数学II / 指数関数・対数関数

対数方程式(基本)

★ 基礎対数方程式真数条件

問題

方程式 を解け。

ヒントを見る

まず真数条件を確認してから、対数の定義で『指数の式』に書き直す。最後に、出た解が真数条件を満たすかのチェックを忘れずに。

解答・解説

方針

まず真数条件(真数 )を確認する。そのうえで、対数の定義で外して を求め、最後に真数条件を満たすかチェックする。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 対数方程式は、指数の式に翻訳するのが第一手。

しかし、まだ終わりではない。

対数には「真数条件」がある。 は、必ず正でなければならない( は正の値しかとらないから)。

求めた は、 を満たすだから答えとして正しい。

真数条件のチェックを飛ばしてはいけない。 今回は問題なかったが、チェックを怠ると、成り立たない"偽の解"を答えてしまうことがある(別解で実例を見る)。

対数方程式の手順は 段階。 ①真数条件を書く → ②指数の式に直して解く → ③条件を満たすか確認。

重要対数方程式は、真数条件(真数 )を確認し、定義 で外す

① 真数条件を書く。 真数 は正でなければならないので 、つまり

② 定義で外して解く。

③ 真数条件を確認する。 を満たすので、これが解。

まとめ:対数方程式は「真数条件を書く → 定義で外す → 求めた解が真数条件に合うか確認」の3手順。条件チェックを飛ばすと、真数が負になる不適な解を書いてしまう。

発展 — 一歩先へ。 「偽の解が紛れ込む」現象は、同値変形でない操作をしたときに起こる。数学の答案で、最も注意すべき落とし穴だ。

同値でない変形の例。

操作 何が起こるか 対策
乗する 解が増える( の解に化ける) 最後に代入して検算
分母を払う 分母が になる値が紛れ込む 分母 を確認
をまとめる 真数条件がゆるむ 元の真数条件で確認
両辺を で割る 解が減る( を失う) の場合を別に調べる

特に危ないのが最後の「解が減る」パターンだ。 偽の解は検算で見つかるが、失った解は、二度と戻ってこない。

両辺を で割ると しかし も解である( ✓)。

で割った」瞬間に、 の可能性を勝手に捨てていた。

正しくは、移項して因数分解する。

「割る」のではなく「因数分解する」 — これが鉄則だ。

同値変形の意識を、 つの問いにまとめよう。

  1. この変形で、解が増えていないか?( 検算で撃ち落とす)
  2. この変形で、解が減っていないか?( 割った文字が の場合を調べる)
  3. 元の式が意味を持つ条件は?( 真数条件、分母 、根号の中 )

数学の答案は、「正しい答えを出す」だけでは足りない。それがすべての解であり、他に解がないこと」まで示して、はじめて完成する。

真数条件のチェックは、その完成度を支える柱なのである。

別解

「真数条件なんて、形式的な儀式だろう」 — そう思う人のために、それを忘れると本当に間違える例を見せよう。この 例で、真数条件の重要性が骨身にしみるはずだ。

問題: を解け。

手順1(飛ばしてはいけない): 真数条件を書く。

つとも満たす必要がある。

きつい方の条件が残る。

手順2: 対数の性質でまとめて、指数の式に直す。

手順3: 次方程式を解く。

つの解が出た。

手順4(ここが本番): 真数条件で、ふるいにかける。

は、 を満たすか?満たさない。

実際に元の式に代入してみよう。

負の数の対数!存在しない。 を何乗しても にはならない。

は、方程式の解ではなかった。 計算の途中で紛れ込んだ偽の解である。

は、 を満たす ✓ 代入して確かめると

正しい。

もし真数条件を書かずに「」と答えたら、半分間違い — 大きな減点だ。

なぜ偽の解が生まれるのか。

この変形が、実は"同値でない"。

  • 左辺が意味を持つには、 かつ が必要
  • 右辺が意味を持つには、 だけでよい — つとも負でもOK!

のとき、 — どちらも負だが、積は で正。 右辺は計算できてしまうが、左辺は計算できない。

「まとめる」操作が、条件をゆるめてしまった。 だから、まとめる前の条件()に立ち返って、ふるいにかける必要がある。

教訓。

これは対数だけの話ではない。 乗する」「分母を払う」「両辺を掛ける」— 同値でない変形をしたら、必ず検算する。

真数条件は、形式的な儀式ではない。 それは、偽の解を撃ち落とすための、実弾なのである。

ポイント

  • 対数方程式は真数条件(真数 )が最優先。
  • 定義 で外す。

よくある間違い

  • 真数条件()を書かずに答えてしまう
  • としてしまう(指数の式に直すと )
  • と計算してしまう( ではなく の3乗で )