関数と極限の解説
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日
関数と極限は、数学IIIの最初の単元で、分数関数・無理関数・逆関数といった関数の準備と、数列の極限・無限級数・関数の極限・連続性という「極限」の本体からなります。極限は、その後の微分・積分の定義そのものであると同時に、単独でも入試の頻出分野です。この記事では、極限の問題を「型」で分類し、それぞれの処理を説明します。
関数の準備: 分数関数・無理関数・逆関数
分数関数 のグラフは、漸近線 、 をもつ双曲線です。一般形 は、割り算してこの形に直します。無理関数 は、定義域(根号の中が0以上)を最初に確認します。分数関数のグラフと無理関数のグラフで、漸近線と定義域を図に描く練習をしてください。
逆関数は、 と を入れ替えて について解いたもので、グラフは直線 に関して対称です。元の関数の値域が逆関数の定義域になる、という対応を逆関数で確認してください。
数列の極限は3つの型
の形は、分母の最高次の項で分子分母を割ります。 の形(根号の差など)は、有理化して の形に直します。無限等比数列 は、 なら0、 なら1、 なら発散、 なら振動(発散)です。数列の極限(分数)、標準の∞-∞・有理化、無限等比数列の極限で、この3つの型を固めてください。
型に当てはまらない数列は、はさみうちの原理を使います。 のように上下から押さえて、両側が同じ極限に収束すれば、真ん中も収束します。標準のはさみうちの原理と難関の階乗を含む数列の極限で、押さえ方の練習をしてください。
漸化式で定まる数列の極限(応用の同名の問題)は、まず極限値 を「 とおいた方程式」から予想し、 の形の不等式を作って、はさみうちで に収束することを示します。この「予想して、はさみうちで確認」は、数列の極限の定番の型です。
無限級数は部分和の極限
無限級数の和は、「第 項までの部分和 を求めて、 の極限をとる」と定義されます。無限等比級数 は、 のとき に収束します。無限等比級数、標準の係数つき、収束条件で、収束条件 を必ず確認する習慣をつけてください。循環小数を分数に直す問題(標準の同名の問題)は、無限等比級数の応用です。
部分分数分解で途中が消える級数(標準の部分分数)は、数学Bの数列の和と同じ計算で部分和を求めてから極限をとります。図形に無限等比級数が現れる問題(応用の図形と無限等比級数)は、「相似比が公比になる」ことを図で確かめて式を立てます。
関数の極限は「不定形の解消」
関数の極限 で、そのまま代入すると になる形が不定形です。因数分解して共通因数を消すか、有理化します。関数の極限(0分の0)と標準の有理化で確認してください。 のときは、数列の極限と同じく最高次で割ります。
三角関数の極限は、 に帰着させます。 なら と直します。 は、 を使うか、半角の公式で に直します。三角関数の極限、標準の角の調整、1-cos、応用のtan-sin、sin/sinの順に、帰着の仕方を1つずつ確認してください。
連続性と中間値の定理
関数が で連続であるとは、 が成り立つことです。場合分けで定義された関数のつなぎ目で、左右の極限と関数の値が一致するかを調べます(関数の連続性)。
中間値の定理は、「連続な関数が区間の両端で異符号なら、その間に となる がある」という定理で、方程式の解の存在を示すのに使います(標準の中間値の定理、難関の解の存在)。解を求めるのではなく「あることを示す」問題である点が、この単元の特徴です。
学習の順序と入試での出方
基礎12問は、分数関数、無理関数、逆関数、数列の極限、無限等比数列、無限等比級数、関数の極限、三角関数の極限、連続性の順です。標準12問で有理化、循環小数、はさみうち、部分分数の級数、中間値の定理、収束条件を扱い、応用8問で三角関数の極限の応用、(等差)×(等比)の無限級数、図形の級数、漸化式の極限へ進みます。
入試では、極限は数列(漸化式・和の評価)や積分(区分求積法)と組み合わさって出ます。実戦編には区分求積法、 への帰着、 の極限、ライプニッツ級数を、最難関編には調和級数の発散、 の解の一意性、 の正弦の極限など、極限の本質を問う問題を集めました。