物理基礎 / 力と運動の法則

空気抵抗と終端速度

★★ 標準空気抵抗終端速度運動方程式

問題

質量 の物体が空気中を落下している。物体には速さ に比例した空気抵抗 ()が上向きにはたらく。重力加速度の大きさを とする。

(1) 落下を始めた直後()の加速度の大きさを求めよ。

(2) やがて速さが一定になった。この速さ(終端速度)を求めよ。

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「速さが一定になった」を加速度のことばに言いかえると何になるか。そのとき重力と空気抵抗はどんな関係だろう。

解答・解説

方針

落下中の運動方程式は ma=mg−kv。v=0 なら抵抗ゼロで a=g。速さ一定=加速度 0 とおけば終端速度が出る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 速く落ちるほど空気抵抗が強くなる。するとやがて重力とつり合って、それ以上速くなれなくなる — これが終端速度の仕組みだ。

「一定の速さになった」は「加速度が になった」と翻訳する。

① 落下直後。

下向きを正として、運動方程式は

では抵抗がないから

② 終端速度。

速さ一定 → とおく。

tvO終端速度 10
落下の v-tグラフ。傾き g で始まり、終端速度 10 m/s に近づいていく

まとめ v-tグラフは、はじめ傾き で立ち上がり、だんだん寝てきて 吸い寄せられる曲線になる。雨粒が地上で危険な速さにならないのは、この終端速度のおかげだ(小さな雨粒なら数 m/s 程度)。

発展 — 一歩先へ。 スカイダイバーは体勢で を変えられる。体を広げれば が大きくなり終端速度が下がる( が分母)。パラシュートは を一気に大きくして を着地できる速さまで下げる道具、と読める。

(1) (2)

別解

力の勝ち負けの推移で見るルート(苦手な人向け)。 落下開始時: 重力 対 抵抗 — 重力の圧勝で加速。

のとき: 抵抗 — まだ重力が勝つが差は半分。

: 抵抗 — 引き分け。合力 で、もう速くならない。

速くなるほど「勝ち幅」が縮んでいき、引き分けの速さで落ち着く。終端速度は力の引き分け点だ。

ポイント

  • 終端速度は「a=0」とおいて求める
  • v_t=mg/k(重力と抵抗のつり合い)
  • v-tグラフは g の傾きで始まり v_t に漸近

よくある間違い

  • 「一定の速さ」を v=0 と混同する(止まるのではなく等速で落ち続ける)
  • 終端速度でも加速し続けると考える(合力 0 なので加速度 0)
  • k の単位を無視して mg×k のように掛けてしまう(次元を確かめる)