物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー
摩擦のある水平面で引く(エネルギーの原理)
問題
粗い水平面上で静止していた質量 の物体に、運動の向きに の力を加えて 動かした。この間、物体には一定の動摩擦力 がはたらいた。
(1) 引く力がした仕事と、摩擦力がした仕事をそれぞれ求めよ。
(2) 動かした後の物体の速さを求めよ。
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物体にはたらく力は引く力(正の仕事)と摩擦力(負の仕事)。両方の仕事を足したものが運動エネルギーの増加になる。
解答・解説
方針
エネルギーの原理は「合力がした仕事=運動エネルギーの変化」。正の仕事と負の仕事を足し合わせて運動エネルギーの増加を出す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 エネルギーの原理の本領は、複数の力の仕事を足し合わせるところにある。正の仕事も負の仕事も、符号つきで足せばよい。
① それぞれの仕事。
- 引く力(移動と同じ向き):
- 摩擦力(移動と逆向き):
② 運動エネルギーの変化。
合計の仕事が運動エネルギーの増加になる。
静止スタートなので
まとめ 引いたエネルギー のうち、 は摩擦熱として逃げ、残り が運動エネルギーになった。エネルギーの出入りを帳簿のように追うのがこの原理の使い方だ。摩擦があっても、正負の仕事を足すだけで速さが出せる。
答
(1) 引く力 、摩擦力 (2)
別解
運動方程式で解くルート(検算)。 合力は 、加速度 。時間を含まない公式で
同じ答え。エネルギーの原理は「合力の仕事」を使うが、運動方程式は「合力そのもの」を使う — 見ている量が違うだけで、 でつながっている。
ポイント
- エネルギーの原理=すべての力の仕事の和=ΔK
- 正の仕事と負の仕事を符号つきで足す
- 引いたエネルギーの一部が摩擦熱に逃げる
よくある間違い
- 摩擦の仕事を正で足してしまう(逆向きなので負)
- 引く力の仕事 100 J をそのまま運動エネルギーにする(摩擦分を引く)
- を大幅に誤る(約 7.7)