数学III / 関数と極限
循環小数を分数に(無限級数)
問題
循環小数 を、無限等比級数を用いて分数で表せ。
ヒントを見る
を『位ごとの和』に分解して書き並べてみよう。それはまさに無限等比級数の形をしている。
解答・解説
方針
と、無限等比級数に分解する。初項 、公比 。和の公式 を使う。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 を「桁ごとにばらす」と、無限等比級数が現れる。
各項は前の項の — 初項 、公比 の無限等比級数だ。 だから収束して
「循環小数 桁の無限級数」という見方が、この問題の主題である。
公式循環小数は無限等比級数。和
① 無限等比級数に分解する。
初項 、公比 ()。
② 和の公式に入れる。
まとめ:循環小数は「同じ数字がくり返す無限等比級数」。 と分けると、初項 ・公比 。和の公式で分数に直せる。 の確認にもなる。
発展 — 一歩先へ。 同じ級数分解で、どんな循環小数も分数に直せる。 は初項 ・公比 で — 「循環節を で割る」という数Aの規則の正体が、和の公式の分母 だったと分かる。
この事実の裏返しとして、 — 「 はちょうど 」という有名な等式も級数の収束として正確に意味づけられる。循環小数の世界は、無限等比級数の応用例そのものである。
答
別解
数Aで習った「 倍して引く」古典手法と、今回の級数ルートを並べてみよう。
とおく。 倍すると小数点が つ動いて
より — 級数の答えと一致する。
実はこの つ、同じことをしている。「 の小数部分がもとの と同じ」という観察は、級数の言葉では「公比 の自己相似(尻尾が全体の )」そのもの。 倍法の は、和の公式の分母 を 倍した姿だ。
数Aでは天下り的だった「 倍して引く」に、極限の理屈(部分和が収束するからこの操作が正当)という土台が入る — 単元をまたいで同じ事実を二度見る価値はここにある。
ポイント
- 循環小数 = 無限等比級数。
- 初項と公比を読んで 。
よくある間違い
- 公比を と誤読する(となりの項との比は )
- を約分せず小数 に戻して堂々巡りになる
- 「収束するか」の確認なしに無限の足し算を有限の値と同一視する(答案では に触れる)