物理基礎

波の性質と音 — 波のグラフ・定常波・弦と気柱

波の要素とグラフ(y-x図・y-t図)、横波と縦波、重ね合わせと定常波、自由端・固定端反射、音の性質、うなり、弦の振動と気柱の共鳴を扱います。

全 32 問(★基礎 12・★★標準 12・★★★応用 8)

問1 波の基本式(v=fλ) ★ 基礎波の要素波の基本式

振動数 、波長 の波が伝わっている。この波の速さを求めよ。

問2 周期と振動数 ★ 基礎周期振動数

ある波源が 秒間に 回振動している。

(1) この振動の振動数を求めよ。

(2) 周期を求めよ。

問3 音の波長を求める ★ 基礎波の基本式

空気中を伝わる音の速さを とする。振動数 の音の波長を求めよ。

問4 y-xグラフから波の要素を読む ★ 基礎y-xグラフ波の要素

図は、ある波のある瞬間の波形(位置 と変位 の関係)である。この波の周期は である。

x [m]yO波長 0.40 m0.400.80
波形(y-xグラフ)。山から山まで 0.40 m が波長

(1) この波の波長を求めよ。

(2) この波の速さと振動数を求めよ。

問5 横波と縦波 ★ 基礎横波縦波

波には、媒質の振動の向きが波の進む向きに垂直な横波と、平行な縦波がある。

横波進む向き縦波
横波(振動が進行方向に垂直)と縦波(振動が平行、疎密ができる=音)

(1) 音は横波か縦波か。

(2) 縦波では、媒質が密に集まった部分と疎になった部分ができる。この疎密が伝わる縦波を別名で何というか。

問6 波の重ね合わせ ★ 基礎重ね合わせ

同じ場所に、 つの波が重なっている。ある瞬間、その点での一方の波による変位が 、もう一方による変位が であった。

変位O+3−1合成 +2
重ね合わせの原理。+3 と −1 を足して、その点の変位は +2

この瞬間の、その点の変位を求めよ。

問7 定常波の節と腹 ★ 基礎定常波節と腹

波長 の波と、それと同じ振幅・波長で逆向きに進む波が重なって、定常波ができた。

λ/2
定常波。動かない節と大きく振れる腹が交互に。節と節の間隔は λ/2

隣り合う節と節の間隔を求めよ。

問8 音の速さと気温 ★ 基礎音速

空気中の音の速さ は、気温 によって で表される。気温 のときの音の速さを求めよ。

問9 うなり ★ 基礎うなり

振動数 の音さと、振動数 の音さを同時に鳴らした。

tyO
うなり。振動数の近い 2 音の合成で、音の大小(膨らみ)が周期的に繰り返す

秒間に聞こえるうなりの回数を求めよ。

問10 弦の基本振動 ★ 基礎弦の振動定常波

両端を固定した長さ の弦をはじくと、最も単純な振動(基本振動)をした。弦を伝わる波の速さを とする。

固定(節)固定(節)
弦の基本振動。両端が節、中央が腹。弦の長さ L に半波長が入る(λ=2L)

(1) 基本振動の波長を求めよ。

(2) 基本振動の振動数を求めよ。

問11 閉管の気柱の共鳴 ★ 基礎気柱閉管共鳴

一端を閉じた長さ の管の中の空気が、最も低い振動数で共鳴した(基本振動)。音の速さを 、開口端補正は無視する。

閉端(節)開端(腹)
閉管の基本振動。閉じた端が節、開いた端が腹。管の長さに 1/4 波長(λ=4L)

(1) 基本振動の波長を求めよ。

(2) 基本振動の振動数を求めよ。

問12 開管の気柱の共鳴 ★ 基礎気柱開管共鳴

両端が開いた長さ の管の中の空気が、最も低い振動数で共鳴した(基本振動)。音の速さを 、開口端補正は無視する。

開端(腹)開端(腹)
開管の基本振動。両端が腹、中央が節。管の長さに半波長(λ=2L)

