数学III / 関数と極限
無限等比級数の収束条件
問題
無限等比級数 が収束するような の範囲を求めよ。また、 のときの和を求めよ。
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無限等比級数が収束するための公比の条件を答える問題。条件を確認したら、与えられた公比で和の公式に乗せる。
解答・解説
方針
無限等比級数が収束するのは のとき(初項が でない場合)。 はこの範囲内なので、和 を計算する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 無限等比級数 が「収束する」とは、部分和 ()が一定の値に落ち着くこと。
の中で とともに動く部品は だけ。 が収束する条件はよく知っているとおり だが、 は別扱い( で発散)。
よって収束条件は 。 はこの範囲にあるから、和は と確定する。
① 収束条件を書く。 公比 について
( だと項が に向かわず、和が発散する。)
② の和を求める。 は を満たす。初項 。
まとめ:無限等比級数の収束は「公比の大きさ 」が絶対条件。この範囲でだけ和 が意味をもつ。 では項が小さくならず、無限に足すと発散する。
発展 — 一歩先へ。 一般の無限等比級数(初項 )では、収束条件は「 または 」— 初項が なら公比が何であれ全項 で収束する。この見落としがちな例外は、初項に文字を含む応用問題( の収束条件など)で正面から問われる。
の は歴史的にも有名で、「 では?」という誤答(グランディ級数)を巡って 世紀の数学者が論争した。部分和の極限、という現代の定義が確立して初めて「収束しない」と決着した — 定義を厳密にする意味を物語る級数である。
収束条件 、 のとき和
別解
条件 の輪郭を、境界の実例で確かめておくと忘れない。
- (範囲内): 部分和は — の形で、 に向かってじわじわ登る。収束。
- (境界): 、部分和は そのもの。発散。
- (境界): 、部分和は と永遠に振動。行き先が定まらず収束しない。
- (範囲外): 、爆発的に発散。
境界の つ()がどちらもダメ — だから不等号は両方とも「」で、等号は入らない。
「公式の適用条件は、境界の反例とセットで覚える」。 という記号の暗記より、 が振動する絵の方が、試験場で確実に思い出せる。
ポイント
- 収束条件は ()。
- 収束するときのみ和 。
よくある間違い
- 収束条件に を含めて とする( は部分和 で発散)
- の条件()と混同して を「収束」に数える( は でも収束するが級数は別)
- 和の公式の分母を とする・ の代入で の繁分数を誤る