微分法の計算の解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

微分法の計算は、数学IIで整式にしか使えなかった微分を、積・商・合成関数、三角関数、指数関数、対数関数、累乗根へ広げる単元です。図解はほとんどなく、純粋な計算練習の単元ですが、ここで手が止まると数学IIIの応用問題はすべて解けなくなります。この記事では、公式を「覚えるもの」と「組み合わせるもの」に分け、計算ミスを減らす順序を説明します。

覚える公式は7本

微分の基本公式は、 の7本です。 と底を変換してから微分します。基礎12問は、この7本を1つずつ確認する問題です。三角関数の微分(sin)から対数関数の微分累乗の微分(分数・根号)まで、公式が出てくる順に進んでください。

組み合わせる規則は3つ

積の微分 、商の微分 、合成関数の微分 の3つで、上の7本を組み合わせます。積の微分商の微分合成関数の微分で規則を確認したら、標準の積の微分(三角関数)合成関数の微分(三角×2乗)、応用の合成関数の微分(指数×三角)と、組合せを複雑にしていってください。

合成関数の微分は、「外側を微分してから、内側の微分をかける」という順序で、内側の微分を忘れるのが最も多いミスです。 の「2」、 の「」が、内側の微分です。難関の多重の合成関数の微分は、内側が2段・3段になった問題で、外側から順に1段ずつ剥がす練習になります。

対数微分法・媒介変数・陰関数・逆関数

や、積と商と根号が混じった関数は、両辺の対数をとってから微分します(対数微分法)。 なら として、 から です。標準の対数微分法と応用の積と商x の sin 乗で、「対数をとると積が和になる」利点を確かめてください。

媒介変数表示 の微分は です(標準の媒介変数表示の微分、応用の)。第2次導関数は、 をもう一度 で微分して で割ります(難関の媒介変数表示の第2次導関数)。「」とするのは誤りです。

陰関数 の微分は、 の関数とみて両辺を で微分し、 から とします(応用の陰関数の微分)。逆関数の微分は です(応用の逆関数の微分)。

高次導関数は「規則を見つける」

第2次導関数は、導関数をもう一度微分するだけです(標準の第2次導関数)。第 次導関数を求める問題は、最初の数回を計算して規則を予想し、必要なら帰納法で確かめます。 次導関数は で、微分のたびに位相が 進む、という見方です(応用の第n次導関数(三角関数))。

計算ミスを減らす順序

この単元の失点は、公式の知識ではなく、計算の途中で起きます。合成関数の内側の微分の忘れ、商の微分の分子の符号(引く順序)、対数微分法で最後に をかけ忘れる、の3つが典型です。

対策は、「どの規則を使うか」を式の外側から決めて、1段ずつ書くことです。 なら、まず積の微分で と書き、次に を合成関数として にする、という順序です。頭の中で2段を同時にやると、内側の微分が落ちます。

検算は、微分した結果を簡単な値(たとえば )で評価し、元の関数の増減と合っているかを確かめる程度で十分です。

学習の順序と入試での出方

基礎12問で7本の公式と3つの規則を確認し、標準12問で三角・指数・対数の組合せ、対数微分法、第2次導関数、媒介変数、無理関数を扱い、応用8問で対数微分法の発展、第 次導関数、陰関数、逆関数へ進みます。

この単元は、単独で入試に出ることは少なく、次の「微分法の応用」の中で使われます。実戦編には、ライプニッツの公式、 の微分、アステロイドとデカルトの葉線の媒介変数・陰関数微分、 階導関数を、最難関編には、微分可能だが導関数が連続でない関数、すべての階の微分係数が0になる関数など、微分の概念そのものを問う問題を集めました。

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