物理基礎 / 力と運動の法則

動摩擦力を受けて止まる物体

★ 基礎動摩擦力運動方程式等加速度直線運動

問題

水平な床の上で、質量 の物体を初速度 で滑らせた。物体と床の間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体の加速度を求めよ。

(2) 物体が止まるまでに滑る距離を求めよ。

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滑っている間はたらく摩擦力の大きさは μ'N で一定。運動方程式で加速度を出したら、あとは「運動の表し方」の公式の出番だ。

解答・解説

方針

動摩擦力 μ'N が運動と逆向きにはたらく。運動方程式で加速度を出し、あとは前単元の等加速度公式(v²−v₀²=2ax)につなぐ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 この問題は 2 つの単元の合わせ技だ。力の話(運動方程式で加速度を出す)→ 運動の話(等加速度の公式で距離を出す)。この受け渡しが力学の基本パターンになる。

公式動摩擦力 (滑っている間、運動と逆向きに一定)

① 加速度を出す。

垂直抗力は 。進行方向を正とすると、はたらく水平方向の力は動摩擦力だけで

運動と逆向きに大きさ

② 距離を出す。

止まる()までの距離は、時間を含まない公式で

2.0 kgv(運動の向き)動摩擦 4.9 N
粗い面(下の細かい線)をすべる物体には、運動と逆向きに一定の動摩擦力がはたらく

まとめ 途中式をよく見ると、加速度 質量が出てこない。重い物体ほど摩擦力は大きいが、動かしにくさも同じ割合で大きいから、ちょうど相殺する。滑る距離も質量によらない — 自由落下と同じ構造だ。

(1) 運動と逆向きに (2)

別解

摩擦力を数値で追うルート(苦手な人向け)。 垂直抗力 、動摩擦力

運動方程式 より

以降は同じ。文字で先にまとめる(本解)か、数値を順に出す(この別解)かの違いで、結果は当然一致する。慣れるまでは数値ルートで確実に進めばよい。

ポイント

  • 力 → 加速度 → 運動、の受け渡しが力学の基本
  • 動摩擦力は μ'N で一定(静止摩擦と違い調節しない)
  • a=−μ'g は質量によらない

よくある間違い

  • 動摩擦力と最大静止摩擦力を混同する(滑走中は μ'N。ふつう μ'<μ₀)
  • 止まった後も摩擦力がはたらき続けて逆走すると考える(止まれば動摩擦は消える)
  • の桁を誤って 1.0 m や 100 m とする