数学II / 指数関数・対数関数
対数の定義
問題
次の値を求めよ。
(1)
(2)
(3)
ヒントを見る
対数の定義『 は、 を何乗すると になるかを表す数』に戻ろう。定義さえ言えれば つとも即答できる。
解答・解説
方針
は「 を何乗すれば になるか」を表す。 の をさがす。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 対数は、「何乗すればよいか」を答える関数である。
日本語で読み下すのが、いちばん確実だ。
(1) — 「 を何乗すると ?」
(2) — 「 を何乗すると ?」
分数になったら、指数は負だ。
(3) — 「 を何乗すると ?」
どんな底でも 。 だからだ。
「 を見たら、指数の式に翻訳する」 — これが対数の第一歩である。
(1) を何乗すれば か。 なので
(2) を何乗すれば か。 なので
(3) どんな底でも なので
発展 — 一歩先へ。 対数は「」という記号のせいで難しく見えるが、人間の感覚そのものでもある。
フェヒナーの法則。 人間の感覚は、刺激の対数に比例する。
音の大きさ。 倍のエネルギーの音を、人は「 倍うるさい」程度にしか感じない。だから音の単位デシベルは対数目盛だ。
dB 増えると、音の強さは 倍。
地震のマグニチュード。 が 増えると、エネルギーは約 倍。
と の差は だが、エネルギーは 倍()。 という小さな数字の裏に、 倍の差が隠れている — 対数目盛の恐ろしさだ。
星の明るさ(等級)、酸性度(pH)、味覚、視覚 — 人間の感覚は、ほとんどが対数的である。
なぜ人間はこう作られているのか。 「 円と 円の差」と「 万円と 万 円の差」— 同じ 円でも、重みがまるで違う。変化の"割合"が問題であって、"差"ではない。
対数は、割合を差に変える。
「 倍」という割合が、どこでも同じ"距離"になる — これが対数目盛の本質だ。
人間の感覚が対数的なのは、広い範囲の刺激(ささやき声から爆音まで、 万倍の幅)を、限られた神経で処理するための、進化の知恵かもしれない。
という計算は、私たちの脳が毎瞬やっていることの、数学的な表現なのである。
(1) (2) (3)
別解
対数と指数は、 つの事実の"言い換え"にすぎない。 その対応表を作っておけば、どんな問題でも行き来できる。
変換の公式。
左が対数の言葉、右が指数の言葉。 同じ内容を、 通りに書いているだけだ。
実例で確かめる。
| 対数の式 | 指数の式 | 読み方 |
|---|---|---|
| を 乗すると | ||
| を 乗すると | ||
| を 乗すると | ||
| を 乗すると |
つの数(底・指数・値)が登場し、対数と指数で"どれを主役にするか"が変わる。
「指数 を求めたい」ときに使うのが、対数。 主役の位置が違うだけである。
この対応から、 つの重要な公式が"当たり前"として出てくる。
公式1:
「 を『 を何乗すれば になるか』乗する」 — そりゃ になる。同語反復のような当たり前だ。
公式2:
「 は の何乗か?」— 乗に決まっている。
この つは、「指数と対数が互いに逆の操作である」ことの表明だ。()や、 と同じ関係にある。
そして、この「逆」という関係が、グラフに現れる。
逆関数どうしのグラフは、 の鏡で映し合う — 問題 で、この事実を確認する。
対数を「新しい難しい関数」だと思わないこと。 それは指数を裏返して見ているだけであり、まったく新しい内容ではない。
迷ったら、必ず指数の式に書き直す。 の計算で行き詰まる人の 割は、この翻訳を怠っている。
ポイント
- =「 を何乗で になるか」。
- 、 は覚えておく。
よくある間違い
- 底と真数を取り違える( は「2を何乗すると8か」)
- を としてしまう(分数なので指数は負。)
- としてしまう(どんな底でも )