三角関数の解説
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日
三角関数は、数学Iの三角比を「角を実数(ラジアン)として、関数として扱う」ように拡張した単元です。学ぶ内容は、弧度法、単位円による定義、グラフ、方程式・不等式、加法定理とその派生公式、合成、の6つです。公式の数が数学IIで最も多い単元なので、「覚える公式」と「導ける公式」を分けて整理することが、この単元の勉強の中心になります。
単位円がすべての出発点
角 の三角関数は、単位円上の点 で定義されます。 はその傾きです。この定義から、 も、 のような性質も、すべて図で読めます。公式を丸暗記する前に、三角関数の値(単位円)と三角関数の性質で、単位円から値と符号を読む練習をしてください。
弧度法は、 ラジアンです。扇形の弧長 と面積 は、弧度法だからこそ簡単に書ける式です(扇形の弧長と面積)。
方程式・不等式は「単位円で解く」
三角方程式 は、単位円上で 座標が になる点を探す問題です。 なら2つ見つかります。不等式 は、その2点の間の弧を読みます。三角方程式(基本)と三角不等式(基本)で、この読み方を確実にしてください。角が や になっているときは、その全体を1つの角とみて範囲を書き直してから単位円に当てはめます。
このサイトの方程式・不等式の解説には、単位円上の解の位置を示す図を付けてあります。範囲の弧を色で示してあるので、式と図を対応させて読んでください。
グラフは「振幅・周期・平行移動」の3つで決まる
のグラフは、振幅 、周期 、横の平行移動 、縦の平行移動 で決まります。三角関数のグラフ(振幅・周期)、グラフの平行移動、標準の振幅・周期・平行移動で、式からグラフ、グラフから式の両方向を練習してください。
加法定理から派生する公式の整理
覚えるのは加法定理 、、 の6本だけで十分です。2倍角の公式は とおけば出ます。半角の公式は の式を や について解いたものです。3倍角は で加法定理を使えば出ます。積和と和積は、加法定理を足したり引いたりして作ります。
「導ける」ことがわかっていれば、試験中に忘れても復元できます。ただし、2倍角と合成は使用頻度が高いので、結果を覚えておくほうが速いです。加法定理、2倍角の公式、標準の2倍角・半角、積和の公式、応用の3倍角の公式の順に、導出を1度自分でやってから使ってください。
2直線のなす角は、傾きを とみて の加法定理で求めます(標準の2直線のなす角)。図形と方程式との融合問題です。
合成と置き換えは「最大・最小の2大道具」
は の形にまとめられます(合成)。これで、 と が混ざった式の最大・最小や、方程式が解けるようになります。三角関数の合成と合成を利用する最大・最小で型を確認してください。 に範囲がついているときは、 の範囲を書き直してから、単位円かグラフで最大・最小を読みます(応用の合成の最大・最小(範囲つき))。
とおく置き換えは、 を で表せる()ことを使って、 と の対称式を の2次関数に落とす技術です。 の範囲(合成すると )を求め忘れると、2次関数の最大・最小を間違えます。標準のsinθ+cosθ の置換と応用の同名の問題で、範囲の確認を習慣にしてください。
学習の順序と入試での出方
基礎12問は、弧度法、扇形、単位円、相互関係、性質、特殊角、グラフ、方程式・不等式、加法定理、2倍角の順です。標準12問で からの復元、式の簡約、2倍角の方程式、なす角、半角、合成、置き換え、積和を扱い、応用8問で合成の方程式、範囲つきの最大・最小、3倍角、和積、正接の加法定理へ進みます。
入試では、三角関数は数学IIの中で最も出題頻度が高く、方程式・不等式、最大・最小(合成と置き換え)、他分野との融合(微積分の被積分関数、ベクトルの内積、複素数平面の極形式)として現れます。難関(★★★★)以上には、 の最大・最小、、 の積の値、5倍角と など、公式の導出力を問う問題を集めました。