物理基礎 / 仕事と力学的エネルギー

重力がする仕事

★ 基礎仕事重力

問題

質量 の物体を、床からゆっくりと高さ まで持ち上げた。重力加速度の大きさを とする。

手の力重力3.0 m
持ち上げる間、手の力(上向き)は正の仕事、重力(下向き)は負の仕事をする

(1) 手が物体にした仕事を求めよ。

(2) この間に重力が物体にした仕事を求めよ。

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「ゆっくり」なら手の力は重力とつり合う。仕事の正負は「力の向きと移動の向きが同じか逆か」で決まる。

解答・解説

方針

ゆっくり=つり合いを保つので、手の力は mg。持ち上げる向きと同じで正の仕事。重力は下向きで移動と逆向きなので負の仕事。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 仕事には正と負がある。力の向きと移動の向きが同じなら正、逆なら負だ。

「ゆっくり持ち上げる」は、手の力が重力とつり合いながら動くこと。だから手の力は に等しい。この物体には、上向きの手の力と下向きの重力の 2 つがはたらいている。

① 手がした仕事。

手の力 が、移動(上向き )と同じ向きなので正。

② 重力がした仕事。

重力 は下向きで、移動と逆向きだから負。

まとめ 手の仕事と重力の仕事は、大きさが同じで符号が逆(合計ゼロ)。これは「速さが変わらない=運動エネルギーが増えない」ことと対応している(あとで学ぶエネルギーの原理)。重力の仕事 は、あとで位置エネルギーという考え方に姿を変える。負の仕事は「エネルギーを奪う向き」の合図だ。

(1) (2)

別解

位置エネルギーの先取りルート(得意な人向け)。 重力がする仕事は、経路によらず高さの変化だけで決まる。高さが 上がると重力の仕事は 、下がると

この「経路によらない」性質のおかげで、重力の仕事を毎回計算せずに「位置エネルギー 」として扱えるようになる。今回の は「位置エネルギーが 増えた」ことと同じ意味になる。

ポイント

  • 仕事の正負は力と移動の向きの一致・逆で決まる
  • ゆっくり持ち上げる手の力=mg
  • 重力の仕事は高さの変化だけで決まる(−mgh)

よくある間違い

  • 重力の仕事を正の 58.8 J とする(移動が上向き、重力が下向きで逆なので負)
  • 「ゆっくり」を無視して手の力を mg より大きく見積もる(加速しないのでちょうど mg)
  • 手の仕事と重力の仕事を混同する(向きが逆で符号が違う)