(1) 基本振動の波長を求めよ。

(2) 基本振動の振動数を求めよ。

問13 y-xグラフとy-tグラフ ★★ 標準y-xグラフy-tグラフ波の要素

ある波について、y-xグラフ(ある瞬間の波形)から波長が 、y-tグラフ(ある点の時間変化)から周期が と読み取れた。

x または tyOy-x なら波長 λ / y-t なら周期 T
同じ形でも、横軸が位置なら波長 λ、時間なら周期 T を表す

(1) この波の速さを求めよ。

(2) 振動数を求めよ。

問14 波の進む向きと媒質の動き ★★ 標準y-xグラフ媒質の速度

図は、 軸の正の向きに速さ で進む波の、ある瞬間の波形である。波長は である。

xyOv=3.0 m/sP
右へ進む波。点 P には左側(後ろ)の低い波形が次にやってくるので P は下がる

(1) この波の振動数を求めよ。

(2) 図の点 P にある媒質は、この直後に上・下どちらに動くか。

問15 縦波の変位グラフと疎密 ★★ 標準縦波疎密

縦波は、媒質の変位(波の進む向きを正とする)を縦軸にとって横波のように表すことができる(縦波の横波表示)。ある縦波が 軸の正の向きに進んでいる。波長は 、速さは である。

x変位O
縦波の変位グラフ。正→負に横切る点が密、負→正が疎

(1) この縦波の振動数を求めよ。

(2) 媒質が最も密になっている点では、その両側の媒質はどう変位しているか。

問16 弦の2倍振動 ★★ 標準弦の振動定常波

両端を固定した長さ の弦が、腹が つの定常波(2倍振動)で振動している。

弦の 2 倍振動。腹が 2 つで、弦の長さに 1 波長が入る(λ=L)

(1) この振動の波長を求めよ。

(2) 弦を伝わる波の速さが のとき、振動数を求めよ。

問17 自由端反射と固定端反射 ★★ 標準反射定常波

波が壁で反射するとき、固定端(壁に固定された端)では反射波の位相が反転し、自由端(自由に動ける端)では位相が反転しない。長さ の媒質の一端を固定し、他端から波長 の波を送って定常波を作った。

固定端(節)
固定端では媒質が動けず変位が常に 0=節になる

固定端は節・腹のどちらになるか。理由とともに答えよ。

問18 弦の3倍振動と振動数 ★★ 標準弦の振動倍音

両端を固定した長さ の弦がある。弦を伝わる波の速さは である。

弦の 3 倍振動。腹が 3 つ、波長は基本の 1/3、振動数は 3 倍

(1) 基本振動の振動数を求めよ。

(2) 腹が つの振動(3倍振動)の振動数を求めよ。

問19 弦の基本振動から速さを求める ★★ 標準弦の振動波の基本式

両端を固定した長さ の弦が、基本振動で振動数 の音を出している。

固定固定
弦の基本振動(λ=2L)。振動数 250 Hz から波の速さ v=fλ を逆算

(1) この弦の基本振動の波長を求めよ。

(2) この弦を伝わる波の速さを求めよ。

問20 閉管の3倍振動 ★★ 標準気柱閉管共鳴

一端を閉じた長さ の管がある。音の速さを 、開口端補正は無視する。

閉端(節)開端(腹)
閉管の 3 倍振動。閉端が節・開端が腹。閉管は奇数倍のみ共鳴(λ=4L/3)

この閉管で、基本振動の次に共鳴する振動(3倍振動)の波長と振動数を求めよ。

問21 開管の2倍振動 ★★ 標準気柱開管共鳴

両端が開いた長さ の管がある。音の速さを 、開口端補正は無視する。

開端(腹)開端(腹)
開管の 2 倍振動。両端が腹、節が 2 つ。開管は整数倍すべて共鳴(λ=L)

この開管の 2 倍振動の波長と振動数を求めよ。

問22 気柱共鳴の実験 ★★ 標準気柱共鳴実験

ガラス管に水を入れ、水面を下げながら管口の上で振動数 の音さを鳴らすと、管口から水面までの長さがある値になるたびに大きく共鳴した。音の速さを 、開口端補正は無視する。

管口(腹)水面(節)水面を下げる
気柱共鳴。水面上は閉管(管口=腹、水面=節)。共鳴の間隔は半波長

(1) この音の波長を求めよ。

(2) 最初に共鳴してから次に共鳴するまでに、水面を何 m 下げたか。

問23 うなりから振動数を決める ★★ 標準うなり

振動数 の基準の音さ A と、振動数のわからない音さ B を同時に鳴らすと、 秒間に 回のうなりが聞こえた。次に、B に少しおもりをつけて振動数をわずかに下げると、うなりの回数が増えた。

