物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー
一定速度で動く物体を動かす仕事率
問題
動く歩道が、その上の物体(人や荷物)を一定の速さ で運んでいる。物体と歩道の間には合計 の抵抗(摩擦など)がはたらいており、歩道はこれに逆らって一定の速さを保っている。歩道が物体を運ぶためにしている仕事率を求めよ。
ヒントを見る
一定の速さで動いている=力がつり合っている。だから歩道が出している力は抵抗と同じ大きさ。あとは P=Fv。
解答・解説
方針
一定の速さ=つり合い。歩道の推進力は抵抗と同じ 120 N。仕事率は P=Fv。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 一定の速さ = 力がつり合っている。だから歩道が物体を進める力(推進力)は、それを妨げる抵抗 とちょうど同じ大きさだ。
力と速さがわかれば、仕事率は で直接出る。
① 推進力を求める。
一定の速さだから、推進力 抵抗 。
② 仕事率を計算する。
まとめ 一定の速さで動くとき運動エネルギーは変わらない。ではこの の仕事は何に消えるのか — すべて摩擦熱になっている。歩道のモーターが供給し続けるエネルギーが、抵抗によって熱として散っていく。「等速だから仕事はゼロ」ではなく、「した仕事がそのまま熱に変わっている」のがポイントだ。
答
別解
1 秒間のエネルギーで見るルート(苦手な人向け)。 秒間に物体は 進む。その間に推進力 がする仕事は 。
秒あたり だから仕事率は 。この は、同じ 秒間に摩擦が奪う とちょうど釣り合っていて、だから速さが変わらない。エネルギーの出入りが等しいことが「等速」の正体だ。
ポイント
- 一定の速さ=力のつり合い(推進力=抵抗)
- P=Fv
- 等速でも仕事はしている(全部熱に変わる)
よくある間違い
- 等速だから仕事率ゼロと考える(抵抗に逆らう仕事をし続けている)
- 推進力を抵抗より大きく見積もる(等速なら等しい)
- 運動エネルギーの変化を計算しようとする(等速なので変化なし。仕事は熱へ)