数学III / 関数と極限

中間値の定理

★★ 標準中間値の定理連続関数

問題

方程式 の範囲に少なくとも つの実数解をもつことを、中間値の定理を用いて示せ。

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連続な関数が区間の両端で符号を変えれば、途中で必ず を通る — 問題が指定する定理の主張はこれ。両端の値の符号を確かめて、条件がそろっていることを述べよう。

解答・解説

方針

とおく。 は連続。 の符号が反対(片方が負、片方が正)なら、中間値の定理より、あいだで となる が存在する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「解を求めよ」ではなく「解があることを示せ」— 存在証明だ。 次方程式の解の公式を知らなくても、存在だけなら言える。それが中間値の定理の仕事である。

とおく。多項式だから は連続 — グラフは切れ目なくつながっている。

で海面下、 で海面上。切れ目なくつながった線が海面下から海面上へ行くには、途中で必ず海面()を横切る — その横切る場所が解だ。

定理中間値の定理: で連続で が異符号なら、 となる に存在

① 関数をおき、連続性を確認する。 。多項式なので連続。

② 両端の符号を調べる。

③ 中間値の定理を適用する。 で符号が反対。 は連続なので、中間値の定理より となる に少なくとも つ存在する。

よって方程式 に実数解をもつ。

xyOf(1)=−1f(2)=512
y=x³−x−1。f(1)=−1<0, f(2)=5>0 なので(1,2)で x軸を横切る

まとめ:中間値の定理は「連続なグラフが負から正へ移るなら、途中で必ず を通る」という当たり前を保証する定理。使い方は「連続を確認 → 両端の符号が反対を示す」の 点。解を具体的に求めなくても、存在だけは言える。

発展 — 一歩先へ。 「連続」の仮定はどこまで本質か — 反例で確かめると定理の輪郭が見える。 だが、間に解はない( で不連続に飛んでいる)。符号の変化だけでは足りず、「切れ目なく」が効いていた。

この解 は「プラスチック数」と呼ばれ、 を満たす特別な定数(黄金比 次版)。存在証明 → 二分法 → 特別な定数、と 問の裏に数学の層が重なっている。

f(1)<0<f(2) なので f(x)=0 となる x が (1,2) に存在

別解

中間値の定理は「あるかないか」しか教えない — が、同じ発想を繰り返すと、解の居場所をどこまでも絞り込める。

区間 の真ん中 で値を見る。

だから、解は前半分 にいる。もう一度真ん中で

今度は — 解は に。 回の計算ごとに、解の居場所の幅が半分になる。

回繰り返せば幅は約 回で 万分の 。この「二分法」は、コンピュータが方程式を解く最も基本的なアルゴリズムで、中間値の定理はその正しさの保証書だ(実際の解は )。

存在定理は抽象的に見えて、実は「計算で解を捕まえる手続き」の心臓部になっている。

ポイント

  • 連続 + 両端が異符号 → あいだに解が存在。
  • 解の存在だけを示す(値は求めない)。

よくある間違い

  • が連続であることに触れない(定理の前提。多項式だから連続、の一言を必ず書く)
  • の値だけ書いて「符号が異なる」の明言と定理の適用文を省く
  • 「少なくとも つ」を「ちょうど つ」と書く(個数の議論には増減の情報が別に要る)