数学III / 関数と極限

無限等比級数の収束条件

★★ 標準無限級数収束条件

問題

無限等比級数 が収束するような の範囲を求めよ。また、 のときの和を求めよ。

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無限等比級数が収束するための公比の条件を答える問題。条件を確認したら、与えられた公比で和の公式に乗せる。

解答・解説

方針

無限等比級数が収束するのは のとき(初項が でない場合)。 はこの範囲内なので、和 を計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 無限等比級数 が「収束する」とは、部分和 ()が一定の値に落ち着くこと。

の中で とともに動く部品は だけ。 が収束する条件はよく知っているとおり だが、 は別扱い( で発散)。

よって収束条件は はこの範囲にあるから、和は と確定する。

定理無限等比級数(初項 )が収束する条件は ()。和は

① 収束条件を書く。 公比 について

( だと項が に向かわず、和が発散する。)

の和を求める。 を満たす。初項

まとめ:無限等比級数の収束は「公比の大きさ 」が絶対条件。この範囲でだけ和 が意味をもつ。 では項が小さくならず、無限に足すと発散する。

発展 — 一歩先へ。 一般の無限等比級数(初項 )では、収束条件は「 または 」— 初項が なら公比が何であれ全項 で収束する。この見落としがちな例外は、初項に文字を含む応用問題( の収束条件など)で正面から問われる。

は歴史的にも有名で、「 では?」という誤答(グランディ級数)を巡って 世紀の数学者が論争した。部分和の極限、という現代の定義が確立して初めて「収束しない」と決着した — 定義を厳密にする意味を物語る級数である。

収束条件 のとき和

別解

条件 の輪郭を、境界の実例で確かめておくと忘れない。

  • (範囲内): 部分和は の形で、 に向かってじわじわ登る。収束
  • (境界): 、部分和は そのもの。発散
  • (境界): 、部分和は と永遠に振動。行き先が定まらず収束しない
  • (範囲外): 、爆発的に発散

境界の つ()がどちらもダメ — だから不等号は両方とも「」で、等号は入らない。

「公式の適用条件は、境界の反例とセットで覚える」。 という記号の暗記より、 が振動する絵の方が、試験場で確実に思い出せる。

ポイント

  • 収束条件は ()。
  • 収束するときのみ和

よくある間違い

  • 収束条件に を含めて とする( は部分和 で発散)
  • の条件()と混同して を「収束」に数える( でも収束するが級数は別)
  • 和の公式の分母を とする・ の代入で の繁分数を誤る