数学II / 三角関数
合成を利用する最大・最小
問題
のとき、 の最大値と最小値を求めよ。
ヒントを見る
まず合成して つの にまとめる。まとまってしまえば、最大・最小はただの値域の話に帰着する。
解答・解説
方針
まず合成して の形にする。 は から まで動くので、最大は 、最小は 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 2項のままでは、最大がどこで起きるか見えない。前問の合成で1つの にまとめる。
の値は から 。 が1周するとき、中身 も1周するから、 の両方に必ず到達する。
よって最大 ・最小 。「合成 → 振幅を読む」の2手で終わる。
① 合成して、1つの にまとめる。 の係数は と 。 が前に出て、 は ・ から 。
② 部分の動く範囲を見る。 が から まで一周するので、中身の角 も一周する。角が一周すれば、 は から までの値をすべてとる。
③ 最後に 倍する。 はこの の 倍。 なので不等号の向きは変わらない。各辺を 倍して
よって最大値 、最小値 。
まとめ: の最大最小は、合成して にするだけ。角が一周するなら答えは 。範囲がついているときは中身の角の範囲を調べる。
発展 — 一歩先へ。 範囲が などに制限されると、中身 の動く区間が全周に届かず、最小が より浅くなる。「合成 → 中身の範囲 → その区間での の値域」という3段が、制限つき問題の完全な型だ。
数学Cのベクトルでは、この最大値が内積 の最大として、「2つのベクトルが同じ向きのとき」と幾何の言葉で説明し直される。
最大値 、最小値
別解
式と証明で学んだコーシー・シュワルツの不等式で挟む、代数の道もある。
よって 。
等号は が と平行のとき。単位円上にそのような点は確かにあり( 方向とその反対)、最大 ・最小 はどちらも達成される。
合成は「どの で最大か」まで教えてくれる万能ルート。不等式は「上限の値」を一撃で出す速攻ルート。範囲が全周でなく制限されている問題では合成が必須になるので、主従を意識して使い分けたい。
ポイント
- 合成 → で最大 、最小 。
- が一周するなら 部分は必ず に達する。
よくある間違い
- 合成の の計算を誤り、最大・最小の値がずれる
- の範囲が制限された問題でも機械的に と答える(中身の角が に届くかの確認が要る)
- 最大・最小をとる の値まで問われたときに、合成後の中身から逆算できない