指数関数・対数関数の解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

指数関数・対数関数は、指数を整数から実数へ広げ、その逆の操作として対数を定義し、それぞれの関数のグラフ・方程式・不等式・最大最小を扱う単元です。前半(指数)と後半(対数)は鏡のような関係にあり、片方を理解すれば、もう片方は「逆から見る」だけで済みます。この記事では、両者に共通する考え方と、対数特有の注意点、常用対数の使い方を説明します。

指数法則は「掛け算を足し算に変える」

の指数法則は、指数が0や負、分数になっても同じ形で成り立ちます。 です。指数法則(0・負の指数)有理数の指数と累乗根で、累乗根を指数に直して計算する練習をしてください。累乗根のまま計算するより、すべて の形に直すほうが、法則が機械的に使えて間違えません。

大小比較は、底をそろえて指数を比べるか、指数をそろえて底を比べます。底が1より大きいなら指数の大きいほうが大きく、底が1より小さいなら逆です(指数の大小比較、標準の累乗根の大小比較)。

対数は「指数を取り出す記号」

は「 を何乗すると になるか」という数です。 は同じことを言っています。この定義に戻れば、対数の性質(積の対数は対数の和、累乗の対数は指数倍)は指数法則の言い換えだとわかります。対数の定義対数の性質で、定義から性質を導いてください。

底の変換公式 は、底の違う対数を混ぜて計算するときに使います(底の変換、標準の対数の計算(底の変換)、応用の底のちがう対数の和)。 という関係もここから出ます。

方程式・不等式は「置き換え」と「真数条件」

指数方程式・不等式で、 が混ざっていたら、()とおいて の2次方程式・不等式にします。 の条件を忘れると、負の解を採用してしまいます(標準の指数方程式(置き換え)指数不等式(置き換え))。

対数方程式・不等式では、まず真数が正である条件(真数条件)を書き、そのうえで式を解き、最後に真数条件と合わせます。この順序を守らないと、真数が負になる「解」を答えに含めてしまいます。対数方程式(基本)、標準の対数方程式(真数条件)で、真数条件を最初に書く習慣をつけてください。

対数不等式で底が1より小さいときは、不等号の向きが逆になります。これは対数関数が減少関数だからで、グラフを描けば自然に見えます(標準の対数不等式(底が1より小))。

最大・最小は2次関数に落とす

の最小値は、 とおいて の最小値です。 を含む式の最大・最小も、 とおいて の2次関数にします。どちらも「置き換えたあとの の範囲」を求めることが急所で、 に範囲がついていれば の範囲もそれに応じて決まります。標準の指数関数の最大・最小対数関数の最大・最小、応用の両端が最大の順に進んでください。このサイトでは、置き換えたあとの の放物線と、範囲の両端を示した図を付けてあります。

指数の対称式 は、 を使って、 から のように高次の対称式を作ります(応用の指数の対称式)。数学Iの対称式の変形そのものです。

常用対数で桁数を求める

底10の対数(常用対数)を使うと、 のような巨大な数の桁数がわかります。 から、 は31桁です。 桁の数は を満たす、という言い換えが出発点です。常用対数と桁数、標準の同名の問題小数首位、応用の桁数と最高位の数字へ進むと、「最高位の数字」まで対数の小数部分から読めることがわかります。

文章題(標準の倍増、応用の半減期)は、「何回倍増すれば1000倍を超えるか」のような問いを、 の対数をとって解く問題です。

学習の順序と入試での出方

基礎12問は、指数法則、累乗根、グラフ、大小、方程式、不等式、対数の定義、性質、底の変換、グラフ、方程式、桁数の順です。標準12問で置き換え、最大・最小、真数条件、底が1より小さい不等式、小数首位、文章題を扱い、応用8問で対称式、大小のはさみこみ、範囲つきの最大・最小、底のちがう対数、半減期へ進みます。

入試では、置き換えによる最大・最小と、常用対数の桁数が定番です。数学IIIでは、指数関数・対数関数を微分・積分する場面でこの単元の性質をそのまま使うので、対数の性質と底の変換は手が止まらないようにしておく必要があります。難関(★★★★)以上には、連立した指数方程式、累乗の大小比較、 の桁数の和など、指数と対数の関係を深く使う問題を集めました。

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