道路を出発する。エンジンは一定の仕事率 で仕事をし続ける。走行の抵抗は無視できるものとする。

静止した状態から出発して 後の速さを求めよ。

問30 ばねに衝突して止まる ★★★ 応用力学的エネルギー保存弾性エネルギー運動エネルギー

なめらかな水平面上を速さ で進んできた質量 の物体が、水平に置かれたばね定数 のばね(一端は壁に固定)に当たって縮め、いったん止まった。空気抵抗は無視できる。

ばねの最大の縮みを求めよ。

問31 半球面上をすべる(高さの差でエネルギー) ★★★ 応用力学的エネルギー保存曲面

半径 のなめらかな半球のいちばん上(頂点)に小球を置き、ごくわずかに押して滑り出させた。小球は半球の表面に沿って滑り下りる。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。

頂点θの点θ
半球の頂点から滑り下りる。角θの点は頂点より R(1−cosθ) だけ低い

中心から見て、頂点から測った角が ()の点まで来たときの小球の速さを求めよ。

問32 摩擦とばねを組み合わせる(総合) ★★★ 応用エネルギーの原理摩擦弾性エネルギー

粗い水平面上を、質量 の物体が速さ で進んでいる。物体は 進んだところで、水平に置かれたばね定数 のばね(一端は固定)に達し、これを縮めていったん止まった。物体と面の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。ばねに達するまでの と、ばねを縮める間の両方で摩擦がはたらくが、簡単のためばねを縮める間の摩擦は無視してよい。

ばねの最大の縮みを求めよ。

仕事と力学的エネルギーの解説 — つまずきやすい点と学習の順序