物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー
摩擦がする仕事
問題
粗い水平面上で物体を滑らせたところ、物体には運動と逆向きに一定の動摩擦力 がはたらいた。物体が 滑る間に、動摩擦力がした仕事を求めよ。
ヒントを見る
摩擦力は物体の運動を妨げる向き(運動と逆向き)にはたらく。逆向きの力がする仕事の符号は?
解答・解説
方針
摩擦力は運動と逆向きなので、仕事は負。大きさ f×距離 に負号をつける。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 摩擦力はつねに運動を妨げる向き、つまり移動と逆向きにはたらく。逆向きの力がする仕事は負だ。
① 仕事を計算する。
力の大きさ 、移動 、向きが逆なので
まとめ 負の仕事は「物体からエネルギーを奪う」という意味だ。摩擦が奪った は消えてなくなるのではなく、熱に変わる(面が温まる)。手をこすると温かくなるのはこのため。エネルギーは形を変えるだけで、全体の量は保存される — 力学的エネルギーは保存しなくても、熱まで含めれば保存する、という次の段階への入り口になる。
答
別解
エネルギーの減少として見るルート(つながり)。 摩擦の仕事が ということは、物体の運動エネルギーが 減るということ(エネルギーの原理)。
たとえば初めに運動エネルギー だった物体は、 滑ると に減る。負の仕事の大きさ 奪われたエネルギー、と対応づけると符号の意味がはっきりする。
ポイント
- 摩擦力は運動と逆向き → 仕事は負
- 負の仕事=エネルギーを奪う
- 奪われた分は熱に変わる(全体では保存)
よくある間違い
- 符号をつけず とする(運動と逆向きなので負)
- 摩擦の仕事が経路によらないと考える(距離が長いほど負の仕事は大きい。重力と違い経路による)
- 摩擦で失われたエネルギーが消滅すると考える(熱に変わる)