数学III / 微分法の計算

陰関数の微分

★★★ 応用陰関数

問題

上で、 の関数とみて を求めよ()。

ヒントを見る

の式に解かずに、両辺をそのまま で微分する。 を微分するとき、 自身が の関数であることを忘れないのが急所。

解答・解説

方針

の形に解かずに、両辺をそのまま で微分する(陰関数の微分)。 を含む項は「 の微分 」(連鎖律)になる。それを について解く。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 円の式を の形に解かずに、両辺をそのまま で微分する。これが陰関数の微分だ。

このとき の項は、連鎖律で になる。 の関数だからだ。

すると を含む式ができる。それを について解く。解かずに微分し、 を未知数として取り出すのが核だ。

重要陰関数は、両辺をそのまま で微分する。 の項は連鎖律で が出る

① 両辺を で微分する。 の微分は の関数なので、連鎖律で 。右辺の定数

について解く。

xyO接線P
円 x²+y²=1 上の点。接線の傾き dy/dx=−x/y

まとめ: と解いてから微分してもよいが、陰関数の微分なら解かずに両辺を微分するだけ。 を含む項は「 で微分 × 」になるのがポイント。円の接線の傾き がすぐ出る。

発展 — 一歩先へ。 をもう一度 で微分すると、円の曲がり具合が見える。商の微分と を使うと が得られる。

上半円 では で、上に凸(中心の側へ曲がる)。円がふくらむ向きと一致する。

さらに曲率 を計算すると、 より 。どの点でも曲がり具合が同じで、()になる。円が「曲率一定の曲線」であることが、微分から出てくる。

別解

別解 — 上下 枚の半円に分けて微分する(得意な人向けの視点)。 円は つの関数のグラフではない。だが上半分と下半分に切り分ければ、それぞれ陽関数になる。

上半円は 、下半円は 。それぞれ で微分すると

ここで に気をつけて戻すと、上半円は 、下半円も 。結局どちらの枝でも にそろう。

両辺をそのまま微分する本解と同じ答え。陰関数の は、上下 枚の半円を つの式でまとめて言い当てている。枝ごとに根号を場合分けせずに済むのが、陰関数の微分の強みだ。

ポイント

  • 陰関数は解かずに両辺を で微分。
  • の項は連鎖律で が出る。

よくある間違い

  • を微分するとき を掛け忘れ、 だけにしてしまう(連鎖律の落とし)。
  • 右辺の定数 の微分を にし損ね、方程式の右辺を残してしまう。
  • の点 が定義できない(接線が垂直になる)ことを見落とす。