物理基礎

力と運動の法則 — つり合い・運動方程式・摩擦

いろいろな力(重力・垂直抗力・張力・弾性力)、力のつり合い、運動の3法則と運動方程式、摩擦力、圧力と浮力を扱います。

全 32 問(★基礎 12・★★標準 12・★★★応用 8)

問1 重さと質量 ★ 基礎重力質量

質量 の物体がある。地球上の重力加速度の大きさを 、月面上の重力加速度の大きさを とする。

(1) 地球上でこの物体にはたらく重力の大きさを求めよ。

(2) 月面上でのこの物体の質量と、はたらく重力の大きさを求めよ。

問2 フックの法則 ★ 基礎弾性力フックの法則

ばね定数 の軽いばねがある。

Fばね定数 25 N/m
壁につないだばねを力 F で引いて伸ばす

(1) このばねを自然の長さから 伸ばすのに必要な力の大きさを求めよ。

(2) このばねを の力で引くと、伸びは何 m になるか。

問3 糸でつるしたおもりのつり合い ★ 基礎張力力のつり合い

天井から軽い糸で質量 のおもりをつるして静止させた。重力加速度の大きさを とする。おもりにはたらく力をすべて挙げ、糸の張力の大きさを求めよ。

問4 斜面上の重力の分解 ★ 基礎力の分解斜面

傾きが「水平 、高さ 」の斜面()上に、質量 の物体が置かれている。重力加速度の大きさを とする。物体にはたらく重力を、斜面に平行な成分と斜面に垂直な成分に分解し、それぞれの大きさを求めよ。

問5 垂直抗力の大きさ ★ 基礎垂直抗力力のつり合い

水平な床の上に質量 の物体が置かれている。この物体に軽い糸をつけ、真上に の力で引いたが、物体は床から離れず静止したままだった。重力加速度の大きさを とする。床が物体におよぼす垂直抗力の大きさを求めよ。

問6 運動方程式の基本 ★ 基礎運動方程式

なめらかな水平面上に置かれた質量 の物体に、水平方向に の一定の力を加え続けた。物体に生じる加速度の大きさを求めよ。

問7 2つの力を受ける物体の運動方程式 ★ 基礎運動方程式合力

なめらかな水平面上の質量 の物体に、右向きに 、左向きに の力を同時に加えた。物体の加速度の大きさと向きを求めよ。

問8 つり合いと作用反作用の区別 ★ 基礎作用反作用力のつり合い

水平な机の上に質量 の本が置かれて静止している。重力加速度の大きさを とする。

(1) 本にはたらく重力とつり合っている力は何か。その大きさも答えよ。

(2) 本にはたらく重力の反作用は何という力か。それはどの物体にはたらいているか。

問9 静止摩擦力と最大摩擦力 ★ 基礎静止摩擦力摩擦

水平な床の上に質量 の物体が置かれている。物体と床の間の静止摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 最大摩擦力(静止摩擦力の最大値)を求めよ。

(2) この物体を水平に の力で押したところ、動かなかった。このとき物体にはたらいている静止摩擦力の大きさを求めよ。

問10 動摩擦力を受けて止まる物体 ★ 基礎動摩擦力運動方程式等加速度直線運動

水平な床の上で、質量 の物体を初速度 で滑らせた。物体と床の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体の加速度を求めよ。

(2) 物体が止まるまでに滑る距離を求めよ。

問11 水圧の計算 ★ 基礎圧力水圧

水面での大気圧を 、水の密度を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 水深 での、水だけによる圧力(水圧)を求めよ。

(2) 水深 で物体が受ける圧力(大気圧を含む)を求めよ。

問12 浮力の大きさ(アルキメデスの原理) ★ 基礎浮力アルキメデスの原理

体積 、質量 の物体を水中に完全に沈めた。水の密度を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体にはたらく浮力の大きさを求めよ。

(2) 手を放すと、物体は浮くか沈むか。理由とともに答えよ。

問13 2本の糸でつるしたおもり(対称) ★★ 標準力のつり合い力の分解

天井の 2 点から同じ長さの軽い糸を張り、質量 のおもりをつるしたところ、どちらの糸も鉛直方向と の角をなして静止した。重力加速度の大きさを とする。糸 1 本の張力の大きさを求めよ。

