数列の解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

数列は、等差数列と等比数列から始まり、和の記号 Σ、階差数列、いろいろな数列の和(部分分数・(等差)×(等比)・群数列)へ進む単元です。公式の量はそれほど多くありませんが、「式の形を見て、どの和の求め方を使うか」を判断する力が問われます。この記事では、和の求め方を型ごとに整理し、判断の目印を説明します。

等差と等比は「一般項と和の公式」だけ

等差数列は、初項 と公差 、和は ( は末項)です。等比数列は、初項 と公比 、和は ()です。この4本を等差数列の一般項から等比数列の和で確認してください。

等比数列の和で最も多い誤りは、 の場合を忘れることです。公比が文字なら、 のとき になることを別に書きます(標準の公比の場合分け)。

等差数列の和の最大(標準の同名の問題)は、「項が正である間は足し続ける」と考えて、 となる最大の を求めます。 の2次関数とみて頂点を求める方法もありますが、 が整数であることに注意が要ります。

Σ は「公式3本+線形性」

の3本と、「Σ は足し算と定数倍を通す」という性質(線形性)で、整式の和はすべて計算できます。Σ の計算(k の和)からk³ の和、標準の2次式展開が必要の順に進んでください。

Σ の計算で失点するのは、計算の途中で因数分解を怠って式が膨らむときです。 を展開せずに共通因数として残す習慣をつけると、最後の整理が短くなります。

和の求め方を「型」で判断する

整式でない数列の和は、次の4つの型のどれかです。

分数の数列で、分母が2つの因数の積なら部分分数分解です。 と分けると、途中の項が打ち消し合って両端だけが残ります(望遠鏡和)。分数の数列の和(部分分数)係数つき、応用の分母の差が2の順に進んでください。根号の和も、有理化すると同じ「打ち消し合い」の形になります(応用の根号を含む数列の和)。

(等差)×(等比)の形なら、和 に公比 をかけて を作ります。等比の部分が1つずつずれて、等比数列の和と1項だけが残ります。標準の(等差)×(等比)型の和、応用の同名の問題一般で、この「ずらして引く」計算を確実にしてください。

規則性はあるが一般項が見えない数列は、階差数列を調べます。階差が等差または等比なら、()で一般項が出ます。 のときにも成り立つかを最後に確認します(標準の階差数列)。

数列を群に分けて考える群数列は、「第 群の最初の項が全体の何番目か」を、各群の項数の和で求めるのが出発点です。標準の群数列と応用の奇数の群で、「群の番号」と「全体の番号」を行き来する練習をしてください。

和から一般項を求める

が与えられているとき、()で一般項が出ます。 は別に求め、 の式に を入れて一致するかを確認します。この「 の確認」を省く答案が非常に多いので、標準の和 Sₙ から一般項と応用の和と項の関係式から一般項で、答案の型として身につけてください。

Σ の中の と外の を区別する

の計算で最も多い誤りは、和の変数 と項数 を混同することです。 は「 個足す」ので であって、 ではありません。 のように両方が混ざる式では、 は定数として外に出し、 の部分だけに公式を使います。標準のΣ の計算(1次式・一般項)で、この区別を確認してください。

もう1つ、和の範囲が から始まらない場合( から、または から)は、 からの和に直して差をとるか、項数を数え直します。「第 項までの和」と「 個の和」は、初項の番号によってずれるので、項数を必ず確認してください。

(等差)×(等比)で計算ミスを減らす

を作る計算は、書き方で正確さが変わります。 を、同じ の項が縦にそろうように2段に書き、縦に引き算します。すると、中央に等比数列の和、両端に1項ずつが残る形が見えます。この「縦にそろえる」書き方を、標準の(等差)×(等比)型の和で身につけると、応用の一般のように係数が文字になっても手が止まりません。最後に について解くとき、 で割るので、 の確認も書きます。

学習の順序と入試での出方

基礎12問は、等差・等比の一般項と和、Σ の公式、項数、決定、奇数の和、中項の順です。標準12問で2次式の Σ、階差、部分分数、(等差)×(等比)、公比の場合分け、群数列、 からの一般項、和の最大を扱い、応用8問で分母の差が2の部分分数、根号の和、階乗の和、二重和へ進みます。

入試では、数列は次の単元「漸化式」と一体で出題され、部分分数の和や(等差)×(等比)の和は、数学IIIの極限(無限級数)でも同じ計算をします。難関(★★★★)以上には、群数列の応用、 の和の評価、ガウス記号の和、二項係数の和など、和を「評価する」問題を集めました。数列の和を不等式で上下から押さえる技術は、数学IIIのはさみうちの原理に直結します。

数列の問題一覧(全56問)へ