物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー

一定速度で動く物体を動かす仕事率

★★ 標準仕事率力のつり合い

問題

動く歩道が、その上の物体(人や荷物)を一定の速さ で運んでいる。物体と歩道の間には合計 の抵抗(摩擦など)がはたらいており、歩道はこれに逆らって一定の速さを保っている。歩道が物体を運ぶためにしている仕事率を求めよ。

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一定の速さで動いている=力がつり合っている。だから歩道が出している力は抵抗と同じ大きさ。あとは P=Fv。

解答・解説

方針

一定の速さ=つり合い。歩道の推進力は抵抗と同じ 120 N。仕事率は P=Fv。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 一定の速さ = 力がつり合っている。だから歩道が物体を進める力(推進力)は、それを妨げる抵抗 とちょうど同じ大きさだ。

力と速さがわかれば、仕事率は で直接出る。

① 推進力を求める。

一定の速さだから、推進力 抵抗

② 仕事率を計算する。

推進力 120 N抵抗 120 Nv=1.5 m/s(一定)
一定の速さ=推進力と抵抗がつり合う。仕事率 P=Fv=180 W はすべて摩擦熱になる

まとめ 一定の速さで動くとき運動エネルギーは変わらない。ではこの の仕事は何に消えるのか — すべて摩擦熱になっている。歩道のモーターが供給し続けるエネルギーが、抵抗によって熱として散っていく。「等速だから仕事はゼロ」ではなく、「した仕事がそのまま熱に変わっている」のがポイントだ。

別解

1 秒間のエネルギーで見るルート(苦手な人向け)。 秒間に物体は 進む。その間に推進力 がする仕事は

秒あたり だから仕事率は 。この は、同じ 秒間に摩擦が奪う とちょうど釣り合っていて、だから速さが変わらない。エネルギーの出入りが等しいことが「等速」の正体だ。

ポイント

  • 一定の速さ=力のつり合い(推進力=抵抗)
  • P=Fv
  • 等速でも仕事はしている(全部熱に変わる)

よくある間違い

  • 等速だから仕事率ゼロと考える(抵抗に逆らう仕事をし続けている)
  • 推進力を抵抗より大きく見積もる(等速なら等しい)
  • 運動エネルギーの変化を計算しようとする(等速なので変化なし。仕事は熱へ)