数学II / 三角関数
三角関数のグラフ(振幅・周期)
問題
関数 について、値域(とりうる の範囲)と周期を答えよ。
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自身の値域を思い出し、それが 倍されたらどうなるかを考える。縦に伸ばす変形が周期に影響するかどうかも、グラフを思い浮かべて判断しよう。
解答・解説
方針
は、( から )を縦に 倍したもの。振幅が 、周期は と同じ 。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 — 元の を、縦に 倍に引き伸ばしたグラフだ。
値域(とりうる の範囲)。
は から まで動く。
全体を 倍する。
値域は 。 この「」を振幅という(波の高さ)。
周期(何回で元に戻るか)。
縦に伸ばしても、横方向は何も変わらない。 が ごとに繰り返すなら、 も ごとに繰り返す。
縦の変化(振幅)と、横の変化(周期)は独立している — ここを混同しないこと。
は から まで動く。それを 倍するので
よって値域は (振幅 )。
周期は、縦に 倍しても横方向は変わらないので、 と同じ 。
発展 — 一歩先へ。 「どんな波でも、 と の足し算で書ける」— これがフーリエ級数という、 世紀最大の発見の つだ。
どんなに複雑な波形も、単純な 波の重ね合わせに分解できる。
ギザギザの波(のこぎり波)でも、四角い波(矩形波)でも、 の無限和で表せる。
なめらかな 波を足していくと、カクカクした四角い波が現れる — 信じがたいが、本当だ。
この定理が、現代のデジタル技術を丸ごと支えている。
- 音楽の圧縮(MP3): 音を 波に分解し、人間に聞こえない成分を捨てる。だからファイルが小さくなる
- 画像の圧縮(JPEG): 画像を 次元の波に分解し、細かい成分を粗く記録する
- 音声認識: 声を周波数成分に分解して、パターンを認識する
- 地震波の解析、MRI、電波通信 — すべてフーリエ変換が心臓部にある
「音を 波に分解する」という発想がなければ、スマホで音楽を聴くことも、写真を送ることもできない。
そして、その分解の基本単位が、 という 本の波だ。
振幅・周期・位相 — この つを読む練習は、世界をフーリエの目で見るための準備運動なのである。
値域 、周期
別解
三角関数のグラフは、 つのパラメータで完全に決まる。 それを整理しておけば、どんな形でも読めるようになる。
一般形。
| 記号 | 名前 | 効果 |
|---|---|---|
| 振幅 | 縦に 倍(波の高さ) | |
| — | 横に 倍(周期は ) | |
| 位相 | 横に 平行移動 | |
| — | 縦に 平行移動(中心線の高さ) |
今回の は、、、。
- 振幅 → 値域は ✓
- 周期 ✓
練習してみよう。 なら?
- 振幅 → 値域は
- 周期 → 倍速く振動する
なら?
- 振幅 、周期
「 の係数が大きいほど、周期は短い(速く振動する)」 — 直感と逆に感じるかもしれないが、 が少し変わるだけで中身が大きく変わるから、当然だ。
周期の意味を、定義から確かめる。
なら
これが と等しくなるのは、 のとき。
公式が導けた。 暗記でなく、定義から作れる。
そして、この つのパラメータは、現実の波を記述する言葉そのものである。
音の場合:
- 振幅 → 音の大きさ(ボリューム)
- 周期 (逆数の振動数 )→ 音の高さ(ピッチ)。 Hz が「ラ」の音
- 位相 → 波の"ずれ"(ノイズキャンセリングは、逆位相の波をぶつけて音を消す)
- → 通常は (基準線)
光の場合: 振動数が色を決める(赤は低く、紫は高い)。
電波の場合: 振幅を変えて情報を乗せるのが AM ラジオ、振動数を変えるのが FM ラジオ — 名前の由来がここにある(Amplitude Modulation / Frequency Modulation)。
の「振幅 」「周期 」を読む作業。 それは、音や光や電波を"読む"作業と、まったく同じなのだ。
ポイント
- :振幅 、周期 。
- 縦の拡大(振幅)は周期に影響しない。
よくある間違い
- 振幅が2倍になると周期も2倍になると思ってしまう(周期は変わらない)
- 値域を のままにする(2倍するので から )
- (周期が半分)と (振幅が2倍)を混同する