物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー
跳ね返りとエネルギーの損失
問題
小球を高さ から静かに落とすと、床で跳ね返り、 の高さまで上がった。空気抵抗は無視でき、重力加速度の大きさを とする。
(1) 床に当たる直前の速さと、跳ね返った直後の速さの比(はねかえり係数)を求めよ。
(2) 床との衝突で失われた力学的エネルギーは、初めの何 % か。
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落ちる前後の速さは √(2gh) で高さから出る。衝突では力学的エネルギーが失われるが、落下と跳ね返りそれぞれの区間ではエネルギーは保存している。高さの比とエネルギーの比の関係を考えよう。
解答・解説
方針
落下と上昇はエネルギー保存(速さは √(2gh))。衝突で失われるのは高さの比 1.28/2.0=0.64 の分。速さの比はその平方根、エネルギー損失は高さの比で決まる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 この運動は 3 つの場面に分かれる。落下(保存)→ 衝突(ここでエネルギーが失われる)→ 上昇(保存)。エネルギーが減るのは床との衝突の瞬間だけだ。
落下・上昇の各区間ではエネルギーが保存するので、速さは高さから で出せる。
① はねかえり係数(速さの比)。
当たる直前の速さ 、跳ね返り直後の速さ 。比をとると が消えて
② エネルギーの損失割合。
力学的エネルギーは、床に当たる直前は 、跳ね返り直後は 。位置エネルギーの高さがそのままエネルギーの比になるので
失われた割合は 。
まとめ 速さの比は高さの比の平方根(運動エネルギーが速さの 乗だから)、エネルギーの比は高さの比そのまま。この違いが混乱のもとなので区別する。失われた は、衝突の音や熱、床と球のわずかな変形に変わった。ボールが跳ね返るたびに低くなるのは、毎回この割合でエネルギーを失うからだ。
(1) (2)
別解
速さから直接エネルギー比を出すルート(確認)。 、。
運動エネルギーの比は で、高さの比と一致。速さの比は 。数値でも 、損失 が確かめられる。速さの比()を 乗するとエネルギーの比()になる関係が見える。
ポイント
- エネルギーが失われるのは衝突の瞬間だけ
- 速さの比=√(高さの比)、エネルギー比=高さの比
- 失った力学的エネルギーは熱・音・変形に変わる
よくある間違い
- エネルギーの損失割合を速さの比 0.80 から 20 % とする(エネルギーは速さの 2 乗。高さの比 0.64 で 36 %)
- 落下や上昇の途中でエネルギーが失われると考える(失われるのは衝突時のみ)
- はねかえり係数を高さの比 0.64 とする(速さの比なので √0.64=0.80)