物理基礎 / 力と運動の法則

浮力の大きさ(アルキメデスの原理)

★ 基礎浮力アルキメデスの原理

問題

体積 、質量 の物体を水中に完全に沈めた。水の密度を 、重力加速度の大きさを とする。

(1) 物体にはたらく浮力の大きさを求めよ。

(2) 手を放すと、物体は浮くか沈むか。理由とともに答えよ。

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浮力の大きさは「物体が押しのけた水の重さ」。押しのけた水の体積・質量・重さを順に計算しよう。

解答・解説

方針

浮力=押しのけた水の重さ(ρVg)。浮くか沈むかは、浮力と重力の大小比較で決まる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 浮力の大きさは押しのけた水の重さに等しい。これがアルキメデスの原理だ。

完全に沈んでいるから、押しのけた水の体積=物体の体積

定理アルキメデスの原理: 浮力 (: 液体の密度、: 液体中の体積)

① 浮力を求める。

押しのけた水の質量は 。その重さが浮力だから

② 浮くか沈むか。

物体の重力は

重力が勝つので沈む。合力は下向きに

浮力 19.6 N重力 29.4 N
水中の物体。浮力(上、19.6 N)より重力(下、29.4 N)が大きいので沈む

まとめ 浮くか沈むかは、結局物体の密度と水の密度の比較と同じことだ。この物体の密度は で水より大きい → 沈む。「密度の大きいものは沈む」という日常の感覚が、浮力の式でそのまま正当化される。

(1) (2) 重力 のほうが浮力より大きいので沈む(合力は下向き )

別解

同じ体積の水と入れ替えるルート(苦手な人向け)。 物体のあった場所に、同じ形の「水のかたまり」()を置いたと想像する。水のかたまりは浮きも沈みもしない — まわりの水が支えてくれているからだ。

その支える力(=浮力)は、水のかたまりの重さ にちょうど等しい。物体に入れ替えても、まわりの水が押す力は同じ 。これがアルキメデスの原理の意味そのものだ。

ポイント

  • 浮力=押しのけた液体の重さ ρVg
  • 浮沈は浮力と重力(=密度どうし)の比較
  • 完全に沈んでいれば V は物体の全体積

よくある間違い

  • 浮力の計算に物体の質量 3.0 kg を使う(使うのは押しのけた水の質量 2.0 kg)
  • 深いほど浮力が大きくなると考える(完全に沈んでいれば浮力は深さによらない)
  • (2)で浮力だけを見て「浮く」と答える(重力との大小を比較する)