物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー

斜め方向の力がする仕事

★ 基礎仕事力の分解

問題

水平な床の上の物体に、水平から 上向きの方向に の力を加えながら、水平に 動かした。この力がした仕事を求めよ。

ヒントを見る

斜め上に引く力のうち、実際に物体を前に進めるのに役立つのは「水平成分」だけ。仕事の式に角度が入ってくる。

解答・解説

方針

力の向きと移動の向きが違うときは、移動方向の成分だけが仕事をする。W=Fx cosθ で計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 力が移動の向きと斜めのとき、移動方向を向いた成分だけが仕事をする。上向きの成分は物体を前に進めないので、仕事には関係しない。

だから力を分解して、移動方向(水平)の成分を取り出す。

公式仕事 (: 力と移動の向きのなす角)

① 水平成分を取り出す。

力の水平成分は

10 NF cos60°60°移動 4.0 m
斜め上の力のうち、仕事をするのは移動と同じ向きの水平成分 F cos60° だけ

② 仕事を計算する。

(まとめて でもよい。)

まとめ の意味は「力のうち、移動方向にどれだけ効いているか」の割合だ。極端な場合で確かめると理解が固まる。(力と移動が同じ向き)なら で全部効く。(力が移動に垂直)なら で仕事ゼロ — これが「重い荷物を持って水平に歩いても重力は仕事をしない」理由でもある。

別解

移動を分解するルート(別の見方)。 力を分解する代わりに、移動を「力の向きの成分」と「力に垂直な成分」に分けても同じ答えになる。力の向きへの移動は

「力を分解」でも「移動を分解」でも に行き着く。どちらで考えてもよいと知っておくと、問題に応じて楽な方を選べる。

ポイント

  • 仕事をするのは移動方向の力の成分だけ
  • W=Fx cosθ
  • θ=90°(力が移動に垂直)なら仕事ゼロ

よくある間違い

  • cos を忘れて とする(斜めの力は全部が仕事をするわけではない)
  • sin と cos を取り違える(移動方向=水平の成分は cos 側)
  • 上向きの成分も仕事に加えてしまう(垂直成分は移動方向でないので仕事ゼロ)