物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー

仕事と運動エネルギーの関係

★ 基礎エネルギーの原理運動エネルギー

問題

なめらかな水平面上で静止していた質量 の物体に、運動の向きに の一定の力を加え、 動かした。

(1) この力がした仕事を求めよ。

(2) 動かした後の物体の速さを求めよ。

ヒントを見る

物体にした仕事は、そのまま運動エネルギーの増加になる。静止からのスタートなので、仕事=½mv²。

解答・解説

方針

仕事=運動エネルギーの変化(エネルギーの原理)。仕事を計算し、それが運動エネルギーの増加分に等しいとして速さを出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 物体にした仕事は、そのまま運動エネルギーの変化になる。これがエネルギーの原理だ。

この問題を運動方程式で解くこともできるが、エネルギーで見ると「仕事 → 運動エネルギー」と一直線に結べる。

重要エネルギーの原理: (物体にした仕事の合計)(運動エネルギーの変化)

① 仕事を計算する。

xFO3.06.0
F-xグラフの面積 6.0×3.0=18 J が仕事。これがそのまま運動エネルギーの増加になる

② 速さを求める。

静止からのスタート()なので、仕事がそのまま運動エネルギーになる。

まとめ エネルギーの原理は「合力がした仕事」で考える。摩擦などがあればその負の仕事も足し引きする(次の標準問題で扱う)。この原理のおかげで、力と距離から、時間を経由せずに速さが出せる。運動方程式と並ぶ、力学のもう一つの強力な道具だ。

(1) (2)

別解

運動方程式で解くルート(検算)。 加速度は 。時間を含まない公式で

エネルギーの原理と同じ答え。実は という変形が両者をつないでいる。どちらで解いてもよいが、力が変化する問題ではエネルギーの方が扱いやすいことが多い。

ポイント

  • 仕事=運動エネルギーの変化(エネルギーの原理)
  • 合力の仕事で考える
  • 力と距離から時間なしで速さが出る

よくある間違い

  • 運動エネルギーの式で ½ を忘れる()
  • とする(平方根。約 4.2)
  • 静止スタートでないときも仕事=½mv² としてしまう(初速度があれば ½mv²−½mv₀²)