物理基礎 / 力と運動の法則

水平な糸と斜めの糸でつるす(非対称のつり合い)

★★★ 応用力のつり合い力の分解張力

問題

質量 のおもりに 2 本の軽い糸をつける。糸 2 は天井の点から斜めに張られ、鉛直方向と角 ()をなす。糸 1 は壁から水平に張られている。おもりは静止している。重力加速度の大きさを とする。

糸1糸2θ
壁からの水平な糸 1 と、天井からの斜めの糸 2 でおもりをつるす

(1) 斜めの糸 2 の張力 を求めよ。

(2) 水平な糸 1 の張力 を求めよ。

ヒントを見る

水平・鉛直の 2 方向に分けよう。鉛直方向の力は重力と、斜めの糸の鉛直成分だけ — まず T₂ が決まる。

解答・解説

方針

3 力(重力・水平張力・斜め張力)のつり合い。鉛直方向は斜め糸だけが重力を支えるので、鉛直の式から T₂、水平の式から T₁ の順に決まる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 非対称の 3 力のつり合いは、水平・鉛直に分解して 2 本の式を立てる。解く順番にコツがあり、未知数が 1 つしかない方向から手をつける。

鉛直方向を見ると、上向きの力は糸 2 の鉛直成分だけ(糸 1 は水平なので鉛直成分ゼロ)。だから鉛直の式から が先に決まる。

① 鉛直方向のつり合い。

糸 2 の鉛直成分は 。重力は

② 水平方向のつり合い。

糸 2 の水平成分 と、糸 1 の張力がつり合う。

まとめ 斜めの糸の張力 は、おもりの重さ よりずっと大きい。斜めに支えると、鉛直成分しか重力を受け持てないため、張力そのものは大きくなるからだ。3 つの力(29.4、39.2、49)が 3:4:5 になっていることにも注目 — 力の三角形が糸の幾何と相似になっている。

(1) (2)

別解

力の三角形(3:4:5)で見るルート(得意な人向け)。 つり合う 3 力は、矢印をつないで閉じた三角形をつくる。重力(鉛直)と (水平)は直交するから、この三角形は直角三角形で、斜辺が

糸 2 の向き()から、三角形の辺の比は 。鉛直の辺=重力 が「3」に当たるから、1 目盛

成分の式を立てずに、比例配分だけで解けてしまう。3 力のつり合い=閉じた三角形、という描像は覚えておく価値がある。

ポイント

  • 未知数が 1 つの方向(鉛直)から解く
  • 斜め支えの張力は重力より大きくなる
  • 3 力のつり合い=力の三角形が閉じる

よくある間違い

  • sin と cos の割り当てを誤る(θ は鉛直との角。鉛直成分が cosθ)
  • 水平の糸 1 に鉛直成分を持たせてしまう(水平な糸は水平にしか引けない)
  • T₂ を重力と等しい 29.4 N とする(鉛直成分だけが 29.4 N。張力はそれより大きい)