物理基礎 / 力と運動の法則

v-tグラフから動摩擦係数を求める

★★★ 応用動摩擦力v-tグラフ実験

問題

水平な床の上で物体を滑らせ、速度を測ったところ、図のように初速度 から一定の割合で減速し、 で静止した。重力加速度の大きさを とする。

tvO4.09.8
滑走中の v-tグラフ。傾きが −μ'g、三角形の面積が滑走距離

(1) 物体と床の間の動摩擦係数 を求めよ。

(2) 静止するまでに滑った距離を求めよ。

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減速の加速度はグラフの傾きから読める。動摩擦だけで減速する物体の加速度は a=μ'g だった — これを μ' について解けば、観測から係数が決まる。

解答・解説

方針

グラフの傾きから加速度を読み、a=μ'g の関係から μ' を逆算する。距離は v-tグラフの三角形の面積。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 動摩擦係数は表で与えられるものではなく、実験で測る量だ。測り方はこの問題の流れそのもの: 滑らせて、減速の様子(v-tグラフ)を記録し、加速度から逆算する。

① 傾きから加速度、そして μ'。

動摩擦だけで減速する物体では、運動方程式 より 。よって

② 滑った距離。

v-tグラフの三角形の面積で

まとめ に質量が出てこないので、物体の質量を測らなくても μ' が決まるのがこの実験の便利なところ。グラフが直線であること自体が「動摩擦力は速さによらず一定」という法則の実験的な証拠にもなっている。

発展 — 一歩先へ。 同じ床でも、動き出す瞬間を調べれば静止摩擦係数 μ₀ が測れる(床をゆっくり傾けて滑り出す角から tanθ₀=μ₀)。この 2 つの測定を組み合わせるのが、摩擦の実験の定番の構成だ。

(1) (2)

別解

距離を公式で出すルート(検算)。 面積を使わずに、時間を含まない公式でも

面積(グラフ)と公式(式)の両方で同じ値が出ることを確かめておくと、どちらか一方をど忘れしても復元できる。

ポイント

  • μ'=|a|/g(質量不要で測れる)
  • v-tグラフの直線性=動摩擦力が一定の証拠
  • 距離は三角形の面積でも公式でも

よくある間違い

  • μ' を求める式で質量が要ると思い込み手が止まる(a=μ'g に m は出てこない)
  • 傾きの符号を無視して μ' を負にする(係数は大きさ。|a| を使う)
  • 距離を 9.8×4.0=39.2 m とする(等速ではなく減速。面積は三角形)