60°60°
同じ長さの 2 本の糸が、鉛直方向とそれぞれ 60° をなす
問14 斜面上のつり合い(糸で支える) ★★ 標準斜面力のつり合い張力

傾きが のなめらかな斜面上に質量 の物体を置き、斜面に平行な軽い糸で上方につないで静止させた。重力加速度の大きさを とする。

mgNθ
斜面に平行な糸でつないで静止。垂直抗力 N は斜面に垂直

(1) 糸の張力の大きさを求めよ。

(2) 斜面からの垂直抗力の大きさを求めよ。

問15 糸でつながれた2物体を引く ★★ 標準連結体運動方程式張力

なめらかな水平面上で、質量 の物体 A と質量 の物体 B を軽い糸でつなぎ、A を水平方向に の一定の力で引いた(B が後ろにつながれている)。

(1) 2 物体の加速度の大きさを求めよ。

(2) A と B をつなぐ糸の張力の大きさを求めよ。

問16 定滑車でつながれた2物体 ★★ 標準滑車連結体運動方程式

軽い定滑車に軽い糸をかけ、両端に質量 の物体 A と質量 の物体 B をつるして静かに放した。重力加速度の大きさを とする。

ABaa
定滑車の両側に A(3.0 kg)と B(1.0 kg)。重い A が下がる

(1) 2 物体の加速度の大きさを求めよ。

(2) 糸の張力の大きさを求めよ。

問17 エレベーター内の体重計 ★★ 標準運動方程式垂直抗力見かけの重さ

質量 の人が、エレベーターの床に置いた体重計に乗っている。重力加速度の大きさを とする。体重計が示す値(人が体重計を押す力の大きさ)を、次の各場合について求めよ。

(1) エレベーターが上向きに の加速度で動いているとき。

(2) エレベーターが下向きに の加速度で動いているとき。

問18 動き出す条件と動き出した後 ★★ 標準静止摩擦力動摩擦力運動方程式

水平な床の上に質量 の物体が置かれている。静止摩擦係数を 、動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 水平に の力で押したとき、物体は動くか。動かない場合、摩擦力の大きさも答えよ。

(2) 押す力を大きくしていくと、物体はやがて動き出した。動き出す直前の押す力の大きさを求めよ。

(3) 動き出した後も の力で押し続けた。このときの加速度の大きさを求めよ。

問19 なめらかな斜面をすべり降りる ★★ 標準斜面運動方程式等加速度直線運動

傾きの角が のなめらかな斜面の上端で、物体を静かに放した。重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体の加速度の大きさを求めよ。

(2) 放してから 後の速さと、その間に斜面に沿って進む距離を求めよ。

問20 摩擦のある斜面をすべり降りる ★★ 標準斜面動摩擦力運動方程式

傾きが の斜面上を、質量 の物体がすべり降りている。物体と斜面の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。物体の加速度の大きさを求めよ。

問21 空気抵抗と終端速度 ★★ 標準空気抵抗終端速度運動方程式

質量 の物体が空気中を落下している。物体には速さ に比例した空気抵抗 ()が上向きにはたらく。重力加速度の大きさを とする。

(1) 落下を始めた直後()の加速度の大きさを求めよ。

(2) やがて速さが一定になった。この速さ(終端速度)を求めよ。

問22 水に浮かぶ木片 ★★ 標準浮力力のつり合い

密度 、体積 の木片を水に入れると、一部を水面上に出して浮かんで静止した。水の密度を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 木片にはたらく浮力の大きさを求めよ。

(2) 木片の全体積のうち、水面下にある部分の割合を求めよ。

問23 縦につないだ2つのおもり ★★ 標準張力力のつり合い連結体

天井から軽い糸 1 で質量 のおもり A をつるし、A の下に軽い糸 2 で質量 のおもり B をつるして全体を静止させた。重力加速度の大きさを とする。糸 1、糸 2 の張力の大きさをそれぞれ求めよ。

