積分法の計算の解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

積分法の計算は、三角関数・指数関数・対数関数・分数関数・無理関数の不定積分と定積分を計算する単元です。微分と違って、積分には「必ず計算できる手順」がありません。置換積分と部分積分という2つの道具を、式の形に応じて選ぶ判断が問われます。この記事では、式の形から道具を選ぶ目印と、数学IIIで頻出の積分の型を整理します。

基本の積分は微分の逆

()、 が基本です。すべて微分の公式の逆で、基礎12問はこれらを1つずつ確認する問題です。 の積分に絶対値がつくこと(不定積分(1/x))と、 の積分にマイナスがつくこと(sin)は、最も多いミスの場所です。

置換積分は「中身の微分が外にある」のが目印

のように、「ある部分()の微分()が、掛け算の形で外にある」ときは、その部分を とおく置換積分です。 も、分母の微分 が分子にある(定数倍を除いて)ので、 です。標準の置換積分(指数)分数根号で、この目印を探す練習をしてください。

三角関数のべきの積分(応用の置換積分(三角関数のべき)sin³ の定積分)は、 の奇数乗なら を1つ残して残りを で表し、 とおきます。偶数乗なら半角の公式で次数を下げます(標準のsin² の積分(半角))。

の置換で、根号や分母を消します(標準の定積分(1/(1+x²))、応用の√(1-x²))。定積分では、積分区間も の範囲に直すことを忘れないでください。

部分積分は「片方を微分すると簡単になる」のが目印

のように、「多項式 × (指数・三角)」の形は、多項式を微分する側にとって部分積分です。 のように対数を含む形は、対数を微分する側にとります。 は、 とみて を積分する側にする、という定番の技があります。標準の部分積分(x eˣ)x cos xlog x の積分で、「どちらを微分するか」の判断を固めてください。

多項式の次数が2以上なら、部分積分を2回繰り返します(応用の部分積分(2回))。 のように、2回部分積分すると元の積分が現れる型は、それを とおいて方程式として解きます(応用の循環型)。

分数関数は部分分数分解

分母が因数分解できる分数関数は、部分分数に分けてから、それぞれ の形に積分します(標準の部分分数の積分、応用のx²-1)。分母が因数分解できない2次式なら、 型(置換で )と 型( 置換)に分子を分けます(応用の分数関数の積分(2次分母))。

定積分の技術: 対称性と漸化式

奇関数の対称区間での積分は0、偶関数は2倍、という数学IIの対称性は数学IIIでも使えます。さらに、 のような「区間の折り返し」(King property)は、原始関数が書けない積分でも値を求められる技術で、難関の対称性を使う定積分と実戦編の1/(1+tan x)で扱います。

のように を含む積分は、部分積分で の関係式(漸化式)を作ります(実戦編の部分積分による漸化式)。この漸化式は、ウォリスの積分として微分法の応用の実戦編にも登場します。

計算ミスを減らす検算

積分の検算は、結果を微分して元の関数に戻るかを確かめることです。微分は機械的にできるので、この検算を習慣にするだけで、符号と係数のミスがほぼ消えます。定積分では、置換した積分区間が正しいか、 の絶対値の中が正か、を追加で確認してください。

学習の順序と入試での出方

基礎12問で基本公式を確認し、標準12問で置換積分・部分積分・半角・部分分数・ を扱い、応用8問で2回の部分積分、循環型、三角関数のべき、三角置換、2次分母へ進みます。

この単元は次の「積分法の応用」の道具で、入試では面積・体積の計算の中で使われます。実戦編と最難関編には、 の循環、 の定積分、 の積分、ディリクレ核、ベータ積分と二項係数など、積分計算の技術を広げる問題を集めました。

積分法の計算の問題一覧(全56問)へ