数学III / 微分法の計算
商の微分
問題
関数 を微分せよ。
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商の形の微分規則を使う。分子の並び順(どちらを先に微分するか)と符号を間違えやすいので、規則を書き出してから当てはめよう。
解答・解説
方針
商の微分公式 を使う。、 を代入する。分子の引き算の順番に注意。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 分数の形をした関数だ。商の微分公式を使う。
この公式には、間違えやすい点が つある。
① 分子は引き算。 しかも順番が命だ。
逆にすると、符号が丸ごと反対になる。
② 分母は 。 ではない。
覚え方のコツ。
「分子を微分 分母 分子 分母を微分、全部を分母の 乗で割る」
呪文のように唱えて、順序を体に入れてしまうのが早い。
あとは 、 と仕分けて、機械的に当てはめるだけである。
、。、。
分子を整理する。
まとめ:商の微分は分子が「」(引き算の順番が大事)、分母が「」。分子の順番を逆にすると符号が変わるので、 が先、と覚える。
発展 — 一歩先へ。 微分の公式は、たくさんあるように見える。だが、本当に必要なのは つだけだ。
基本の 公式。
和・定数倍。
積。
合成(連鎖律)。
この つから、他はすべて導ける。
商の微分は? と書いて、積と合成から出る。
の微分は? の商だから、これも積と合成から出る。
逆関数の微分は? の両辺を、合成の規則で微分すれば出る。
対数微分法は? を、合成の規則で微分するだけ。
「公式が多い」のではなく、「 つの原理の応用例が多い」のだ。
この視点をもつと、記憶の負担が激減する。
そして、なぜ つなのか。
関数の作り方が、 通りしかないからだ。
- 足す・定数倍する → 和・定数倍の規則
- 掛ける → 積の規則
- 入れ子にする → 合成の規則(連鎖律)
どんなに複雑な関数も、この つの操作を組み合わせて作られている。
たとえば
この怪物も、分解すればこうだ。
- — 合成( と )
- — 積
- — 合成
- 全体 — 商( 積 逆数、つまり積と合成)
つの原理を、正しい順番で適用していけば、必ず微分できる。
「微分は、どんな関数でも機械的に計算できる」
これが微分の恐ろしい強さだ。 積分がしばしば「解けない」( の積分は初等関数で書けない)のとは、対照的である。
微分は、有限の手順で必ず終わる。積分は、終わらないことがある。
この非対称性が、微積分という学問の面白さの源になっている。
別解
商の微分公式を使わずに解く。式を変形すればいい。
分数を、割り算で整理する。
確かめる。 なら、左辺 、右辺 ✓
この形なら、商の微分は要らない。
は定数だから、微分すると 。
残りの を微分する。 これは合成関数だ。
べきの微分()を使う。 内側 の微分は 。
本解と同じ答え ✓
この方法の つの利点。
利点 : 公式を つ減らせる。
そもそも、商の微分公式は覚えなくてもよい。
と書けば、積の微分 合成関数の微分で導ける。
商の公式は、積と合成から自動的に出てくる。 独立した公式ではないのだ。
「公式を減らして、原理を増やす」 — 覚える量が減り、応用は広がる。
利点 : グラフが見える。
これは双曲線だ。 漸近線は と 。
しかも、導関数
は、 のすべてで正。
この関数は、どこでも増加している。
を境に、左の枝も右の枝も、それぞれ右上がり — 双曲線の 本の枝が、どちらも増加している姿が目に浮かぶ。
「割り算で整理する」というひと手間が、微分を楽にし、グラフまで見せてくれる。
ポイント
- 。
- 分子は が先(順番に注意)。
よくある間違い
- 分子の引き算の順を逆にして としてしまう。答えの符号が丸ごと反対になる
- 分母を のままにする( にし忘れる)。商の微分の分母は必ず 乗
- 分子の展開で となるところを、 の計算を焦って符号を落とす