数学II / 指数関数・対数関数

指数法則(0・負の指数)

★ 基礎指数法則

問題

次の値を求めよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

マイナス乗が何を意味するか(逆数との関係)を思い出すのが第一歩。かけ算・わり算で指数がどう動くかは、指数法則にまかせる。

解答・解説

方針

、かけ算は指数を足す、わり算は引く。この4つの指数法則で計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 指数の計算は、 つの法則で全部片づく。

そして、 つの約束。

(1) 負の指数は「逆数」。

分数の負の指数は、ひっくり返して正の指数にする。

(2) 。掛けて

(3) 指数の引き算。

「同じ底なら、指数を足し引きする」 — これが指数計算の核心である。

公式指数法則:

(1) マイナスの指数は逆数にする。 の逆数は

(2) かけ算なので指数を足す。 にも注意。

(3) わり算なので指数を引く。

発展 — 一歩先へ。 指数を拡張していく道のりは、まだ続く。

指数 意味
自然数 回掛ける
負の整数 逆数
有理数 累乗根
無理数 極限
複素数 オイラーの公式

回掛ける」とは、いったい何を意味するのか。

答え: 有理数で近似して、その極限をとる。

この数列は、ある値に収束する。 その極限を と定義する()。

「掛ける回数」という素朴な意味は、とっくに失われている。 それでも指数法則は成り立ち続ける — だから拡張する価値がある。

そして、複素数の指数。

オイラーの公式。 ここで「 回掛ける」などと考えてはいけない。指数関数の性質(微分すると自分自身になる)を保つように定義すると、必然的にこの形になるのだ。

そして とすると

オイラーの等式。 数学の つの重要な定数()が、 本の式に集まる — 数学で最も美しい式と呼ばれる。

から始まった拡張の旅が、ここまで来た。 「規則を保つように定義を広げる」という一手が、これほど遠くまで連れて行く。

(1) (2) (3)

別解

」も「」も、なぜそう決まっているのか。 天下り式に覚えるのではなく、必然性を見よう。理由が分かれば、二度と忘れない。

表を作って、指数を ずつ下げていく。

規則を読む。 右へ つ進むごとに(指数が 減るごとに)、値が半分になっている。

この規則を、そのまま続けたらどうなるか。

表が完成した。

も、 も、"表を自然に延長した結果"だった。

これが「定義の拡張」の作法である。

指数法則で確かめる。 という法則を、 の場合にも使いたい。

左辺は明らかに だから でなければならない — 法則を守るために、そう決めるしかない。

負の指数も同様。

左辺は だから

乗は 個も掛けないから じゃないの?」という素朴な疑問への答えも、ここにある。

を「 回掛ける」と読む限り、 は意味をなさない。 そこで読み方を変えるのだ。

に、 回掛ける」 と読めば、 は「 に何も掛けない」= ✓ 意味が通る。

同じ発想は、他でも使われている。

  • ( という規則を保つため)
  • 空集合の要素の和 、積 (何も足さなければ 、何も掛けなければ )

「規則が壊れないように、境界の値を決める」 — 数学は、こうやって世界を広げてきた。 は、恣意的な約束ではなく、必然の帰結なのだ。

ポイント

  • (マイナス指数は逆数)。
  • かけ算は指数を足す、わり算は引く。

よくある間違い

  • としてしまう()
  • としてしまう(負の指数は逆数。)
  • で逆数にするのを忘れる(ひっくり返して )