物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー

摩擦がする仕事

★ 基礎摩擦仕事

問題

粗い水平面上で物体を滑らせたところ、物体には運動と逆向きに一定の動摩擦力 がはたらいた。物体が 滑る間に、動摩擦力がした仕事を求めよ。

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摩擦力は物体の運動を妨げる向き(運動と逆向き)にはたらく。逆向きの力がする仕事の符号は?

解答・解説

方針

摩擦力は運動と逆向きなので、仕事は負。大きさ f×距離 に負号をつける。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 摩擦力はつねに運動を妨げる向き、つまり移動と逆向きにはたらく。逆向きの力がする仕事は負だ。

① 仕事を計算する。

力の大きさ 、移動 、向きが逆なので

運動の向き摩擦 4.0 N→ 熱に変わる
粗い面(下の細かい線)で摩擦は運動と逆向き。奪った 20 J は熱に変わる

まとめ 負の仕事は「物体からエネルギーを奪う」という意味だ。摩擦が奪った は消えてなくなるのではなく、熱に変わる(面が温まる)。手をこすると温かくなるのはこのため。エネルギーは形を変えるだけで、全体の量は保存される — 力学的エネルギーは保存しなくても、熱まで含めれば保存する、という次の段階への入り口になる。

別解

エネルギーの減少として見るルート(つながり)。 摩擦の仕事が ということは、物体の運動エネルギーが 減るということ(エネルギーの原理)。

たとえば初めに運動エネルギー だった物体は、 滑ると に減る。負の仕事の大きさ 奪われたエネルギー、と対応づけると符号の意味がはっきりする。

ポイント

  • 摩擦力は運動と逆向き → 仕事は負
  • 負の仕事=エネルギーを奪う
  • 奪われた分は熱に変わる(全体では保存)

よくある間違い

  • 符号をつけず とする(運動と逆向きなので負)
  • 摩擦の仕事が経路によらないと考える(距離が長いほど負の仕事は大きい。重力と違い経路による)
  • 摩擦で失われたエネルギーが消滅すると考える(熱に変わる)