糸1A糸2B
糸 1 は A・B 全体を、糸 2 は B だけを支える
問24 v-tグラフから質量を求める ★★ 標準運動方程式v-tグラフ

なめらかな水平面上の物体に、水平方向に の一定の力を加えたところ、物体は静止状態から動き出した。図はそのときの速度 と時刻 の関係である。

tvO4.08.0
6.0 N の力を加えたときの v-tグラフ

(1) 物体の加速度の大きさを求めよ。

(2) 物体の質量を求めよ。

問25 机の端の滑車で吊る(水平と鉛直の連結) ★★★ 応用滑車連結体運動方程式

なめらかな水平な机の上に質量 の物体 A を置き、軽い糸をつけて机の端のなめらかな軽い滑車にかけ、糸の先に質量 の物体 B をつるして静かに放した。重力加速度の大きさを とする。

A 3.0 kgB 1.0 kg
机上の A と、滑車を介してつるした B。放すと B が落ち、A が引かれる

(1) 2 物体の加速度の大きさを求めよ。

(2) 糸の張力の大きさを求めよ。

問26 摩擦のある斜面を上って戻る ★★★ 応用斜面動摩擦力等加速度直線運動

傾きが の斜面上で、物体を斜面に沿って上向きに初速度 で滑らせた。物体と斜面の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 上っている間の加速度の大きさを求めよ。

(2) 斜面に沿って上る距離を求めよ。

(3) その後、物体はすべり降りてきた。出発点に戻ったときの速さを求めよ。

問27 接触した2物体を押す(押す向きで変わる接触力) ★★★ 応用接触力連結体作用反作用

なめらかな水平面上で、質量 の物体 P と質量 の物体 Q を接触させて置く。

PQ15 N
接触させた P(2.0 kg)と Q(3.0 kg)を(1)では P 側から押す

(1) P の側から水平に で押すとき、2 物体の加速度と、P が Q を押す力の大きさを求めよ。

(2) 逆に Q の側から水平に で押すとき、Q が P を押す力の大きさを求めよ。

問28 v-tグラフから動摩擦係数を求める ★★★ 応用動摩擦力v-tグラフ実験

水平な床の上で物体を滑らせ、速度を測ったところ、図のように初速度 から一定の割合で減速し、 で静止した。重力加速度の大きさを とする。

tvO4.09.8
滑走中の v-tグラフ。傾きが −μ'g、三角形の面積が滑走距離

(1) 物体と床の間の動摩擦係数 を求めよ。

(2) 静止するまでに滑った距離を求めよ。

問29 水中でのばねばかりの読み(密度の測定) ★★★ 応用浮力力のつり合い密度

ある金属のかたまりをばねばかりにつるすと、読みは であった。次に、つるしたまま全体を水中に沈めると、読みは になった。水の密度を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) この金属にはたらく浮力の大きさを求めよ。

(2) この金属の体積を求めよ。

(3) この金属の密度を求めよ。

問30 速度に比例する抵抗(文字式) ★★★ 応用空気抵抗終端速度文字式

質量 の物体が、速さ に比例する抵抗力 ( は正の定数)を受けながら、静止状態から落下する。重力加速度の大きさを とする。

(1) 速さが のときの加速度 を、 で表せ。

(2) 終端速度 を求めよ。

(3) 速さが になった瞬間の加速度を、 で表せ。

問31 水平な糸と斜めの糸でつるす(非対称のつり合い) ★★★ 応用力のつり合い力の分解張力

質量 のおもりに 2 本の軽い糸をつける。糸 2 は天井の点から斜めに張られ、鉛直方向と角 ()をなす。糸 1 は壁から水平に張られている。おもりは静止している。重力加速度の大きさを とする。

糸1糸2θ
壁からの水平な糸 1 と、天井からの斜めの糸 2 でおもりをつるす

(1) 斜めの糸 2 の張力 を求めよ。

(2) 水平な糸 1 の張力 を求めよ。

問32 斜面を傾けていくと滑り出す角(摩擦角) ★★★ 応用静止摩擦力斜面文字式

水平な板の上に物体を置き、板の一端をゆっくり持ち上げて傾きの角 を大きくしていく。物体と板の間の静止摩擦係数を 、動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体が滑り出す直前の角 について、 が成り立つことを示せ。

(2) のとき、滑り出す角 の角である。この角のまま滑り出した後の加速度の大きさを、 として求めよ。

力と運動の法則の解説 — つまずきやすい点と学習の順序