数学III / 関数と極限
図形と無限等比級数
問題
辺 の正方形 の各辺の中点を結んで正方形 を作り、 の各辺の中点を結んで を作る。この操作を限りなく続けるとき、すべての正方形の面積の総和を求めよ。
ヒントを見る
隣り合う正方形の面積の比を図で確かめるのが第一歩。比が一定と分かれば、面積の総和は無限等比級数として計算できる。
解答・解説
方針
各正方形の面積が前の正方形の何倍になるかを調べる。中点を結んでできる正方形の面積は、もとの正方形の 。よって面積は初項 、公比 の無限等比級数になる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 まず図で、隣り合う正方形の面積の比を確かめる。
各辺の中点を結んでできる正方形は、もとの正方形のちょうど半分の面積になる。
つまり面積は毎回 倍。面積の列は初項 、公比 の等比数列だ。
図形の縮小の繰り返しを、公比を見つけて無限等比級数に翻訳する。これが主題になる。
① 面積比を求める。 辺 の正方形の各辺の中点を結ぶと、新しい正方形の 辺は (対角線の半分の関係)。面積は 倍になる。
② 面積の列を書く。 の面積は
初項 、公比 の無限等比級数。
③ 和を求める。
まとめ:図形をどんどん小さく作る問題は「 ステップの縮小率」を見抜くのが第一歩。ここは面積が毎回 倍なので、面積の総和は初項 ・公比 の等比級数。無限に作っても総和は に収まる。
発展 — 一歩先へ。 辺の比は 。正方形は毎回 傾きながら 倍に縮み、共通の中心へ渦を巻くように収束していく。
面積の比 は、この辺の比 の 乗にあたる。周の長さは公比 の等比級数になり、 に収束する。長さの和も、ちゃんと有限だ。
一般に、 ステップで面積が 倍()に縮む自己相似な図形なら、総面積は 。縮小率さえ読めれば、無限に作っても総和は有限に収まる。
別解
別解 — 全体を「自分の半分」で表す(苦手な人向けの視点)。 総和 を、公式を使わずに求めてみる。
いちばん外の を除いた残り に注目する。これは、もとの図全体をそっくり に縮めたもの。だから残りの面積は 。
すると
より 、すなわち 。無限等比級数の公式 を使う本解と同じ答え。「全体が自分自身の縮小コピーを含む」という自己相似の見方で、方程式を つ解くだけで総和が出る。
ポイント
- ステップの面積比(公比)を図で見抜く。
- 面積の総和は無限等比級数 。
よくある間違い
- 面積の比を求めるべきところで、 辺の比 をそのまま公比としてしまう。
- 公比を と正しく取れても、初項を でなく から数え始める。
- 無限に足すのだから総和も限りなく大きくなるはず、と収束を疑ってしまう。