数学III / 積分法の計算

部分分数の積分

★★ 標準部分分数不定積分

問題

不定積分 を求めよ。

ヒントを見る

分母が 次式の積 — 部分分数に分解すれば、各項は対数の積分になる。分解の係数は通分して確かめよう。

解答・解説

方針

分母が因数の積なので、部分分数分解 をしてから、各項を で積分する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分母が つの因数の積 — このままでは積分の型に合わない。部分分数分解で「簡単な分数の差」にほどく。

(分母の差が だから係数は 。通分して戻ることを確認。)

分解後は各項が 型で、それぞれ に積分できる。 どうしの差は商にまとめられる。数列の和で使った部分分数が、積分の世界でも同じ顔で働く。

重要分数関数は部分分数分解してから積分。

① 部分分数に分ける。 分母の差が なので

② 各項を積分する。

をまとめる。

まとめ:分数関数の積分は「部分分数分解 → 各項を 」。 の積分は 。最後は の差を の商 にまとめると美しい。

発展 — 一歩先へ。 部分分数は「数列の和では途中を打ち消す道具、積分では型に落とす道具」— 同じ分解が つの単元で別の役を演じている。実際 は、離散と連続の兄弟問題だ。

理論面では「どんな分数関数も、多項式 型の和に分解できる」ことが知られており、したがって分数関数はすべて積分できる( で書ける)。部分分数分解は、その完全アルゴリズムの心臓部である。

別解

分解の係数を暗算で出す、片方を隠す速算(被覆法)を紹介する。

とおく。 を知りたければ — 両辺に を掛けてから を代入する、のと同じことを一瞬で:左辺の を指で隠して、残りに を代入

も同様に を隠して :

連立方程式なしで が出た。

因数が つ( など)に増えるほど、この速算の威力は増す(通常の係数比較は連立が膨らむ)。「隠して代入」— 部分分数の実戦テクニックとして手に入れておきたい。

ポイント

  • 部分分数分解してから積分。

よくある間違い

  • 分解を和 と誤る(通分して分子が に戻るか確認)
  • の絶対値を落とす( は負にもなり得る)
  • とまとめる( の差は中身の商)