数学II / 指数関数・対数関数

有理数の指数と累乗根

★ 基礎有理数の指数累乗根

問題

次の値を求めよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

分数の指数と累乗根の対応を思い出そう。どの数も小さい素数の累乗に直してから指数法則に乗せると、一気に計算できる。

解答・解説

方針

分数の指数は根号に直す:。累乗根のかけ算は中身をまとめられる。底を素因数の累乗にそろえると計算しやすい。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分数の指数は、累乗根を意味する。

「分母は根っこ( 乗根)、分子はべき( 乗)」 — この対応を押さえる。

しかし、根号のまま計算するのは大変だ。 のべきに統一するのが、この単元の必勝法である。

(1) に注目する。

指数どうしの掛け算で、 が約分される。 根号を書く必要すらない。

(2) 。掛けると指数が足されて

(3) だから

「底を素因数分解して、 のべきに揃える」 — これだけで全問解ける。

公式

(1) に直すと、指数どうしのかけ算になる。

(2) 累乗根の積は中身をまとめる。

(3) 、マイナス指数は逆数。

発展 — 一歩先へ。 分数指数を使うと、 年で 増える利率は半年でいくつか — この問いに正しく答えられる。

素朴な誤り: 「半年なら だろう」

正しくは: 年で 倍になるということは、半年では 倍。

であって、 ではない。

なぜか。 半年で ずつ増えると、 年では

増えてしまう — 複利のせいで、多すぎるのだ。

「掛け算の世界では、半分にするのは"割る "ではなく"平方根"」 — これが指数的な変化の直感だ。

同じ計算が、いろいろな場面で必要になる。

放射性物質の半減期。 半減期 の物質は、 時間で半分になる。では 時間では?

残る( ではない)。

音楽の平均律。 オクターブ( 振動数 倍)を 音に等分するには、 音あたり にする。

ピアノの隣り合う鍵盤の振動数の比が、 という無理数なのだ。バッハの時代に確立されたこの調律法が、 乗根という数学の上に成り立っている。

「等分する」とき、足し算的に等分するのか、掛け算的に等分するのか。 指数の世界では、後者になる — 分数指数は、その言語である。

(1) (2) (3)

別解

根号のまま計算するルートも見ておこう。分数指数に慣れないうちは、こちらのほうが安心できる。そして「なぜ なのか」を確かめる。

根号ルートで解く。

(1)

または、順番を変えて

どちらでも同じ。 ただし後者のほうが楽だ( 乗根より、 乗根のほうが計算しやすい)。

「先に根をとってから、べきにする」 — 数が小さく保てる。

(2)

同じ 乗根どうしは、中身を掛けてよい。

— 平方根のときと同じ規則だ。

(3)

負の指数 → 逆数、分数指数 → 累乗根。 段階で処理する。

さて、「なぜ なのか」。

指数法則を守るように決めた — また、この理屈である。

乗すると になる数」 — それは に他ならない ✓

同じく

指数法則 を保とうとすると、分数指数は累乗根でしかありえない。

どちらのルートを使うべきか。

分数指数 根号
掛け算・割り算 圧倒的に速い(指数を足すだけ) 中身を掛ける必要がある
数の大小比較 速い(指数を比べる) 難しい
直感的な理解 慣れが要る 分かりやすい

慣れたら分数指数、迷ったら根号。 ただし、この先(対数、微分積分)では分数指数が標準になる。 と書けないと、微分の公式が使えない。

根号のままでは、この計算はできない。 分数指数は、未来への投資である。

ポイント

  • 分数の指数は根号:
  • 底を の形にそろえると、指数法則で楽に計算できる。

よくある間違い

  • の分母と分子を取り違える(分母が根、分子がべき)
  • のように計算してしまう
  • 負の分数指数で、逆数にするのを忘れる()