数学II / 三角関数

三角方程式(基本)

★ 基礎三角方程式

問題

のとき、方程式 を解け。

ヒントを見る

単位円で『高さが 』の点を探す。 つ見つけたら、同じ高さの点がもう つどこにあるか — 対称性で見つけよう。

解答・解説

方針

単位円で、 座標(=)が になる点をさがす。そのような点は左右に2つあり、対応する角が解。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 三角方程式は、単位円で解く

座標。だから「 座標が になる点」を、単位円の上で探す。

水平線 を引くと、円と か所で交わる。

  • 右上(第 象限):
  • 左上(第 象限):

つある。 だけで終わらせるのが、最大のミスだ。

「水平線は円を 回切る」 — この絵を、いつも頭に置いておく。

重要三角方程式 は、単位円で高さ( 座標)が になる角をさがす

は、単位円で 座標が の点。高さ の点は、第1象限と第2象限に1つずつある。

第1象限では 。もう1つは 軸に関して対称な位置で、

xyOπ/65π/6
高さ 1/2 になる角は π/6 と 5π/6

発展 — 一歩先へ。 三角方程式の解が「 つ」「無限個」になるのは、 の関数ではないからだ。

違う が、同じ値を返す。 だから「 の逆」を考えようとすると、値が つに決まらない。

しかし、逆関数がほしい。 を満たす は?」に、 つの答えを返してくれる関数がほしい。

そこで、範囲を狭めて、無理やり にする。

この範囲での逆関数を (アークサイン、)という。

は返ってこない(範囲外だから)。逆関数は、 つの値しか返さない — それが約束だ。

電卓の ボタンは、これを計算している。 だから「」を押すと しか出てこない。もう つの解 は、自分で見つけなければならない。

電卓は、方程式を解いてくれない。 逆関数の値を つ返すだけだ。「解は つある」と知っているのは、あなただけである。

同じ話が、 にもある。

  • : に制限
  • : に制限

「逆関数を作るために、定義域を制限する」 — この作法は、 の逆関数 ( に制限)でも同じだった。

逆関数は、 でなければ作れない。 そして三角関数は周期的なので、本質的に になりえない — だから制限が必要なのだ。

「解を全部書く」という高校数学の要求は、電卓が答えられない部分を、人間が引き受けることを意味している。

別解

グラフで解くルートも押さえておこう。単位円とグラフ、 つの絵を持てば、解の見落としがなくなる。

グラフルート: の交点を探す。

の範囲で、 のグラフを描く。山が つ( で最大 )、谷が つ( で最小 )の波だ。

そこへ、水平線 を引く。

山の部分で、 回交わる。( から上がっていく途中で 回、山を越えて下がる途中で 回。)

谷の部分( が負)では交わらない( だから)。

答えは ✓ 単位円ルートと一致。

つの絵の使い分け。

単位円 グラフ
得意 値を求める、対称性を見る 解の個数を数える、不等式
弱点 慣れないと つ目を見落とす 描くのに少し時間がかかる

「解が何個あるか」を確実に知りたいなら、グラフが強い。

たとえば なら? 水平線 は山の上のほうを切る — やはり 交点

なら? 水平線が山の頂点にちょうど接する — 交点だけ()。

なら? 水平線が山より上を通る — 交点なし(解なし)

なら? 谷の部分で 交点()。

グラフを描けば、解の個数が一目で分かる。

そして、 の方程式では話が違う。

単位円では、垂直線 を引く — 上下 か所で交わる()。

の範囲なら、 も解は である。

( に限れば の解は 個だが、 まで許すと 個になる。範囲によって個数が変わる。)

大切なのは「範囲の確認」だ。 なのか、 なのか、範囲の指定がないのか — 問題文の範囲を、最初に丸で囲む習慣をつけたい。

範囲の指定がなければ、解は無限にある。

ごとに、同じ解が繰り返される — 周期関数だからだ。「一般解」と呼ばれるこの形も、書けるようにしておきたい。

ポイント

  • は単位円の高さ の角。ふつう2つある。
  • の範囲で、すべての解を拾う。

よくある間違い

  • だけで終えるミス。第2象限の解も忘れない
  • 第2象限の解を としてしまう(正しくは )
  • 指定された範囲()を確認せず、範囲外の解を書いてしまう