数学B / 数列

Σ の計算(k³ の和)

★ 基礎シグマ

問題

を求めよ。

ヒントを見る

乗の和の公式は、 から までの和と美しい関係がある。思い出せなければ、 個だけなので直接足しても手が届く。

解答・解説

方針

乗の和は公式 。これは「 乗」に等しいという特徴がある。 を代入する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 項数が しかない。

公式を使ってもよいが、直接足すほうが速い。

答えは

公式でも確かめる。

この公式の形に、驚いてほしい。

「立方の和は、和の 乗」 — 数学で最も美しい等式のひとつだ。

公式

を代入する。

(確かめ:。)

まとめ: は「 乗」という覚えやすい形。 を先に出し、それを 乗する。 になる不思議な関係だ。

発展 — 一歩先へ。 の公式を並べると、そこには「隠れた対称性」がある。

だけが、 で書ける — なぜ 乗だけが特別なのか。

実は、 にも似た性質がある。

の多項式で書ける!

一般に、「奇数乗の和は の多項式で書ける」(フォールハーバーの定理)。

偶数乗()では、こうはいかない。

なぜ奇数乗だけが特別なのか — この問いは、ベルヌーイ数の性質(奇数番目がほとんど )と深く関わっている。

さて、 の公式が、より遠くまで届く話をしよう。

は、 でどうなるか?

この和は収束する(各項が急速に小さくなるので)。では、いくつに?

この問題は「バーゼル問題」と呼ばれ、 年間、誰も解けなかった。

年、 歳のオイラーが解いた。

が現れた!

整数の 乗の逆数を足しただけなのに、なぜ円周率が出てくるのか。 — この驚きが、オイラーを一躍有名にした。

そして、この和はリーマンゼータ関数の特殊値である。

偶数のときは、 のべきできれいに書ける。

しかし (奇数)は? 年経った今も、閉じた形が分かっていない。

そして、 の"零点"の位置を問うのが、数学最大の未解決問題( 万ドルの懸賞金がかかっている)である。

という素朴な計算。 その延長線上に、人類がまだ到達できていない未踏の地が広がっている。

別解

「立方の和 和の 乗」— この驚くべき事実を、確かめて、味わおう。

まず、数値で確認する。

すべて一致!

これを「ニコマコスの定理」という( 世紀のギリシャの数学者にちなむ)。

言い換えると

「立方数の和が、三角数の 乗になる」

なぜ、こんなことが起こるのか。

絵で見る証明(その ): 正方形の中の L 字。

の正方形を考える(面積 )。

この正方形を、L 字型の"層"に分ける。

  • 番目の層: の正方形( の面積に相当)
  • 番目の層: 個の 正方形()
  • 番目の層: 個の 正方形()
  • 番目の層: 個の 正方形()

各層の面積が、ちょうど になる!

大きな正方形()が、立方数の層で、ぴったり埋め尽くされた。

絵で見る証明(その ): 掛け算の表。

から までの掛け算の表(九九の表の一部)を作る。

この表の全部の数を足すと?

各行の和は、 の倍数になっている。

そして、この表を L 字型に区切ると、各 L 字の和が になる。

たとえば、 の L 字( 行目と 列目)の和は

掛け算の表の中に、立方数が隠れていた。

「なぜ立方の和が、和の 乗になるのか」 — この問いに、絵が答えている。

数式で証明することもできる(数学的帰納法や、望遠鏡和で)。しかし、絵で見たときの納得感には、かなわない。

美しい定理には、美しい証明がある。 そして最も美しい証明は、しばしば「見るだけ」で終わる。

ポイント

  • を先に出して 乗する。

よくある間違い

  • の2乗を忘れる
  • と計算してしまう(3乗なので )
  • と混同する(2乗が正しい)