物理基礎 / 力と運動の法則
空気抵抗と終端速度
問題
質量 の物体が空気中を落下している。物体には速さ に比例した空気抵抗 ()が上向きにはたらく。重力加速度の大きさを とする。
(1) 落下を始めた直後()の加速度の大きさを求めよ。
(2) やがて速さが一定になった。この速さ(終端速度)を求めよ。
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「速さが一定になった」を加速度のことばに言いかえると何になるか。そのとき重力と空気抵抗はどんな関係だろう。
解答・解説
方針
落下中の運動方程式は ma=mg−kv。v=0 なら抵抗ゼロで a=g。速さ一定=加速度 0 とおけば終端速度が出る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 速く落ちるほど空気抵抗が強くなる。するとやがて重力とつり合って、それ以上速くなれなくなる — これが終端速度の仕組みだ。
「一定の速さになった」は「加速度が になった」と翻訳する。
① 落下直後。
下向きを正として、運動方程式は
では抵抗がないから
② 終端速度。
速さ一定 → とおく。
まとめ v-tグラフは、はじめ傾き で立ち上がり、だんだん寝てきて に吸い寄せられる曲線になる。雨粒が地上で危険な速さにならないのは、この終端速度のおかげだ(小さな雨粒なら数 m/s 程度)。
発展 — 一歩先へ。 スカイダイバーは体勢で を変えられる。体を広げれば が大きくなり終端速度が下がる( で が分母)。パラシュートは を一気に大きくして を着地できる速さまで下げる道具、と読める。
(1) (2)
別解
力の勝ち負けの推移で見るルート(苦手な人向け)。 落下開始時: 重力 対 抵抗 — 重力の圧勝で加速。
のとき: 抵抗 — まだ重力が勝つが差は半分。
: 抵抗 — 引き分け。合力 で、もう速くならない。
速くなるほど「勝ち幅」が縮んでいき、引き分けの速さで落ち着く。終端速度は力の引き分け点だ。
ポイント
- 終端速度は「a=0」とおいて求める
- v_t=mg/k(重力と抵抗のつり合い)
- v-tグラフは g の傾きで始まり v_t に漸近
よくある間違い
- 「一定の速さ」を v=0 と混同する(止まるのではなく等速で落ち続ける)
- 終端速度でも加速し続けると考える(合力 0 なので加速度 0)
- k の単位を無視して mg×k のように掛けてしまう(次元を確かめる)