440(基準A)437443下げると差が開く=うなり増
うなり 3 回の候補は 437 と 443。下げてうなりが増えたので 437

音さ B の振動数を求めよ。

問24 音の速さの測定(反射) ★★ 標準音速反射

崖に向かって手をたたくと、 後にこだま(反射音)が返ってきた。崖までの距離を とする。

行き 170 m帰り 170 m往復 1.0 s
こだまは崖まで往復。往復 340 m を 1.0 s で進むので音速 340 m/s

この結果から、音の速さを求めよ。

問25 y-xグラフとy-tグラフの両方を読む ★★★ 応用y-xグラフy-tグラフ波の要素

ある正弦波について、y-xグラフ(ある瞬間の波形)では山から山までが 、y-tグラフ(ある点の時間変化)では山から山までが であった。

x [m] または t [s]yO山から山(y-x なら 4.0 m=λ / y-t なら 2.0 s=T)
同じ「山から山」でも、y-x では波長、y-t では周期を表す

(1) 波長・周期・振動数・速さを求めよ。

(2) この波が 軸の正の向きに進むとき、 秒間に波形は何 m 進むか。

問26 定常波の節の位置 ★★★ 応用定常波弦の振動

両端を固定した長さ の弦が、3倍振動(腹が つ)をしている。

x [m]0.400.80
弦の 3 倍振動。節は両端と 0.40 m・0.80 m の計 4 個(L/3 ごと)

(1) この振動の波長を求めよ。

(2) 弦の左端から測って、節の位置(両端を除く)をすべて求めよ。

問27 気柱共鳴と開口端補正 ★★★ 応用気柱共鳴開口端補正

ガラス管の管口で振動数 の音さを鳴らし、水面を下げていくと、管口から水面までの長さが のとき最初に共鳴し、 のとき次に共鳴した。

第1共鳴 0.16 m第2共鳴 0.51 m差=λ/2管口(腹は少し外)
気柱共鳴。共鳴の長さの差 λ/2 は補正に無関係。第1共鳴の式から開口端補正を出す

(1) この音の波長を求めよ。

(2) 開口端補正(腹が管口より少し外側にできるためのずれ)を求めよ。

問28 音さで弦を共振させる ★★★ 応用弦の振動共振波の基本式

振動数 の音さに弦の一端をつなぎ、他端を固定して張力を調整すると、長さ の弦が腹 つの定常波(3倍振動)で共振した。

音さ固定
音さで共振する弦の 3 倍振動。弦の振動数は音さと同じ 250 Hz(λ=2L/3)

(1) この定常波の波長を求めよ。

(2) 弦を伝わる波の速さを求めよ。

問29 うなりで未知の振動数を測る ★★★ 応用うなり

振動数 の基準の音さ A と、振動数のわからない音さ X を同時に鳴らすと、 秒間に 回のうなりが聞こえた。X に少量のおもりを貼りつけて振動数をわずかに下げたところ、うなりの回数が 秒間に 回に増えた。

440(基準A)438442下げると差が開く=うなり増
うなり 2 回の候補は 438 と 442。下げてうなりが増えたので 438

音さ X のもとの振動数を求めよ。

問30 気温が変わると共鳴振動数はどうなるか ★★★ 応用気柱音速共鳴

両端が開いた長さ の管がある。開口端補正は無視する。

開端(腹)開端(腹)波長 λ=2L は一定
開管の基本振動。波長は管の長さで一定。音速が上がると振動数だけ上がる

(1) 音の速さが のとき、この開管の基本振動の振動数を求めよ。

(2) 気温が上がって音の速さが になった。基本振動の振動数はどう変わるか。値を求めよ。

問31 弦と気柱の共鳴を合わせる ★★★ 応用弦の振動気柱共鳴

両端を固定した長さ の弦が、基本振動で音を出している。弦を伝わる波の速さは である。この弦の音で、そばに置いた閉管の気柱が基本振動で共鳴した。空気中の音の速さを 、開口端補正は無視する。

弦(基本振動 300 Hz)閉管(共鳴)
弦の音(300 Hz)が閉管を共鳴させる。振動数は共通、波長は媒質ごとに違う

(1) 弦の基本振動の振動数を求めよ。

(2) 共鳴した閉管の長さを求めよ。

問32 音の反射で壁までの距離を測る ★★★ 応用反射音速

船が汽笛を鳴らすと、前方の崖で反射した音(こだま)が 後に返ってきた。このとき船は止まっているものとし、音の速さを とする。

行き帰り往復 2.0 s
こだまは崖まで往復。往復 2.0 s から片道の距離(崖まで 340 m)を求める

(1) 崖までの距離を求めよ。

(2) もし船が崖に向かって進んでいたら、こだまが返るまでの時間は より長くなるか短くなるか。

波の性質と音の解説 — つまずきやすい点と学習の順序