波の性質と音の解説
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日
波の性質と音は、波の基本量(波長・周期・振動数・速さ)とグラフの読み方から始まり、重ね合わせと定常波、反射、音の性質、うなり、弦と気柱の共鳴を扱う単元です。式は の1本が中心で、残りは「波形を描けるか」で決まります。この記事では、2種類のグラフの読み分けと、定常波の考え方、共鳴の問題の解き方を説明します。
波の基本式と2種類のグラフ
波は1周期 の間に1波長 進むので、速さは です。「1秒間に 個の波が出て、1個の長さが 」と考えると、この式は覚えるまでもありません。波の基本式、周期と振動数、音の波長を求めるで確認してください。
波のグラフには2種類あります。y-xグラフは「ある時刻の波の写真」で、横軸の1周期分が波長です。y-tグラフは「ある1点の変位の日記」で、横軸の1周期分が周期です。この2つを混同すると、波長と周期を取り違えます。y-xグラフから波の要素を読む、標準のy-xグラフとy-tグラフ、応用の両方を読むで、「どちらのグラフか」を最初に確認する習慣をつけてください。
y-xグラフから「各点が次の瞬間どちらに動くか」を読むには、波形を進行方向に少しずらして描きます(標準の波の進む向きと媒質の動き)。縦波を横波のように表示したグラフでは、密の位置と疎の位置が変位の符号の変わり目にある、という読み方を、標準の縦波の変位グラフと疎密で確認してください。
定常波は「節と腹」で決まる
逆向きに進む同じ波が重なると、進まない波(定常波)ができます。まったく振動しない点が節、最も大きく振動する点が腹で、隣り合う節と節(腹と腹)の間隔は半波長です。波の重ね合わせと定常波の節と腹で、2つの波を足した図と、節・腹の位置を確かめてください。
反射には自由端反射と固定端反射があり、固定端では反射のとき位相が反転します(山が谷になる)。反射波の作図は、「波を壁の向こうへそのまま進め、壁で折り返す(固定端ならさらに上下を反転する)」という手順です(標準の自由端反射と固定端反射)。
弦と気柱は「両端の条件」で決まる
両端を固定した弦には、両端が節になる定常波だけができます。基本振動は弦の長さが半波長、2倍振動は1波長、というふうに、腹の数が 個なら です。弦の基本振動、標準の弦の2倍振動、弦の3倍振動と振動数で、「腹の数から波長、波長と速さから振動数」の順に求める手順を固めてください。
気柱は、閉じた端が節、開いた端が腹になります。閉管(片方が閉じている)は、基本振動が で、奇数倍振動しか出ません。開管(両方開いている)は、基本振動が で、すべての倍振動が出ます。閉管の気柱の共鳴、開管、標準の閉管の3倍振動、開管の2倍振動で、「管の長さと波長の関係」を図で確かめてください。このサイトでは、管の中の定常波を図にしてあります。
気柱共鳴の実験(標準の気柱共鳴の実験、応用の開口端補正)では、開口端の腹が管の口より少し外にあるため、「共鳴する長さの差」から波長を求めます。1回目と2回目の共鳴の長さの差が半波長です。差をとると開口端補正が消える、というのがこの実験の要点です。
うなりと音の速さ
振動数のわずかに違う2つの音を同時に鳴らすと、音が大きくなったり小さくなったりします(うなり)。1秒間のうなりの回数は、振動数の差です。うなり、標準のうなりから振動数を決める、応用の未知の振動数を測るで、「差が なら候補は2つ、片方を変えたときのうなりの増減で決める」という手順を身につけてください。
音の速さは気温で変わり、 です(音の速さと気温)。反射音が返ってくるまでの時間から距離を求める問題(標準の音の速さの測定、応用の壁までの距離)では、往復の距離であることに注意します。
弦と気柱の「速さ」はどこから来るか
弦の共鳴の問題では、弦を伝わる波の速さ を、基本振動数と弦の長さから で求めることがあります(標準の弦の基本振動から速さを求める)。逆に、速さがわかっていれば、腹の数から波長を出して振動数が求まります。「速さ・波長・振動数の3つのうち2つがわかれば残りが出る」という基本式が、弦でも気柱でも背骨です。
気柱の場合、管の中を伝わるのは音なので、速さは音速( 前後)です。気温が変わると音速が変わり、同じ管でも共鳴する振動数が変わります(応用の気温が変わると共鳴振動数はどうなるか)。弦と気柱を組み合わせた問題(応用の弦と気柱の共鳴を合わせる)では、弦の振動数と気柱の共鳴振動数が一致する条件を、それぞれの基本式から立てます。
「音さで弦を共振させる」型(応用の同名の問題)は、音さの振動数が弦の固有振動数のどれかと一致したときに弦が大きく振れる、という共振の問題で、弦の 倍振動の振動数が基本振動数の 倍であることを使います。
学習の順序と次の単元へ
基礎12問で基本式、グラフ、横波と縦波、重ね合わせ、定常波、音速、うなり、弦と気柱を確認し、標準12問で2種類のグラフ、疎密、反射、倍振動、共鳴実験、うなり、音速の測定を扱い、応用8問でグラフの総合、節の位置、開口端補正、共振、気温の影響、弦と気柱の組合せへ進みます。
専門物理の「波の伝わり方と音」では、正弦波の式、屈折、干渉、ドップラー効果が加わります。「光」では、この単元の干渉と定常波の考え方が、光の干渉(ヤングの実験・薄膜)に拡張されます。