物理基礎 / 力と運動の法則
エレベーター内の体重計
問題
質量 の人が、エレベーターの床に置いた体重計に乗っている。重力加速度の大きさを とする。体重計が示す値(人が体重計を押す力の大きさ)を、次の各場合について求めよ。
(1) エレベーターが上向きに の加速度で動いているとき。
(2) エレベーターが下向きに の加速度で動いているとき。
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人にはたらく力は重力と体重計からの垂直抗力の 2 つ。人もエレベーターと同じ加速度で動いていることを運動方程式にしよう。
解答・解説
方針
人に注目して運動方程式 ma=N−mg を立てる。体重計の読みは垂直抗力 N の反作用なので、N を求めればよい。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 体重計が示すのは「人が体重計を押す力」で、これは垂直抗力 の反作用。だから人に注目して を求めればよい。
人はエレベーターと同じ加速度で動いているから、つり合いではなく運動方程式を立てる。
① 上向き加速のとき。
上向きを正として、人の運動方程式は
ふだん()より重く表示される。
② 下向き加速のとき。
加速度は だから
軽く表示される。
まとめ エレベーターが上に加速する瞬間、体が沈み込むように感じるあの体感が だ。式の形 は「見かけの重力加速度が になった」と読める。もし下向きに で落ちれば — 無重量状態。国際宇宙ステーションの「無重力」は、この が続いている状態にほかならない。
(1) (2)
別解
速度でなく加速度が効くことの確認ルート(つまずき対策)。 「上昇中か下降中か」で答えを分けたくなるが、式に入るのは加速度だけ。
たとえば「下降しながら減速している」エレベーターの加速度は上向きだから、(1)と同じ になる。等速で動いていれば、上昇中でも下降中でも 。体重計の読みを変えるのは動く向きではなく「速度の変化」だ、という理解が本質になる。
ポイント
- 体重計の読み=垂直抗力 N(の反作用)
- N=m(g+a)(上向き加速)、N=m(g−a)(下向き加速)
- 効くのは速度でなく加速度
よくある間違い
- 「上昇中なら重い」と向きだけで判断する(下降中でも減速なら重くなる。加速度で判断)
- 等速運動でも読みが変わると考える(a=0 なら 490 N のまま)
- 運動方程式の左辺に N を、右辺に ma を置くなど式の形が崩れる(ma=合力、で統一)